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会社を休みたいからって診断書を偽造すると・・・?

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会社を休みたいからって診断書を偽造すると・・・?

 大阪税関は2月27日、診断書を偽造し、病気休暇を取得したとして、男性係長を停職3か月の懲戒処分にしたと発表しました。大阪税関によれば、男性は2009年12月から昨年6月まで、計10回、病気休暇を70日取得したそうです。診断書は病院のホームページを見て、自宅のパソコンで偽造し、上司に提出していました。男性は病気休暇中の給料として約127万円を受け取っていましたが、全額返納しています。
 仕事を休みたいなと思って、軽い気持ちで会社に「インフルエンザなので休みます」と連絡したところ、診断書を求められて非常に困ったという話もインターネット上では目にします。今回は、診断書を偽造して提出した場合、どういう問題があるのかについて見てみましょう。

 診断書とは、医者と歯科医師のみに発行が認められている証明書の一つです。診断書は主に、診断された結果等を証明するために用いられます。医師法20条では、医者が診察をしないのに診断書等を発行することを禁止しており、それに違反した場合には50万円以下の罰金に処されることになっており(医師法33条の3)、診断書は重要なものとして位置づけられています。診断書が必要とされる主な場面としては、患者が生命保険等に入っていて、保険料を請求する場合に用いられます。
 また、企業によっては、就業規則の中で病気や怪我で早退したり休んだりする場合の手続きとして診断書の提出をするよう定めていることもあります。

 刑法には、虚偽診断書等作成罪という罪があります(刑法160条)。診断書等作成罪を犯した場合は、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金が課されます。しかし、この罪は、医者が官公庁に提出すべき診断書や死亡証書等に虚偽の記載をした場合に問われるものです。今回のように医者以外の人が虚偽診断書を作成した場合や、医者が作成しても提出先が患者の勤務先の民間企業であるような場合は、本罪には該当しません。
 医者ではない一般の人が、診断書を偽造し、勤務先に提出することは、有印私文書偽造罪(刑法159条)及び偽造私文書等行使罪(刑法161条)に該当します。さらに休暇中の賃金を不正に受け取っていれば、詐欺罪(刑法246条)が成立する可能性があります。
 このように、嘘の診断書を勝手に作り、使用することは刑法に触れる行為にあたります。

 また、会社が、従業員を懲戒したり解雇したりすることが出来る場合を就業規則に定めておくことがあります。この懲戒や解雇が出来る場面として、「虚偽の申告や報告をした場合」を定めている会社も少なくありません。仮に就業規則にこのような規定がある場合には、虚偽診断書の提出は懲戒や解雇の理由となりえます。

 2013年に北海道庁でも職員が偽造診断書を使って87日も休んでいたというケースがありました。この職員は懲戒免職となり、定年退職まであと数年というところだったにもかかわらず、2千数百万円の退職金が全くもらえなかったとのことです。
 このように軽い気持ちで診断書を偽造した行為が、懲戒や解雇、刑法違反といった非常に重たい結果を引き起こしてしまいます。会社を休みたくとも、嘘はやめておくのが良さそうですね。

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