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皮肉にも美しい墓地…訪れてわかるサラエヴォの本当の姿とは

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世界一周中のTRiPORTライターの濱松です。
突然ですが、皆さんは、“サラエヴォ”と聞いて何を思い浮かべますか? きっと多くの人はサラエボ事件を思い浮かべるでしょう。そして、「紛争があった場所で何となく怖い、行ったら危険な場所」というイメージを持っている方も、少なくないと思います。

この悲劇は、日本から遠く離れた場所で起こった出来事であり、テレビなどのニュースでは、紛争後のことは取り上げないことがほとんど。しかし、私たちが普通に生活している中、地球の裏側ではこんなにも大変な生活を送っていた人々がいるというのは事実です。この遠くて一見関係のないような悲劇でも、その事態を把握し、リアルを知ることは大切なことだと実感しています。

今回は、筆者自身のサラエヴォ観光を通して、当時何が起こっていたのか、そして現在サラエヴォに住んでいる人々は、どんな生活を送っているのか、そのリアルを紹介していきます。

サラエヴォ紛争とは

正式名称は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。1992年〜1995年にボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)内で起きた民族・宗教闘争です。ユーゴスラビア紛争後、クロアチアなどの各国が独立を宣言するなか、ボスニアも独立を宣言。しかし、当時のボスニアには、現在の主流民族スラブ人、クロアチア人、そしてセルビア人などが住んでいました。このセルビア人が独立に反対し、内戦に突入することとなったのです。そして、サラエヴォが特にクローズアップされる理由は、当時のボスニア政府が、サラエヴォに住む自国民に対し、サラエヴォから脱出することを禁じたためです。そして、セルビア軍は、サラエヴォを包囲し、無差別に銃撃を繰り返していたのです。

ギャラリーで、当時の様子を知る

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サラエヴォ市内にあるギャラリーでは、紛争当時、サラエヴォに住んでいた多くのスラブ人の姿を学ぶことができます。「銃撃に怯える表情」、「つらい中でも楽しみを見つけて遊ぶ子供の笑顔」など、当時の生活の幅広いリアルを実感しました。また、生き延びたサラエヴォ住民のインタビュー映像も豊富にあるので、当時の悲惨さを肌で感じることができるでしょう。

墓地を見学に行く

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サラエヴォには、このような光景をみることができる場所が多く点在しています。紛争の犠牲者は、この写真の墓地から埋められていったそうです。墓地があまりにも広く、訪れた者は言葉を失うことでしょう。丘の上から見る景色は、数えきれないほどの真っ白なお墓と、その向こうに見える赤い屋根の家々とのコントラストがとても美しい場所となっており、なんだか複雑な心境になります。

歴史博物館で当時と現在を知る

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サラエヴォにある歴史博物館では、主に紛争当時のサラエヴォ住民の生活を知ることができます。当時の生活を模したものや、写真が多く展示されているなかでも最も興味深いのは、紛争中の建物や風景と、同じアングルから撮影された現在の風景とを比較した写真です。これらの写真から気付くことは、紛争前に、すでに多くのビルが建ち、文明が発達していたということ。また、一部の建物は、ぼろぼろになったビルを取り壊さず、極力立て直し、再利用しているということです。

街を歩き、現在を知る

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街を歩けば、写真のように公園の一角にできたチェス盤でチェスを楽しみ、それを囲って多くの人々が群がる姿を見ることができます。現在の街は至って安全で、人々は旅行者に親切。夜遅くでも女性が一人歩きしている姿を頻繁に見ます。週末にはダンスクラブも盛況とのこと。実際に訪れると、サラエヴォという言葉のイメージとは異なるリアルを体験することとなるでしょう。

おわりに

観光地に行って、立派な歴史建造物や美術、大自然を満喫することも、旅の醍醐味の1つであることは、間違いありません。しかし、普通に日本で生活していると考えもしないことを改めて考えてみる。そんな機会を作ることも、旅の醍醐味ではないでしょうか。もしかしたら、観光地では出会えない感動が待っているかもしれません。

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(ライター:濱松 教道)

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