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決議事項 ~多額の借財~

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■取締役会決議

 「重要な財産の処分及び譲受け」の項目でも述べましたが、「多額の借財」は取締役会の権限とされており、取締役に委任することはできないとされています(会社法362条4項2号)。したがって、多額の借財については、取締役会決議により決定しなければなりません。
 そして、取締役会決議があった場合には取締役会議事録への記載が必要となります。

■多額の借財とは?

●「借財」とは?

 借財の典型的な例としては、金融機関等からの借入金があります。その他にも、債務保証の場合にも「借財」にあたるとされています。これは、主たる債務者が返済できなくなった場合に、保証人が主たる債務者に代わって弁済しなければならないからです。

●「多額」とは?

 多額とは相対的な概念であり、株式会社の規模や財務状況によっても変わってきます。そこで、「多額」に当たるか否かは、「当該借財の額、その会社の総資産及び経常利益等に占める割合、当該借財の目的及び会社における従来の取扱い等の事情を総合的に考慮して判断されるべき」です(東京地判平成9年3月17日)。
 判例では、出資金額(100万円)の営業規模からみて600万円の借り入れは「多額の借財」に当たるとしています(東京高判昭和62年7月20日)。また、資本金約128億円、総資産1936億円の株式会社における10億円の保証予約が「多額の借財」に当たるとされています(東京地判平成9年3月17日)。

■記載例

1.平成○年度上半期資金計画について

A常務取締役から「平成○年度上半期資金計画」に基づき資金計画の説明があり、××億円の借り入れと××億円の資金運用の提案があり、議長これを議場に諮ったところ全員異議なくこれを決議した。

 実務上、様々な取引が存在していることから、そのつど取締役会決議による決定をすることは難しいです。そこで、「◯年度資金計画表」「◯年度上半期(下半期)資金計画表」「◯年度長期借入計画」「◯年度短期借入計画」等として取締役会決議を得ておくことも考えられます。資金計画表に基づいて取締役会決議を得た場合には、上記のように記載します。
 また、長期借入金の場合、工場財団等に抵当権を設定しますが、この抵当権設定は、「重要な財産の処分」に当たるので、借入金についての取締役会決議の際に抵当権設定についての取締役会決議が必要です。

元記事

決議事項 ~多額の借財~

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