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【高橋歩インタビュー】第1回 旅で、自分がぶっ壊れるような体験をして、「マジ、なんでもアリだなぁ」って感じたい。

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<幸せ・自由ってなんですか?>


(写真撮影:堀和美)

肩書きは「自由人」

(高橋さん/以降:高)俺は、やっていることがたくさんあるから「何をやってる人なの?」って言われたとき、肩書きをつけると5行くらいになっちゃう。だからもう「そういうの、どうでもよくね?」みたいな意味で自由人って言ってる。こういうインタビューとかもあるから、半分シャレというか…。

「幸せ」は感じるもの

(高)よく本にも書いているけど、幸せとか自由って、なるものじゃなくて、感じるものだから、定義とかはない。自由だなって俺が感じたことが自由、みたいな(笑)。「高橋さんにとって幸せや自由とは何ですか?」って言われても、自由とか幸せは感じるものだから、「この条件を満たしたら『自由』」とか、そういうものではない。それよりは「なんか今すげー自由な感じがした」みたいな…。そういうときのことを俺は自由と呼んでいるよ。

自ら選び、「不自由」をなくす

(高)スケジュールも全部自分で組んでいるし、やりたくないことをやる必要はないと思っている。でも、もちろん楽なことだけじゃない。うまくいくことも、いかないこともいっぱいあるけど、それは全員同じだよね。だけど俺は、自分で選んだことしかやってない。だから根本的に、縛られている感じはしないし、「不自由だな」とは感じない生活をしているかな。

自分自身が「壊される旅」

(高)とにかく世界は広い。いろんな生き方がある。それを感じたうえで地元に住むっていうのと、ただ地元しか知らなくて住むっていうことは、明らかに違うよね。どっちが良い悪いではない。だけど自分としては、なるべくいろんなものや生き方を見て、そのうえで自分が最高だなって思える場所で生きていきたいという想いがすごくある。だから旅をして、なるべく自分自身が壊されるようにしてる。もうすでに知っているところを見に行くよりは、なるべく知らないところや頭のおかしいようなところへ行って、自分がぶっ壊れるような体験をして、「マジ、なんでもアリだなぁ」って感じたい。

「自分自身」を見る瞬間に出会える

―(堀江/以降:堀)「自分の常識をどんどん壊していくこと」が旅に対する根本的な欲求なのでしょうか?

(高)やっぱり東京にいると周りに人が寄ってくることもあるし、「高橋歩」でいることで調子に乗っちゃうこともある。そりゃ20歳くらいのときはスーパースターになりたかったけど、今はそういうのじゃない。なるべく常識も実績も通じない世界で「俺がそこにいるだけ」っていう状況をつくる。そこで誰かと友達になれたら素敵じゃん。そういうときのほうが、自分がすごく成長できる。まぁもっと言えばそういう自分のほうが好き。何か力が出るっていうか…。

たとえばケニアで、何族かもよくわからない人と、ペラペラは話せなくても1日過ごして、心が通じ合ったような…。ちょっとギャグを言ったら笑ってくれるみたいなところも含めて、そういうときに「俺を見てる」っていう感じがする。俺はそういう時間が好きなんだよね。ただ、みんながそうということではないから、「そんなこと全然意味ないっすよ!」っていう人も、もちろんいていい。

旅で話しかける理由

沖縄に住んでいた頃、まわりに俺のことなんて知っている人が全然いなくて、漁港でおばあちゃんとかに、なぜかこきつかわれる日もあって。海ブドウの仕上げとかやらされてたりしたんだけど(笑)。なんか、そういうのが好きなんだよ。「家に来なさい!」「えー?」とか言いながら、「この上下関係はなんだろう?」と思うけど(笑)。でも。それが好きだから、旅をしていてもすぐに地元の人に話しかける。「なにやってるの?」って話しかけて、コミュニケーションをとるのが好きかな。なんかそういうときに、自分だなって感じがする。

旅先では「まず感じろ」

(高)たとえばマチュピチュ行ったらまずは写真撮る! みたいな。俺は「まず感じろよ」、と思うんだよね。みんな発表するほうにばかり神経がいきすぎていて…。もちろん撮るのはいいよ、俺も写真撮るし。でも「まずはその場を感じろよ」、人を撮るときも「少なくとも友達になってから撮れよ」と思うね。

下手すりゃマチュピチュで写真撮って、そのまま帰ったりしてんだよ。「マチュピチュ観たか?」みたいな。それはそれで、別にそいつが幸せならいんだけど。ただ感じるほうが後回しになってる。意味は理解できるし、Facebookとかに載せたいのもわかる。それも別に悪いことじゃない。ただ、順番が逆で…。旅人を見てても、撮って発表することに神経がいきすぎてる人もいると思う。わかってやってるんならいいんだけど、もったいないなって、俺は思う。

感じて残す「写真」とは

(高)感じるから残る、わけで、記録するのが悪いことではないけど順番が逆というか。ちょっと意識すると、写真のクオリティも全然違うからね。感じてから撮ったほうが絶対によくなると思う。俺は人の写真を撮るときも、その人と意思疎通してからしか絶対にシャッターを押さない。ちゃんと一緒に過ごした後に撮ってみると、それなりのものが撮れていると俺は思う。

やっぱり、全部同じだと思うんだよなぁ。風景にしても、感じてから写真撮るのと、すぐに撮るのは、やっぱり違うと思う。だから、いい写真撮るっていう意味でも、感じてから撮ったほうがいいんじゃないかな。「ちゃんと見てる?」って思うもん。「インド人の写真撮る前に、インド人と話そうよ」みたいな(笑)。

感じないで見るだけだったら、ガイドブックを見て終わりでいい

―(堀)最近すごくブームの絶景も、行くこと自体がゴールになっちゃって、写真撮って「行ったよ」っていう証拠を残すような行為になりがちですよね。行くことはすごく大事ですが、まずは感じるっていうところを大事にしてほしいですね。

(高)風景自体はもう、本で見てるわけじゃん。だから同じものを観に行ってるだけなんだよ。そういう意味では、観るだけっていう目的は、とても浅くない? そこでしか絶対に感じられない何かがあるから。行く過程だったり、その中に旅の価値があるわけで。だから感じないで見るだけだったら、ガイドブックを見て終わりでいいってことになっちゃう。

そこに風が吹いてて、こういう人がいて、こんな気温で…、とか。オーロラなんて、1番いい例だよね。もう、現場で、出てくるわけだから。それはどんな写真を見るより、絶対にそこにいて感じるものだよね。きっと感じてほしいから、写真出してもいいかなっていう判断で、ガイドブックには写真出してんだよ。

でも海外のガイドブックなんか、一切写真を載せないものも結構ある。あれはやっぱり自分で観に行ってほしいからだよね。「全部バラさないでよ」みたいな考えで、作ってるんじゃないかな。

(次回に続く…)

★「高橋歩の旅」に、もっと触れるために……

FAMILY GYPSY
気の向くままに、家族で世界を放浪した、約4年間のファミリージプシーデイズ。
旅中に撮った膨大な写真と綴ったメモと向き合い、世界中の路上で生まれた言葉と写真を集めて創った、約4年間の旅の集大成。

★「高橋歩の考え方」に、もっと触れるために……

自由人の脳みそ
仕事も 夢も 遊びも、自由に、自分の好きなように楽しむための38の考え方。
思考の癖を変えれば、人生は劇的に面白くなる。
自由人・高橋歩の『シンプル=パワフル』思考術!

高橋歩 プロフィール
1972年東京生まれ。自由人。
20歳の時、映画「カクテル」に憧れ、大学を中退し、仲間とアメリカンバー「ROCKWELL’S」を開店。2年間で4店舗に広がる。
23歳の時、すべての店を仲間に譲り、プータローに。自伝を出すために、出版社「サンクチュアリ出版」を設立。自伝 『毎日が冒険』をはじめ、数々のベストセラーを世に送り出す。
26歳の時、愛する彼女・さやかと結婚。出版社を仲間に譲り、すべての肩書きをリセットし、再びプータローに。結婚式3日後から、妻とふたりで世界一周の旅へ。約2年間で、南極から北極まで世界数十ヶ国を放浪の末、帰国。2001年、沖縄へ移住。音楽と冒険とアートの溢れる自給自足のネイチャービレッジ「ビーチロックビレッジ」を創り上げる。
同時に、作家活動 を続けながら、東京、ニューヨークにて、自らの出版社を設立したり、東京、福島、ニューヨーク、バリ島、インド、ジャマイカで、レストランバー&ゲストハウスを開店したり、インド、ジャマイカで、現地の貧しい子供たちのためのフリースクールを開校するなど、世界中で、ジャンルにとらわれない活動を展開。
2008年、結婚10周年を記念し、家族4人でキャンピングカーに乗り、世界一周の旅に出発。
2011年、東日本大震災を受けて、旅を一時中断。宮城県石巻市に入り、ボランティアビレッジを立ち上げ、2万人以上の人々を受け入れながら、復興支援活動を展開。現在も、石巻市・福島市を中心に、様々なプロジェクトを進行中。
2013年、約4年間に渡る家族での世界一周の旅を終え、ハワイ・ビッグアイランドへ移住。現在、著作の累計部数は200万部を超え、英語圏諸国、韓国、台湾など、海外でも広く出版されている。
[official web site] AYUMU CHANNEL

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