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エコで注目のヤギ除草、魅力ポイントからレンタルの心構えまで

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近年、ヤギが除草に活躍する事例が増えています。燃料を使わず、草そのものもゴミとして処分する必要がないため、環境に優しい点で注目を集めているのです。何度かSUUMOジャーナルでもご紹介しているUR都市機構の「ヤギ除草」が、筆者宅の近隣で約半年間にわたって実施されたため、ヤギが身近にいる暮らしはどうなのか、除草の成果はどうなのか、じっくり観察レポートします。また、個人で行うヤギレンタルのポイントも紹介します。生い茂った草原にヤギが出動! 半年間の観察日誌

昨年、UR都市機構が行った「ヤギ除草」は、町田市(2カ所)、日野市、印西市、堺市、西宮市の計6カ所で、最短で1カ月間、最長で半年間に渡って実施されました。そのうちの1カ所が筆者宅の近隣で、ヤギが”ご近所さん”となったので、カメラの望遠レンズを駆使して彼らの暮らしを日々観察してみました。

6月4日 先発隊の4頭が出勤

【画像1】円形サークル内が最初のミッション(写真撮影:金井直子)

この日からヤギが出動です。当初は、黒と茶色の毛のヤギ4頭が来ました。電気柵で円形に囲まれた直径約20m程度が彼らの除草エリアで、三角屋根のテントはヤギの家。ヤギは雨を嫌う習性があるので、こうした屋根付きの居場所が必要なのです。夏の強い日差しも遮ってくれます。
当日は、東京の地方テレビ局の報道番組が取材に訪れていました。

6月11日 出動から1週間後

【画像2】草が減っているのが分かります(写真撮影:金井直子)

出動から1週間、ヤギ4頭によって、サークル内の背の高い草はあらかた食べられていました。大人のヤギ1頭が1日に食べる量は、このような芝草主体で雑草も茂る土地では10m2弱(※)程度の広さの草だそうです。

※UR都市機構が2013年に2カ月間実施した際の除草量。ヤギの体格、実施時期、草の種類・量により除草量は異なる。

6月28日 本隊の7頭が登場

【画像3】ヤギの除草エリアが拡大(写真撮影:金井直子)

先発隊と交代で、本隊の白ヤギ7頭がやってきました。1頭が大人のメスで、他は大人になる前のオス5頭とメス1頭。この日から毎日、一番小さいヤギ(寂しがり)がメエメエ鳴く声に癒やされました。
大人のヤギは1日で10kg弱の草を食べるそうで、先発隊のいた円形地内は見事に草が減っています。本隊の方は、この円形地を含む広々とした範囲(土道の右側スペース、約1万m2)を自由に歩き回って、除草の任務を遂行します。

8月23日 目に見えて除草の効果が!

【画像4】出動から2カ月後。だんだん草が減ってきました(写真撮影:金井直子)

夏真っ盛りの暑さに負けぬ丈夫なヤギたち。除草のペースは相変わらずです。ちなみに、ヤギの世話(飲料水交換やテントの掃除、ヤギの健康チェック、電気柵の点検など)のため、担当者が3日に1回程度は訪れていました。

9月23日 人の近くでも任務遂行

【画像5】歩道の近くまでヤギが来ているときは、観察のチャンス(写真撮影:金井直子)

見学者にこんなに近づいても「我関せず」といった様子。ヤギは窪地にすっぽりはまって寛ぐのが好きらしく、たびたび目にしました。手前の黄色いひもは電気柵。これに微弱な電流が流れていて、ヤギが柵内から脱走しないようになっています。

10月10日 ほぼ下草だけに

【画像6】散歩中の幼稚園児がヤギを観察(写真撮影:金井直子)

除草エリア(空き地の右側スペース)では、高さのある草は茎を残してほとんど食べ尽くされました。9月26日に、中央に設置されていた電気柵が外され、範囲が空き地の左側スペースまで広がったので、食料は豊富。

11月29日 半年間の除草任務が完了

【画像7】紅葉の季節。草も枯れてきました(写真撮影:金井直子)

【画像8】最終日にはヤギとふれあうイベントを開催(写真撮影:金井直子)

半年に渡る任務が終わりました。最後にUR賃貸住宅の住人を招いてさよならイベントが開催され、その後、ヤギたちは富山県魚津市の牧場へ帰っていきました。

参加者にお話をうかがうと、「鳴き声に毎日癒やされた」「毎年来てほしい」「よくヤギを見に来きていて、暮らしに潤いがあった」と、ヤギが身近にいる暮らしが気に入っている方が多くいました。
機械で一気に草を刈るのではなく、移動しながら少しずつ除草してくれるヤギ。彼らのスローライフは、それに触れる人間もゆったりした気持ちにさせてくれるので、全国各地でヤギ除草が広まっていってほしいと思った半年間でした。エコ、安全、癒やし…ヤギ除草の魅力的なポイントとは?

近年、UR都市機構だけでなく、企業や自治体などでヤギをレンタルして除草に活用する事例を目にすることが増えました。どうしてなのか、あらためてヤギ除草の良さを、ヤギに携わって8年というアルファグリーンの山本富晴さんに聞いてまとめてみました。アルファグリーンは上記のヤギさんチームのいる牧場を運営している会社です。

■ヤギ除草の主なメリット

(1)草刈り機を使用しないため、化石燃料を使わず、CO2排出量の削減ができる
(2)草刈り機のように長時間の騒音がない
(3)刈り取った草を処分する手間や処分費用が不要
(4)急傾斜地など人が作業をしづらい場所でも除草できるので、安全で低コスト
(5)動物が身近にいることによる癒やしや安らぎが得られる
(6)子どもの情操教育に良い影響がある
(7)ヤギの糞尿が肥料となって芝草の根がしっかり生えることで、土壌が安定しやすくなる

ヤギは、牛や羊が食べないような草も食べ、急な傾斜地でも難なく登れるという点でも注目されています。また、水辺を嫌う習性から、川や池に糞尿が流れ込まないのもポイントとか。ヤギって個人でレンタルできるの? 費用と注意点を教えて!

「夏になると草刈りが大変で…」という悩みを持っている読者の方も少なくないのでは。企業や自治体などではなく、個人(もしくはマンション管理組合など)でヤギをレンタルすることは可能なのでしょうか。

調べてみると、個人向けにレンタルを行っている牧場は各地に何カ所かあります。牧場によってレンタル可能エリアが異なるので、レンタルを考えている人は地元の牧場に問い合わせたり、インターネットで「ヤギ レンタル ○○県」などのワードで検索をしてみましょう。

■ヤギのレンタルを行っている牧場の一例

・「ワールド牧場」(大阪府河南町)
・「グリーンファーム」(長野県伊那市)
・「あるぺん村」(富山県立山町)
・「ミクニ建設」(福岡県北九州市)

気になる費用は、1カ月単位で1頭1万5000円(輸送費込み)という牧場もあれば、1日1頭3000円(輸送費は別途)というところもあり、さまざまです。レンタル料以外にも、次のような準備費用がかかることも。

■ヤギを迎える準備と心構え

(1)ヤギの脱走や他者からのいたずら等を防ぐため、放牧地を柵などで囲う
 (レンタル元によっては、ロープでつなぐだけでOKというところもある)
(2)期間が何日にも渡る場合は、雨を避けられる場所(小屋やテントなど)を設ける
(3)飲用水を用意する
(4)1日1回はヤギの様子を見る
(5)鳴き声が騒音となる可能性があるので、住宅が近い場所では要注意
 (1頭だけにすると、他のヤギを恋しがって鳴く場合がある)
(7)ヤギ特有の臭いがあるので、住宅が近い場所では要注意
   (近づかないと分からない程度だが、風向きによって臭いが広がる場合もある)
(8)糞尿の処理が必要(埋められる場合は土に帰す)

前述したように、ヤギ1頭は1日で10m2程度(条件や個体によって異なる)の広さの草を食べるので、1日単位でレンタルできる場合は、土地の広さに応じて日数を考えてみてはいかがでしょうか。
山本さんによると、ヤギを迎えるにあたっては、広さ2000m2程度の土地で2頭レンタルするのがお勧めとのこと。

除草効果が高いのは、意外にも3月から7月前だそう。草がぐんぐん成長する時期に食べたり踏みつけたりすることで、雑草の広がりを防いでくれるからです。成長中の草はヤギにとって栄養価が高いのもポイント。
ヤギ除草を考えている人は、春になる前に検討してみましょう。

【画像9】半年間、お疲れ様でした(写真撮影:金井直子)

個人で行うヤギのレンタルは、準備の面で少しハードルが高く感じられますが、ある程度広い土地でなら、そのメリットを活かすことができそうです。今や人気のヤギ除草。注目度が高まっている昨今では、シーズン前はすでに予約でいっぱいということもあるので、ヤギのレンタルは余裕を持って早めにチェックするのがお勧めです。●UR都市機構(独立行政法人 都市再生機構)
HP:http://www.ur-net.go.jp/shakai-kankyou/kankyo-tech/jirei/yagi.html
●有限会社アルファグリーン
HP:http://www.a-green.org/yagi.html
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/02/24/78544/

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