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もはやエンタメ?今、大仏参拝が面白い!

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もはやエンタメ?今、大仏参拝が面白い!

 日本人なら見たことがない人はいないのが「大仏」。
 奈良・東大寺の大仏や鎌倉の大仏は修学旅行の定番ですが、ただ記念写真を撮って、拝んで帰るだけではもったいない!
 『巨大仏巡礼』(扶桑社/刊)は、日本中の大仏を巡る「大仏ハンター」のクロスケさんが、全国津々浦々のユニークな大仏たちを迫力満点の写真とともに紹介してくれる一冊。
 巷ではほとんど知られていない秘境の大仏や、あの有名な大仏の楽しみ方を教えてくれます。
 今回は、クロスケさんご自身にご登場いただき、大仏の魅力について語っていただきました。

―インタビュー冒頭で、比較的新しい大仏が多いというお話がありましたが、大仏を新しく造る時というのは、体勢だとか顔つきというのはデザインする人が自由に決めてもいいんですか?

クロスケ:基本的にはそうですね。大仏のデザインについては決まりがないので。
ただ、“暗黙の了解”として、基本的に信仰の対象なんだからある程度常識はわきまえてね、というのはあります。
大仏って誰が造るのかというと、たとえば仏師さんだとか仏具屋さんです。こういう人は知識があるからトンチンカンなものは造らないのですが、材料自体はホームセンターなどにも売っているくらいなので、結構簡単に作れたりします。
そうすると、変に信仰に篤い人が「じゃあちょっと俺も造ってみるか!」となる人がいるんですよ。創ってはいけない決まりはありませんし、建築物ではないから法にも触れませんので作れる土地を持っている人は自分で作ってしまったり、少々お金にゆとりがある人などは左官屋さんを呼んで作らせるわけですけど、左官屋さんに仏教の知識があるかというと、あまりそういう人はいないわけで。
その結果、一見すると奇麗なんだけど手に変な物を持っているとか、首が変な方に向いてしまっている大仏ができてしまう(笑)。そういうのは残念ながら、15年くらいすると「アンコールワット」のように廃墟化してしまうんです。この本の最後の方に、そういう廃墟化した大仏も載せているので、見ていただきたいですね。

―大仏の顔つきも、似ているようで結構バラつきがありますよね。

クロスケ:仏様自体、想像上の存在というか写真が残っているわけじゃありませんからね。だから自由にしていいんですけど、学校の教科書で「奈良の大仏」を紹介しだしてから、その顔が「定番」化したところがあります。

―冒頭の牛久大仏や仙台大観音は、その大きさもさるごとながらエンターテインメント性にすぐれています。ライトアップや花火といった演出はこういった施設では一般的なのでしょうか。あまり信仰の対象としてはふさわしくないような気がしますが。

クロスケ:今でいえば一般的ではないのは確かなのですが、「盆踊り」しかり、宗教にお祭りはつきものですからね。
今は都内のあちこちに公園がありますが、あれは明治以降に作られたもので、江戸時代まで「公園」というものはなかったそうです。その代わりをしていたのが神社仏閣だったというわけです。
今は代々木公園や日比谷公園でフェスティバルの類をやっていますが、江戸時代の“フェス”は神社やお寺でした。それを考えれば、今お寺の大仏をライトアッブしたり花火を打ち上げたりするのは全然おかしなことではないと思っています。

―「仙台大観音」は内部が博物館のようになっていて、エンターテインメント性が高いですね。

クロスケ:仙台大観音は鉄筋コンクリートで外骨格を組んでいて、中は空洞なんですよ。
だから、中に入ったらエレベーターで一番上まで昇って。下りは胎内の外壁に沿った螺旋状の通路を降りてくるんです。立地も独特で造成地の中に建てられています。

―観音様に入る入場料はおいくらですか?

クロスケ:実際には「拝観料」っていう言い方をするんですけど、拝観に来た人はまずお札を買うんですよ。そのお札を買うと観音様の中を拝観できるという。
買った時点では、まだお札に魂が入っていなくて、魂を入れるためには、観音様の胎内に入って、最上階のご心体を拝まなければいけないんです。そうして初めてお札が効力を持つんです。エンタテイメント性を考えていますよね。

―素人でも楽しめる、大仏の鑑賞の仕方、楽しみ方がありましたら教えていただければと思います。

クロスケ:立った状態なら4m82cmより大きいもの、座っている状態ならその半分の2m41cmより大きいもの、というのが大仏の定義なんですけど、30mを超えるような大仏になるとかなり遠くから見えるんですよ。大仏に近づいていく過程でその“第一発見ポイント”は絶対テンションが上がります!その瞬間を大事にしてほしいですね。
たとえば、高さが120mある「牛久大仏」は、近づいていく道中、畑で農作業をしているおじいさんの奥に巨大な大仏が見えるんですよ。こちらからしたらどう考えてもおかしな景色なんですけど、そこで暮らしている人は普通に生活しているわけです。「慣れってすごい」と思いますよね(笑)。
あとは、大仏とか仏像ってどこかの角度で、必ず「あ、今目が合った!」っていう角度があるんですよ。大仏によって黒目の部分がないものもあるんですけど、それでもどこかに必ず「目が合う」ポイントがあるはずです。もちろん、雰囲気とかイメージの話ですから、同じ大仏を見ても人によってそのポイントは違うのですが、自分だけのポイントを見つけてみるのもいいと思います。
ただ、大仏も仏像もほとんどはお寺か個人の持ち物なので、敷地内に入ったら「お邪魔します」という意味でもまず本堂でお賽銭を納めて、手を合わせてから大仏を見に行くという配慮は忘れないでほしいですね。

―クロスケさんが「大仏」を鑑賞する時の手順を教えていただきたいです。

クロスケ:まずは、今お話しした“第一発見ポイント”から写真を1枚撮ります。そこから大仏に近づいていきますね。
大仏は大体お寺にありますから、境内に入っていくんですけど、その前にお寺の周りにどんなものがあるか、その環境を楽しみますね。そして、境内に入って挨拶をしたら、大仏を拝みに行きます。近くに教育委員会が作った解説版だとか、大仏の製作者の情報が書かれたものがあることが多いのでそれらもチェックします。
それと、これは是非試してみてほしいのですが、屋外の大仏って大体後ろに回れるので、後からも見ると新鮮です。大仏の後頭部なんて、なかなか見る機会がないでしょう?

―冒頭で少しお話があった、「新しい大仏が今も造られ続けている」ということについて、どんな理由があるとお考えですか?

クロスケ:一つ確実だといえるのは、最近都心部でも増えている公園墓地とか公共墓地に大仏を建てることが多いんですよ。やっぱり大仏や大観音って目印になりますから、ある意味シンボルとして建立することが増えています。
もう一つは、さっきも話したような信仰に篤い裕福な方が創るっていうパターンでしょうね。昔からよくある「夢枕にご先祖様が立って大仏を造るように言われた」というようなお話です。大仏って、最低でも本体が850万円くらいで、設置費用も含めると1500万円くらいはかかるんですよ。そんな大金を払える人って余程裕福な人で、そういうお金持ちにしか聞こえない周波数の声があるんじゃないかと思ってしまいますよね。それが夢のお告げの正体だと(笑)。

―最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。

クロスケ:最近のイスラム圏のニュースなどで、宗教は怖いものだというイメージを持っている方は多いと思います。もちろん、大仏も宗教にかかわるものなのですが、この本に載っているようなバカでかい大仏を造ってしまうような人に悪い人はいません。変わり者は多いですけどね(笑)。
行ったことのないラーメン屋さんや居酒屋に入るのに勇気がいるように、これまで興味がなかった人が大仏の世界に足を踏み入れるのも、やはり勇気がいると思います。
でも、一歩入ってみればパラダイスが待っているので、ぜひこの本で取り上げた大仏を訪ねてみてほしいですね。行ってみたら、「なんだこれは!」とビックリするはずです。
(新刊JP編集部)


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