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今週の永田町(2015.2.10~18)

【安倍総理、改革断行を強調】

先週12日、政府は、一般会計総額96.34兆円(前年度当初予算比0.5%増)の来年度予算案を通常国会に提出した。また、国会では、安倍総理の施政方針演説など政府4演説が衆参両院の本会議で行われた。
 

*衆参両院の本会議や委員会での審議模様は、以下のページからご覧になれます。

  衆議院インターネット審議中継参議院インターネット審議中継 

「改革断行国会」と位置づける安倍総理は、施政方針演説で、経済再生や社会保障改革、地方創生、外交・安全保障法制整備などを挙げ、「いずれも困難な道のりで、戦後以来の大改革。ひるむことなく、進めなければならない」と決意を述べた。そして、「この国会に求められていることは単なる批判の応酬ではなく、改革の断行だ」と訴えた。

全国農業協同組合中央会(JA全中)の監査・指導権廃止を柱とする農協改革、混合診療の拡大などの医療制度改革のほか、法人実効税率を数年で20%台まで引き下げ、電力会社の発送電分離などの電力・エネルギー市場改革、労働改革などを改革メニューに盛り込み、成長戦略の着実な実行を強調した。また、2017年4月からの消費税率10%への引き上げを前に賃上げや改革の流れを加速して、「景気回復の風を全国に届ける」「経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に達成していく」と訴えた。

 

岩盤規制打破の象徴と位置付ける農協改革については、「農家の所得を増やすための改革」「農政の大改革は待ったなし。これからは農家、地域農協が主役」などと強調したうえで、地域農協を主体として「意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、ブランド化や海外展開など農業の未来を切り拓く」と、競争力ある農業・強い農業を創っていく決意を述べた。

 地方創生については、「地方にこそチャンスがある」「地方こそ成長の主役」「熱意ある地方の創意工夫を全力で応援」と地方の取り組みに期待を示すとともに、地方創生特区の創設や本社機能の地方移転を促す税制、地方で就職する学生への奨学金返済免除、農地転用許可の権限移譲、名産品の商品化・販路開拓への支援などで、地方での雇用創出・地域活性化なども進めると述べた。

 

4月の統一地方選を前に、「アベノミクスにより格差がひろがった」と批判して、再分配政策・格差是正を訴える民主党などを意識して、安倍総理は、「行き過ぎた再分配は社会の活力を奪う」「批判だけを繰り返しても何も生まれない」などと牽制した。

そして、若者雇用対策の抜本強化やブラック企業対策、子ども・子育て新制度の実施など社会保障の充実のほか、将来に格差が再生産されるのを防ぎ、誰にでもチャンスがある社会を実現するため、義務教育改革やフリースクールなど多様な学び支援、低所得世帯の幼児教育の負担軽減や高校生への奨学給付金の拡充などの子どもの貧困対策も言及した。

 

 外交・安全保障については、施政方針演説の冒頭で、イスラム教スンニ派過激組織ISILによる日本人殺害事件に触れて「日本人がテロの犠牲となったことは痛恨の極みだ」「非道かつ卑劣極まりないテロ行為を断固非難する」と述べたうえで、「日本がテロに屈することは決してない。テロと戦う国際社会において、日本としての責任を毅然として果たす」と国際社会と連携してテロに屈しない姿勢を強調、中東への人道支援の継続・拡充や邦人の安全確保の徹底も改めて示した。

 戦後70年談話を念頭に「これまで以上に世界の平和と安定に貢献する。その強い意志を世界へ発信する」「我が国は先の大戦の深い反省とともに、ひたすら自由で民主的な国をつくりあげ、世界の平和と繁栄に貢献してきた。その強い意志を世界に向けて発信する」と戦後の歩みを今後も堅持していく考えを示し、積極的平和主義や地球儀を俯瞰する外交を引き続き推進するとした。核不拡散や国連改革などで日本の役割拡大をめざすという。

集団的自衛権行使の限定容認を含む安全保障法制の整備については、公明党に配慮して、昨年7月1日の閣議決定を踏まえて「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安全保障法制の整備を進めていく」と述べるにとどめた。

 

 

【与野党の本格論戦がスタート】

こうした施政方針演説に対し、野党各党は「中身がよく分からない、言葉が躍る演説」(民主党の岡田代表)、「戦後以来の大改革とは笑止千万」「国民にとって大事なのは改革の中身」(維新の党の江田代表)、「(安保法制は)説明抜きで暴走姿勢」(共産党の志位委員長)などと批判した。

 

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霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

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