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イタリアに住んで体感した「ことわざ」から得た人生の教訓

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トモテラ 「ベネチアの離島ブラーノ

「Chi va piano va sano e va lontano.」
ゆっくりいく者は安全に遠くまで行けるーイタリアのことわざー

こんにちは。TRiPORTライターのマリアです
イタリアのローマに滞在していたとき、私はしばしばイライラが募りました。定刻通りに到着しないバス、スーパーのレジで順番を待っているとき、突如目の前で始まるレジのおばさんとお客の世間話…。皆それぞれ、なんとマイペースなことかと、その都度驚きを感じていました。
ある日、とうとう私の苛立ちが噴出しました。私が行きたいお店へ辿り着けず、ウロウロと迷っていたときのことです。住所はわかっていたので、地元の人に聞いた方が早いと思い、お巡りさんに助けを求めると、若くしてすでに恰幅の良い太っちょのお巡りさんはこう答えたのです。
「んー、よくわからないな。そんなことより、今日は天気も良いんだ。テヴェレ川沿いにお散歩でもしてきたら?」

トモテラ「ベネチアの離島ブラーノ

私はキョトンとしてしまいました。「だから、ここのお店へ行きたくて道を訊いているんだってば!」

そんな私の心の舌打ちに気が付いたのか、お巡りさんは秘密の魔法の呪文を教えるように、リズミカルにこう唱えました。
「キ・ヴァ・ピアーノ、ヴァ・サーノ、エ・ヴァ・ロンターノ」

ピアーノはイタリア人がよく使う単語で、ピアノやオペラの技法でもあるように「ゆっくりと」という意味。

イタリアのローマは、日本と違って交通機関は定刻通りに到着せず、郵便物も時刻指定などはなく、遅れることはしょっちゅうで、思い通りに荷物すら受け取れない街。コンビニもなく、無料で借りられるお手洗いもありません。お店では若い従業員たちが、平気でお客をそっちのけにしておしゃべりをしています。しかし、私はあるとき気が付きました。

どんなに忙しくても、ローマっ子が毎朝欠かすことなく出勤前に飲むバールでのカプチーノ一杯をどれ程大切にしているか。そしてそのときに、店員さんや馴染み客と交わす挨拶や日常会話が、いかに平和で親密な近所付き合いを生み出しているか。また、どんなに忙しくても年頃の娘さんや若い青年でさえ、母親への電話や家族との会話は欠かしません。そのイタリア風家族主義は、ちょっとやそっとのトラブルであれば、すぐにでも解決してしまう程のエネルギーに満ちています。

今でもたまにカリカリとしてしまう私を見たら、おそらく彼らはこう言うでしょう。
「ピアーノ、ピアーノ(ゆっくり、ゆっくり)。」

そうです、イタリア人のように、人生も何事もせかせかせずに、ゆっくり楽しみながら歩いて行けばいいのです。「Chi va piano va sano e va lontano.」(ゆっくりいく者は安全に遠くまで行ける)。
世界一美しいものに対して感動上手なローマ人のように、回り道でも道行く景色にいちいち感動しながら人生を歩んでいけたら、素敵だと思いませんか?

アカデミー賞授賞式を待ちながら、映画の舞台を歩く – ローマ -

(ライター:マリア
Photo by: トモテラ 「ベネチアの離島ブラーノ

イタリアの旅行記

✳︎Hideki Matsumoto「イタリア紀行(後半 フィレンツェ ヴェネチア編)
✳︎トモテラ 「ベネチアの離島ブラーノ
✳︎Ayumi Kato「アルベロベッロとマテーラ

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