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若者の旅行離れはホントか?旅人世代間対話サミット[前編]

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TRiPORTライターのレティです。

2月22日、東京にある「高円寺パンディット」で【旅人世代間対話サミット】というイベントが開催されました。「旅に出ろと言うオッサンVS若者が旅に出る理由、出ない本当の理由」というテーマを中心に、Japan Backpackers Link代表の向井通浩(40代)、Compathy Wanderlust Inc.CEOの堀江健太郎(30代)とTravelers BoxSUNGLIAL CMOの清水一貴(20代学生)がイベント参加者と話し合いながら、12個のトピックについて話し合い、世代間意識の違いとその時代背景を探求しました。
今回は、このイベントで議題となった12個の質問を前編・後編にわけて紹介したいと思います。

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①日本人若者の「旅離れ」は本当?

答えはyes! 日本の「放浪男子」 は絶滅の危機とも言われています。法務省の統計によれば、20~24歳の日本人男性のうち、2013年に出国した人の割合はわずか14%。同世代日本人女性の28%と比べると半分以下になっています。

参照:『日本経済新聞

②日本人のパスポート保有率は?

答えは24%です! 同じ島国であるイギリスは75%。つまり、イギリスの3分の1以下です。パスポートを作ってしまえば海外旅行に出る気になるのかもしれませんが、パスポートを取ること自体が面倒だという意見もありました。しかし、「日本のパスポートは世界第4位!これって何のランキング?」でも書いたように、日本のパスポートはビザなし、あるいは到着ビザで170カ国に入国できるという大きな魅力を持っています。これだけの力があるのにも関わらず、それを活用しないのは非常にもったいないです。イベントでは冗談半分で、「高校を卒業するときに、全員にパスポートを配っちゃえば?」というユニークな意見も出ましたが、あなたはどう思いますか?

③若者が旅に出ないのは「ゆとり教育」のせい?

40代代表の向井さんが子供の頃は、子供の人数が多く、他の人と違うことをしないと見向きもされなかったそうです。一方、20代代表の清水さんはこのように話しました。

今はそうじゃないですね。ナンバーワンよりオンリーワンが重視されるような教育方針がよしとされているので、「人とは違うんだから無理しなくていいよ」という雰囲気があります。チャレンジをしないのが僕らの世代の特徴だと思います。それに、日常を普通に過ごしていても刺激があるんですよね。パソコンやスマホ、SNSとか…。そういう影響もあって、若い人があまり旅に出なくなったのではないかと思います。

日本で生活していると特別不便なこともなく、ある程度幸せになれるので、わざわざ海外へ行く必要もないと感じる人が多いのかもしれません。『若者は本当にお金がないのか? 統計データが語る意外な真実 』 (光文社新書 2014年)によると、今の若者は日常生活に満足している人の割合が他の世代に比べて高いそうです。そのため、「なぜ海外に行く必要があるのか?」という理屈や疑問を作ってしまうのかもしれないと、イベント内で堀江さんが指摘しました。

これらのことから考察すると、教育なども含む、時代の流れや環境の影響が大きいと言えそうです。バブル時代を生きていた若者と今の若者では、「旅」、「冒険」、「リスク」に対する価値観が違うのでしょう。

④旅に行けない理由はお金?

今の若い人はお金がないから旅に行けないと言う話もたまに聞きますが、実際はどうなのでしょう? アルバイトをすれば十分稼げるとは思いますが、その稼いだお金を「旅で使う」という選択をするまでには、様々な優先すべき事柄があるのかもしれません。わざわざ海外に行かなくても今は面白いものが日常に溢れているので、稼いだお金で海外へ行き、新たなチャレンジをする必要性を感じることも少ないのでしょう。

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⑤若者は海外に興味がない?

「昔は部活やサークルの部室に先輩が使った『地球の歩き方』が転がっていて、それをきっかけに『旅』について話し、そこで初めて海外に触れることもあった」と、向井さんは話しました。しかし今の時代では、部室でそのような会話が交わされることはほとんどないでしょう。インターネットを使えば無料で情報を集めることができますし、旅の本を買う必要性も減っています。

昔は、テレビなどの影響力が大きく、世間が同時に同じ趣味にはまる「ブーム」というものが巻き起こることも少なくありませんでしたが、今はテレビだけではなく、ネット上でも様々なことが話題となり、興味を持つことがそれぞれで異なります。その人の興味が「旅」である確率も自然と減ってきているとも考えられるでしょう。

⑥若い男性が旅に出ないのは就職のため?

現在、「男性よりも女性のほうが圧倒的に海外に行っている」というデータがあります。これには「男性は新卒で入社し、一生懸命働かないといけない」という世間的な雰囲気が関係しているのかもしれません。男性と違って、女性は最終的に結婚できるため、それまでは自由に過ごせるという考えを持つ人も未だにいるでしょう。「女性は家で子育て、男性は外で仕事」という、偏った考え方にとらわれる限り、「放浪男子」の絶滅をとめることはできません。「男らしさ」や「女らしさ」という性別に対しての固定概念を捨てて、ライフ・ワーク・バランス(「仕事と生活の調和」)の実現を目指せば、「旅離れ」問題の解決に近づけるのではないでしょうか?

(次回に続く)

(ライター:Letizia Guarini)

日本のパスポートは世界第4位!これって何のランキング?

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