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雪国まいたけに異変?

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 冬のごちそうの定番と言えば鍋、その鍋には欠かせないキノコですが、そのキノコ生産大手の雪国まいたけが今、大変なことになっています。米投資ファンド会社が東証2部上場雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)にTOBを行い、完全子会社にする方針であることを2月24日に公告しました。買付価格は1株当たり245円、全株式取得時の買収総額は約95億円ということです。
 今回はTOBがどういうもので、今後どのように進められていくのかについて、見てみたいと思います。

 TOBとは、「Take Over Bid」または「Tender Offer Bid」の略語で、日本語では「株式公開買付け」と訳されます。株式公開買付けとは、目的の銘柄の株式を取得するために、買付内容(買付数、価格、買付期間等)を不特定多数の株主に明らかにして、証券取引所を通さずに、株主から直接買い付けることをいいます。
 証券取引所に上場されている株式であっても、株主と交渉して市場外で株式を譲り受けることはできます。しかし、上場企業の株式を市場外で5%以上購入するとき、あるいは市場外で株式購入をした結果、買取後の議決権が1/3以上になるときは、原則として公開買付けを実施しなければならないとされています(金融商品取引法27条の2第1項等)。

 公開買付けを実施する者は、公開買付けを開始する前に買付内容を明らかにし(公告。金融商品取引法27条の3)、公開買付の届出書を内閣総理大臣に提出して、公開買付けが始まります。また、買付けの対象となった会社は、買付けの公告が行われた日からすぐに公開買付けに賛成なのか反対なのかといった意見等を内閣総理大臣に提出しなければなりません(同法27条の10)。これらの煩雑な手続きを経た上で、公開買付けは終了し、買付者は結果を公表し、内閣総理大臣に届けます(同法27条の13)。
 株主が公開買付けに応じるか否かは自由ですが、公開買付けの結果、対象となった会社が上場基準を満たさなくなると上場廃止となり、株式の売買が困難になるため、公開買付けの影響を見極める必要があります。

 TOBで発表される買付価格は、市場価格よりも高いのが通常です。株式市場の価格よりも高い価格で買うのでは、TOBをする側にとって不利になるのでは?と思われるかもしれません。
 しかし、TOBには次のようなメリットもあります。市場価格より高い価格で買い取ることを発表することで、その株式を持っている人は高く売れるTOBに応募しようというインセンティブが働きます。したがって、TOBをしようとしている人は、大量の株式を取得することが可能となります。また、市場で株を大量に買おうとすると、需要と供給のバランスのせいで株価が急に上昇する可能性があるので、結果として高くついてしまうことがあります。TOBをすることで一定の価格で大量の株式を購入することが可能になります。
 もっとも、TOBを発表することにより、対象とされた会社が対策を講じることもありますので、必ずしもうまくいくとは限りません。

 TOBを行い成功した場合は、TOBをした側は大量の株式を保有することになります。大量の株式を保有することは、すなわち議決権を多数持つことになりますので、自分たちの思うように会社を支配することができるようになります。

 「雪国まいたけ」は、2013年(平成25年)に不適切な会計処理が発覚した後、創業者側と現経営陣の間で経営方針を巡って対立が続いています。公開買付開始公告によると、ファンドは同社を非上場化し、安定した経営体制を構築したうえで、経営改革の実行と事業の積極展開を目指すようです。
 雪国まいたけ側も24日、公開買付けに賛同する旨の意思表明を行っています。
 おいしいキノコの行方はどうなるのか、今後の動向が気になるところです。

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