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【高橋歩インタビュー】第3回 自分が「最高」と思える人生を

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Photo: 堀和美

<旅の意味ってなんですか?>

もらった感謝を伝えていきたい

―(堀江/以降:堀)歩さんは書籍や発信を通じて、世の中にいる人に影響をもたらしたいという考えはありますか?

(高橋さん/以降:高)「好きなことでメシが食えるほど、世の中は甘くない」とか、「お前は凡人なんだから、そんな好きなことで食っていけるわけがない」とか言う大人が、俺のまわりにも結構いた。でも俺は、本を読んだりしながら、いろんな人の人生に触れることで、「俺みたいなやつでも、やっていいんだ」って思えたんだ。音楽・本・映画の中で、俺はたくさんのヒーローに出会った。その人たちから、「自分が大好きなことで、簡単にはメシ食えないけど、頑張っていけばなんとかなるし、喜んでくれる人もいるよ」ということを俺はもらってきた。

その感謝を本人に返そうとしたって、ジョン・レノンもボブ・マーリーもみんな生きてないからさ(笑)。「だったら俺は、先輩におごってもらったものは後輩におごってあげたい」みたいな感覚があって。他人に影響を与えたいという欲より、そっちの感覚のほうが強いね。

「俺」はあくまで一例

(高)「書いて何かを伝えよう!」というよりは、「70億人いる中の1人として、俺はこんなやつだった。こういう風なことをやって、今すごく幸せに生きてる」と伝えたい。「高橋歩だからできた、じゃない。みんなも絶対できるよ」ってことが伝わるといいなと思ってる。自由や幸せの感覚は全員違うから、八百屋さんでも総理大臣でもなんでもいんだけど、みんなが自分が「最高」と思える人生を生きられたら、日本という国も良くなるし、世界も良くなるんじゃないかな。

だから俺の本に書いていることは、あくまでも1つの例。それを読んで、やる気が出たり、少しでも幸せになったりする人がいたら、「俺も生きている意味がある」と思えるから書いてる。自分に起こったことや実体験を本にしているから、全員にあてはまるものじゃない。「あー、こんなのもアリなのか」って、人生がちょっと開いちゃうような本になってるんだよね。

「旅」の可能性とは

―(堀)自分たちは、もっと「旅に出る人を増やしたいな」というのが根本にありますが、海外に出ない若者に対して旅に出ることを押し付けるようなスタンスは特にない、ということですか?

(高)「行きたいやつが行けばいんじゃない?」っていう感じ。ただ、俺は旅をしていて楽しいから「行ってみたら楽しいよ」とは言えるけど、「行ったほうがいいよ」とは別に思わない。みんなそうじゃない? 押し付けられたくないでしょ?

短くても、人生のきっかけになる旅もある。たとえば「大企業に入んなきゃいけない」とか思っていたけど、旅をして世界中の人と触れ合ったことで、「そんなことじゃないんだな」って思う人もいる。逆に「やっぱり大企業だな」って思う人もいる。旅ではいろんな生き方や常識・非常識みたいなものに触れられるし、面白いこともたくさんあるから、何かが見つかる可能性はあるよね。

人生には「時期」がある

―(堀)海外旅行っていうのももしかしたら一つの小さい夢かもしれないけども、それを歩さんの本と触れることでより「行けるかも」って思えるかもしれませんね。

(高)「俺は面白かったよ」と言えるけど、「お前も行った方がいいよ!」っていうわけではない。それぞれ人生には、いろんな時期があるから。今は一生懸命やろうとか、この道でもっと伸びていきたい、っていうのがもうあるやつは、今は旅する時期じゃないよね。甲子園目指してんのに世界一周してる場合じゃない、みたいな(笑)。

「なにか楽しいこと」を探してるんだったら、世界を旅したり世界一周したりするっていうのはいいかもね。何かが見つかっちゃう可能性はあるよね。

旅は「人生のいろんな場面」に効くもの

(高)「世界一周して帰ってきたときに、すごく変わってないとヤバイ」みたいに思ってるやつが多いんだよ。そんな感じの空気がすごくあるわけ。気持ちはわかるよね。いろんなものを我慢したり辞めたりして、頑張ってお金を作って旅に出ているわけだし、世界一周して帰ってきたときに、いろいろとみんなに聞かれるのは想像できるから。

でも旅に出たからって、人間はそんなにすぐ変わるもんじゃない。だけど、この後の人生のいろんな場面で、効いてくる。たとえば、世界一周して帰ってきて、十何年後かに、偶然飲み会でブラジルの話が出ました。自分はブラジルに行ったことがあった。それがきっかけで、そこにいた女性と意気投合して結婚しました…なんてことだってありえる。「昔、世界一周してブラジルに寄ったのは、この人と出会うためだったんだな」とか思うかもしれない。

テレビのニュースである地域のことをやっていたとしても、そこに行ったことがなければどうでもいい話かもしれないけど、行ったことのある地域だったら、気になるよね。もちろん、強烈なものに出会う旅もあるよ。でも基本的には、一発の旅ですぐに何かが変わるっていう気はあまりしない。旅は残りの人生のいろんな場面で効いてくる。いろんな場面で意味を持ってくる。旅の意味としては、なんとなく俺はそういう印象を持っているね。

(完)

「じゃ、またね」去って行かれた最後の一言が、高橋歩さんを表す一言のように感じました。ありがとうございました。

【高橋歩インタビュー】第1回 旅で、自分がぶっ壊れるような体験をして、「マジ、なんでもアリだなぁ」って感じたい。
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(聞き手:堀江健太郎 撮影:堀一美 文:藤江陽子)
Photo by: Amazon Japan

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高橋歩 プロフィール
1972年東京生まれ。自由人。
20歳の時、映画「カクテル」に憧れ、大学を中退し、仲間とアメリカンバー「ROCKWELL’S」を開店。2年間で4店舗に広がる。
23歳の時、すべての店を仲間に譲り、プータローに。自伝を出すために、出版社「サンクチュアリ出版」を設立。自伝 『毎日が冒険』をはじめ、数々のベストセラーを世に送り出す。
26歳の時、愛する彼女・さやかと結婚。出版社を仲間に譲り、すべての肩書きをリセットし、再びプータローに。結婚式3日後から、妻とふたりで世界一周の旅へ。約2年間で、南極から北極まで世界数十ヶ国を放浪の末、帰国。2001年、沖縄へ移住。音楽と冒険とアートの溢れる自給自足のネイチャービレッジ「ビーチロックビレッジ」を創り上げる。
同時に、作家活動 を続けながら、東京、ニューヨークにて、自らの出版社を設立したり、東京、福島、ニューヨーク、バリ島、インド、ジャマイカで、レストランバー&ゲストハウスを開店したり、インド、ジャマイカで、現地の貧しい子供たちのためのフリースクールを開校するなど、世界中で、ジャンルにとらわれない活動を展開。
2008年、結婚10周年を記念し、家族4人でキャンピングカーに乗り、世界一周の旅に出発。
2011年、東日本大震災を受けて、旅を一時中断。宮城県石巻市に入り、ボランティアビレッジを立ち上げ、2万人以上の人々を受け入れながら、復興支援活動を展開。現在も、石巻市・福島市を中心に、様々なプロジェクトを進行中。
2013年、約4年間に渡る家族での世界一周の旅を終え、ハワイ・ビッグアイランドへ移住。現在、著作の累計部数は200万部を超え、英語圏諸国、韓国、台湾など、海外でも広く出版されている。
[official web site] AYUMU CHANNEL

 

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