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アパレル店舗は「サビ残」三昧! 本社の同期は「1分単位でもらってる」というのに

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Aさんは、アパレル企業に勤める20代半ばの女性。「ファッションアドバイザー」という肩書きで、毎日直営店舗に赴いています。

子どもの頃から「ファッションが好き」だったことから、大学卒業後にこの業界に入りました。しかし、本社に配属された同期が憧れの企画業務をしているのに、自分の働き方は「お店の販売スタッフ」と変わりません。

店には1日2人のアルバイトのシフトが入りますが、その募集や採用、管理もすべて彼女の仕事。バイトの出社前にレジの鍵を開け、帰宅した後に鍵を閉めなければならず、その後に報告を書くなどすると労働時間がどうしても長くなります。
転職前にどうしても取り返してやりたい

会社は「この店は、ぜんぶ君に任せているんだからさ」といって労働時間の報告も求めません。しかし早出や持ち帰りも含めると日に3時間、月に60時間ほどの残業がありながら、残業代は月固定の3万円のみです。

ある日、本社勤務の同期に会うと、「え~、残業代は1分単位でキッチリもらってるけど」と聞かされて驚きました。これはあまりに不公平だと憤り、転職を考えましたが、気になるのが未払い分の残業代。どうしても取り返してやりたくなります。

しかし店にはタイムカードのような勤怠を証明できるものが一切なく、いまさら「ちゃんと支払って」と請求する根拠も思い浮かびません。こういうときは、泣き寝入りするしかないのか。職場の法律問題に詳しいアディーレ法律事務所の岩沙弁護士に聞いてみました。

――大好きなファッションの仕事につけたと思ったら、希望の部署には行けず、しかもサービス残業をさせられるなんて、ほんとうに不公平ですね。月に60時間も残業しているにもかかわらず、3万円の固定残業代しか払われていないのであれば、残りの残業代を請求したいところです。

今回のケースは、月に60時間も残業しているとのことなので、毎月の残業代を計算すれば、3万円より多くなるはずです。そして、3万円を超えた部分については、法律上、残業代を請求することができるのでご安心下さい。
出勤時と退社時に会社のパソコンからメールを送る

残業を裁判所に認めてもらうためには、労働時間を証明する証拠が非常に重要になってきます。実際の労働時間を証明する証拠として1番有力なものは、始業時刻と終業時刻が打刻されているタイムカードです。

タイムカードがない会社であっても、上司の承認印のあるタイムシートや毎日提出している日報なども証拠となります。

ただしAさんの会社は、タイムカードのような勤怠を証明できるものが一切なく、タイムシートや日報もない可能性がありますね。このような場合は、労働者が自ら出勤時間と退勤時間を証明する証拠を日々作成することが必要となってきます。

比較的簡単な例としては、出勤した時と退勤する時に、会社のパソコンからご家庭のパソコンにメールを送ることです。メールの履歴を証拠として提出すれば、出勤時間と退勤時間を証明することができます。

ご自身で証拠を残すことをしていなかった場合でもあきらめてはいけません。会社の出入口にセキュリティーゲートがあるような会社であれば、そのゲートの通過時間も労働時間を証明するのに有用です。
記録のない「過去の期間」も認定される場合がある

今回のご相談者の場合、過去の部分についてはメールなどの証拠を作成することができません。しかし、今後、数か月間、メールなどの証拠を残しておけば、メールがない過去の期間についても、メールの時間と同じくらいに出退勤をしていたと認定してくれることも多いですので、証拠作りは今からでも遅くありません。

在職中に会社に対して残業代を請求することは躊躇されがちですが、残業代は2年で時効消滅してしまいます。時間が経過すると過去の残業代が法律上請求できなくなってしまうので、一度弁護士に相談してみて下さいね。

【取材協力弁護士 プロフィール】

岩沙 好幸(いわさ よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』。ブログ『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。

*弁護士法人アディーレ法律事務所では2015年3月31日まで、残業代に関する完全報酬制のキャンペーンを実施中!

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