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【シェアな生活】節約だけじゃない。”シェア”が生み出す新しい消費と楽しみ方――『ブックシェアカフェ』菅谷洋一氏インタビュー(2/4)

シェアが生み出す新しい消費

『ブックシェアカフェ』企画担当、菅谷洋一さんのインタビュー2回目。
前回はこちら

あらすじ
”シェア”による新しい消費とコミュニケーションについて取材中、『ブックシェアカフェ』という新しい形態のお店が高円寺にできたと知る。本が並んでてドリンク飲み放題など、そのお店は一見”漫画喫茶”なのだが違う部分がある。個室がなく全席オープン、雰囲気は綺麗な図書館。よくあるゲーム用高性能PCはなく、iPadが複数備え付けられている。電源や無線LANは自由に使えて月額2000円で月何回でも利用可能(混雑時制限あり)、読みたい本は必ずPOSを通し、そこ経由で会員制ウェブサイトに自動登録された自分が読んだ本へのレビュー執筆ができる。一体何故、このようなお店をつくったのか。企画担当の菅谷洋一さんにお話をきいた。
※連載シリーズ『シェアな生活~共有・共感・共生がもたらす新しいライフスタイル』関連記事です。

登場人物
菅谷=菅谷洋一さん。『ブックシェアカフェ』企画担当。
深水=ききて。深水英一郎(ガジェット通信)

菅谷さん

●”ブックシェア”という発想。”ブックシェア”ができること

――深水:『ブックシェアカフェ』をつくるに当たって参考にされた店舗はありますか?

菅谷:参考にしたのは、六本木ヒルズの『アカデミーヒルズ(http://www.academyhills.com/)』。47階にある、月一万円の会員制図書館なんですよ。月一万円の会員制スペース事業っていうのがあるんだなあというのがひとつ。そして京都の『ガケ書房』っていう本屋さん。『ガケ書房』は“貸し棚”をやっているんです。

――深水:いくつかのヒントをうまく取り込んでいるんですね。

菅谷:あと、古本屋さんへ行くとマンガの立ち読みをしている人がいっぱいいる。通常の書店で新刊のマンガはビニールがかかっていて開いて読むことはできないんですが、古本だとそれがなくて、人が集まってきている。さらに古本であるならば、「誰が持ってきたの?」「どんな感想を持って読み終わったの?」といった情報を付帯させることができるな、と思ったりしたことなどもヒントになっています。

――深水:本に落書き欄があって知らない人どうしでそこに書き込みながら回し読みしたら面白いですよね。そういうことをウェブ上で実現しちゃおうということですね。

菅谷:SNSって、まず人がいて、その人に時間軸がついたり人に他の人との相互リンクがついてくるじゃないですか。人だけじゃなくてモノも、オブジェクトとしてそこに投げ込んで一緒につないでいきたいなと。

――深水:物理的な本を舞台としたソーシャルリーディング(※)。
(※)読書体験の共有。例えばアンダーラインやコメントを文書上で共有し、他の誰かのコメントを読者しながら読むことができる仕組みなど。さらに発展してみんなで本を読みながらワイガヤできる仕組みも生まれつつある

菅谷:小学校のときの図書室の貸出カードって、誰が借りたかっていうのがわかりますよね。あれをヒントにしています。「俺が第一号だ」とか、ちょっとかわいい子の名前が入っていたりしたら、テンションが上がりますよね。あれを創りたいなと思ったんです。
 本当は、公共の図書館とか、それこそ『TSUTAYA』とか規模の大きいところでやれるといい。SNSってボリュームが面白さに直結する側面があるじゃないですか。10人しかいないコミュニティと100人のコミュニティではコンテンツの量が違うので。

――深水:多ければ多いほど楽しいですね。出会いも多いし、みんなの意見もリンクしてくる。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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