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東京オリンピックに向けて増やすべきは外国人旅行者ではない

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Photo: Raúl Peralta「Tokyo

TRiPORTライターのレティです。

東京オリンピックが決まってから、「ガイコクジンリョコウシャ」に対する関心が高まりつつあるような気がします。「ガイコクジンリョコウシャ」が好きな観光スポット、「ガイコクジンリョコウシャ」がよく買うお土産、「ガイコクジンリョコウシャ」がよく食べる日本食など、テレビをつけるとこのような言葉が耳に入ってきます。

もしかしたらあなたは、街中や電車で「ガイコクジン」を見かけたら「リョコウシャ」だと思うのかもしれません。しかし、日本を歩いている「ガイコクジン」は必ずしも「リョコウ」しているとは限りません。長い「タビ」をしていることだってあるのです。
見た目だけだと「リョコウシャ」と「タビビト」はあまり変わりませんが、日本を歩きながら抱いている気持ちはきっと同じではありません。その違いとはいったい何でしょう?

先入観で日本を見る「リョコウシャ」

「ガイコクジン」といったら、「金髪に高い鼻」という典型的なイメージを持っている人も少なくないでしょう。「日本語が話せないに決まっている!」、「日本の文化を全然知らないだろう」と決めつける人も多いかと思います。残念ながら、このような偏見を抱きながら「ガイコクジン」を見ている傾向が未だに強い気がします。一方で、偏見を抱きながら日本を訪れる「ガイコクジン」もいます。この人々を私は「リョコウシャ」と呼ぶべきだと思うのです。

日本を「リョコウ」する人は、日本で定番とされている場所へしか足を運ばないでしょう。ハチ公前や渋谷のスクランブル交差点でお決まりの写真を撮って、秋葉原で買い物して、原宿でゴシックロリータを探します。京都の金閣寺には訪れても、銀閣寺については存在さえ知らないこともありえます。

そのような「リョコウシャ」は箸を使わないし、使おうというチャレンジすらしません。適当に寿司屋に入り、それ以上日本食には興味を示しません。遠い国から日本にせっかく来ているのに、お腹が空いたらマックに入ってしまいます。日本語は一言もしゃべれず、英語が通じないときはイライラすることだってあります。現地の人と接触しなくていい、現地のマナーを知らなくていい、現地の文化に触れなくていい…。スシ・ゲイシャ・サムライを求めて、固定的な概念を抱きつつ来日し、そのまま帰国してしまいます。

もちろん、人によって価値観もそれぞれですし、このように日本を「リョコウ」することも楽しいでしょう。しかし、このように「リョコウ」をして違う文化に出会えるチャンスがあるのにも関わらず、それを見逃すことは、あまりにももったいないことだと思うのです。

Photo: Robert Hernandez Nisa「Japan

偏見を捨てようとする「タビビト」

「リョコウシャ」と違って日本を「タビ」する人とは、いったいどんな人でしょうか? まず、たとえカタコトでも日本語を話せるように努力する人が多い気がします。「アリガトウ」「コンニチハ」「スミマセン」くらいしか言えないかもしれませんが、言葉が通じなくても、一生懸命現地の人とコミュニケーションを取ろうとします。

お寿司はもちろん、ラーメン、鍋、納豆まで食べてみます。観光客が集まる場所も訪れますが、どちらかというとあまり知られていないスポットのほうが好きな人が多いかと思います。渋谷には行きますが、高円寺のほうが落ち着くのかもしれません。京都はもちろん観光しますが、四国にまで足を運ぶ人も少なくありません。

「タビビト」の中でも、2週間だけ日本に滞在する人もいれば、何年間も日本に住み続ける人もいます。日本が好きになったり、嫌いになったり、やっとこの文化が理解できたと思っても、やっぱりわからないと、「タビ」をしながら繰り返し自分の中で葛藤しつづけるのです。たとえ日本文化を深く理解できていなくても、とにかく興味津々です。来日する前は日本への先入観を持っていたかもしれませんが、その固定的な概念をぶっ壊すために「タビ」をしているのです。

偏見をなくすチャンスを生かそう

近頃は、日本の景気を復活させるために外国旅行者を増加させようという動きも増えてきています。それはそれで大切なことですが、ガイコクジンを経済的資源としてしか見ていないのではという違和感を抱いています。人間と人間との出会いはきっと、もっと深い交流が生じるきっかけになるはずです。東京オリンピックもガイコクジンが日本に外貨を落としてくれるチャンスとして捉えるだけではなく、お互いに偏見をなくすチャンスであることも忘れないで欲しいです。

世界中に日本文化をもっと知ってもらいたいのなら、先入観を持って日本を見る「リョコウシャ」ではなく、固定的な概念を壊そうとしている「タビビト」を増やしたほうがいいと思いませんか?

(ライター:Letizia Guarini)
Photo by: Raúl Peralta「Tokyo

日本の旅行記

*Raúl Peralta「Tokyo
*Robert Hernandez Nisa「Japan
*Wojciech Sieniawski「Visiting of Tokyo

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