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「福岡で一緒にチャレンジしてほしい!」 高島市長が東京の人材を「直接スカウト」するワケ

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「皆さんのようなチャレンジングな人材に、ぜひ福岡へ来てほしい!」

高島宗一郎・福岡市長は、東京都内で2015年2月18日に行われた「九州ベンチャー企業 キャリアフォーラム」(主催:ビズリーチ)でそう呼びかけた。眼前には約70人の首都圏で働く現役会社員たちが並ぶ。九州地方の企業への転職を考える、若きサラリーマンたちだ。

こんなふうに、いま「地方移住」を転職の選択肢にする人が増えている。特に福岡はそうした「人材誘致」に力を入れているようだ。少子高齢社会の日本にあって、福岡市は「人口の伸び率1位」「若者比率1位」「若い女性比率1位」と、元気の象徴のような数字が並んでいる。高島市長の言葉を借りれば、「いま、なんだか福岡がアツい」のだ。


物事を変革できるのは「若者、バカ者、よそ者」

人が元気なら、企業も元気だ。日本を席巻した「妖怪ウォッチ」が福岡企業(レベルファイブ社)によって制作されたことは記憶に新しい。LINEや楽天、GMOペパボといった若いIT企業も支社や子会社を構えている。21大都市の中での「開業率」(7.1%)も1位だ。

企業誘致が3年で70社(08~10年)から128社(11年~13年)に増えたことによって、雇用も2倍超になったという。この好循環の中で、福岡市は「燃え上がるような人材」を求めていると高島市長は話す。

「物事を変革できるのは『若者、バカ者、よそ者』と言われます。福岡にも素晴らしい人材は揃っていますが、東京にはリーダーとなれるような経験をした人がゴロゴロいます。福岡の人にとって刺激となるような、また切磋琢磨できるライバルになる『よそ者』の存在が、絶対に必要なのです!」

実際、ユニークな人材誘致の取り組みとして「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ2014」がある。まずは「2か月間」、実際に企業で働いて、住んでみて、福岡で生活することの「良さ」を実感してもらおうというものだ。15年2月の時点で既に66人の登録があり、実際に15人は「移住体験」が進行中だという。

福岡市は、こうしたユニークなイベントを企画・開催し、市のニュースサイト「#fukuoka(ハッシュフクオカ)」などでクリエイティブな最新ニュースとして発信している。取り組みは各メディアにも取り上げられて、情報感度の高い人たちが興味を引き、人材と企業の誘致が進む、という好循環が進んでいるようだ。
安倍政権が掲げる「地方創生」のけん引役になれるか?

「いま、まさに福岡の発信力で、強みがどんどん全国に伝わってきている。今日も興味を持って、自立的に『福岡がなんかすごいらしい』といって、私たちが来てほしいと思う層の人たちがたくさん来てくれている。これは嬉しい。『よし!』という実感はありますよ」

高島市長がこう胸を張るように、福岡市は世界的にも「住みやすい街」という評価が高まっている。英モノクル(MONOCLE)誌の2014年度ランキングでは、シドニーやベルリン、バンクーバーなどを抑えて世界10位に入った。同誌は福岡市を「日本国内の小都市で独自路線を歩んでいる良い例である」と評している。

さらに高島市長は、福岡市を「アジアのリーダー都市」として発展させていきたいと力を込める。北京や上海と東京の中間地点という立地を活かし、外国航路の乗降客数は21年連続で全国1位だ。博多港や福岡空港からの外国人入国者数も初めて100万人を突破(2014年)している。こうした魅力をさらに高めるため、力を貸してほしいと高島市長は言うのだ。

「福岡市は、東京のようなメガシティを目指しているわけではありません。昨日なかった新しい価値とか、技術革新を作り出さないと、自分たちの新しい時代は来ない。東京ではできないチャレンジをこの福岡でやってみたいな、という方、ぜひ一緒にチャレンジをしましょう!」

3月1日には、働きやすく住みやすい地方都市への移住を検討するクリエイターが一堂に会する福岡市主催のイベント「地方移住クリエイターサミット2015 in TOKYO」が開催される。福岡だけでなく北海道から沖縄まで全国からクリエイターが集まり、「地方で働く」という経験が垣間見られるイベントだ。

安倍政権は東京一極集中に歯止めをかけ、若い世代の就労や結婚、子育ての希望を実現する「まち・ひと・しごと創生」というビジョンを掲げている。果たして福岡市は、そのけん引役となれるか。取り組みの一つひとつが成功モデルとなれば、他の地方都市にも波及し、日本の「地方創生」が現実味を帯びる可能性もあるかもしれない。

(参考) ・#fukuoka(ハッシュフクオカ)
http://hash.city.fukuoka.lg.jp/

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