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商店街再生の切り札、広がる「まちゼミ」への期待

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地域一番の商店街がシャッター通りに

地方をめぐると、かつて栄えていた商店街がすたれている光景に直面します。若い世代が都市部に職を求めて地元を離れるほか、ファミリー層は郊外の大型ショッピングセンターに行き、ワンストップで必需品を買い揃えるため商店街を訪れる人が少なくなりました。結果、来客数が減少し、閉店が相次ぎシャッター通りが増えています。

社会環境の変化を受け地方創生が喫緊の課題になっている中、シャッター商店街の起死回生策といわれる「まちゼミナール」、略して「まちゼミ」が全国に広がっています。まちゼミとは、各商店の店主や店長が講師を務め、商品の見分け方などプロの知恵や知識を受講生(顧客)に無料で講義する少人数制の勉強会です。

その場で売り込みは行わず、店のファンづくりに徹し、店の特徴や商品のストーリーを知ってもらうことで顧客と信頼関係を育んでいます。まちゼミは、愛知県岡崎市の「康生通り」にある化粧品店の4代目・松井洋一郎氏(岡崎まちゼミの会代表)が広めた手法で、現在では全国165カ所に拡大し、商店街復活のカギとして脚光を集めています。

ユニークなまちゼミで成果を上げた若松商店街連合会

北九州市初のまちゼミを実施した、若松商店街連合会の事例を見てみます。北九州市若松区は、火野葦平の小説「花と龍」などで知られ、石炭の積出港として栄えた街です。若戸大橋のたもとに位置する若松商店街も、ほかの商店街と同様に産業構造の変化、地域住民の高齢化、郊外型ショッピングセンターの出店により客足を奪われました。

こうした中、創業60余年の牛島時計店3代目・牛島源氏が中心となり、2013年9月、北九州市初となるまちゼミ「若松の得するまちのゼミナール」を開催。初回は17講座、のべ95人の参加を得て主催者も驚く成果を出しました。以降、商店街のイベントとして定着しつつあります。

人気の講座は生花店の「フラワーアレンジメント講座」や葬儀会社の「家族葬の落とし穴」、青果店の「本当は教えたくない果物講座」など。変わり種は、自動車整備工場の「初めての自動車板金塗装」で、大人から子どもまで自動車の板金塗装を体験し関心を集めました。

介護複合施設を誘致するなど、行政の関与にも期待

かつては、地価が高かった街の中心地に居住する人は少なく、郊外の斜面地や遠隔地に住み、バスや電車で買い物に出かけていました。ところが、消費活動が盛んだった世代の高齢化などにより商店街の利用者が減少。商店街では、後継者不在により「歯抜け」店舗が続出するなど、負のスパイラルが起きています。「商店街の本質的な課題は周辺人口の増加」と牛島氏が語るように、住民の流出・減少は大きな課題のようです。

2018年には、若戸大橋の通行料無料化が実現します。商店街にとって明るい材料ですが、空き店舗の問題は進行しています。土地区画整理事業のように行政が関与し、地権者をまとめ、介護複合施設などの誘致ができれば、新たな商店街活性化のメルクマールになるかもしれません。

(村上 義文/認定事業再生士)

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