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シームシール不要!? しなやかな防水透湿ウェアを生むFUSEONEテクノロジーとは?

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シームシール不要!? しなやかな防水透湿ウェアを生むFUSEONEテクノロジーとは?

アウトドア・ガーメント(衣類)をめぐる技術革新の最前線はやはり常に防水透湿テクノロジーのようです。このカテゴリーで、スポーツウェアメーカー ゴールドウィンが、ユニークな技術を採用したと発表しました。

レインジャケットなどの生地(たとえばゴアテックスなど)に使われている防水透湿性のメンブレン(膜)は、通常は縫製前の段階で既に表地や裏地と貼り合わせられて1枚になっています。そのため、縫製をするとメンブレンに針で穴が開き、そこから水が浸入するので、縫い目を目止め(シームシール)する必要があります。これは従来の防水透湿の衣類に共通するごく当たり前の作り方なのであまり意識されることはありませんが、シームシールすると当然ながらその分、服はしなやかさを失い、重量も増えてしまうのです。
それを回避するにはどうしたらいいのか? 今回ゴールドウィンが採用した FUSEONEテクノロジーは、それに対するひとつの答案と言えるでしょう。

FUSE ONEの概念。表地を縫製した後で、裏地を接着することでシームシールを不要にする。

縫うと穴が空くのだから縫わなければいい、というのがこの答案の大胆なところです。でもどうやって? 表地だけ縫って、あとでメンブレンを裏側から貼りつければいい、というわけです。生地を作ってから縫製するのではなく、服を作っていく過程の中で、生地も完成させるという考え方です。発想はシンプルですが、実際それをやるとなると、おそらく高度な接着技術が必要になるはずです。

このFUSEONEテクノロジーで作られた服は、シームテープが不要になるばかりか、しなやかで美しいフォルムを実現することができるのだとゴールドウィンは主張しています。
また、この製法を採ることで表地とメンブレンおよび裏地の組み合わせを服の用途に合わせて自由に選択ができるので、よりオリジナリティのある服が開発できるというメリットもあるとのこと。
なるほど。これは面白そうです。

ヘリーハンセンのBalder Jacket。

具体例も既に発売されています。
ひとつはヘリーハンセン Balder Jacket(バルダールジャケット)。表地が杢調のヘリンボーンになっていて、街にも溶け込むシックさがあります。杢調はそんなに珍しくはないかもしれませんが、たしかにこの製法なら、従来のアウトドアウェアとは少し違うテイストの表地を採用する自由度もあがりそうです。

ザ・ノース・フェイス Originator Jacket。胸の部分に切り換えがあるように見えるが、実は1枚の生地らしい。

もうひとつはザ・ノース・フェイス Originator Jacket(オリジネイタージャケット)。これが面白いのは、FUSE FORMというもうひとつの技術を組み合わせたところ。1枚の生地の中で糸の細さと織り方を変え、肩・背中部分とそれ以外とで厚みと色を変えているのです。そこに、FUSEONEでメンブレンと裏地を一体化しているのでしょう。これなら、切り換えに伴う縫製も縫い代もシームシールも不要になります。

洋服作りなんて大昔からあるわけで、超枯れた技術カテゴリだろうと思いきや、実は――とくにアウトドア衣類の世界は――こんなハイテクの技術革新が日々繰り返されている超ホットなカテゴリなのですね。

製品名1
Balder Jacket
ブランド1
ヘリーハンセン
価格1
¥48,000(税別)
製品名2
Originator Jacket
ブランド2
ザ・ノース・フェイス
価格2
¥48,000(税別)
メーカー
ゴールドウィン

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