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安田寿之が5年ぶりのニュー・アルバムを本日リリース! OTOTOYではハイレゾ配信!

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電子音楽をベースにジャンルレスに活動する音楽家、安田寿之が本日『Nameless God’s Blues』をリリースした。OTOTOYでは、24bit/44.1kHzのハイレゾ音質にて配信開始。アルバムまとめ購入の特典として同梱ファイルに、OTOTOYプロデューサーでもある高橋健太郎のライナーノーツ、クレジット、歌詞カードなどのPDFデータも付属する。

安田寿之は、過去にFantastic Plastic Machineに参加(97年に脱退)、Pizzicato Five、Towa Tei、Señor Coconut(Atom Heart)などの楽曲の制作に関わり、ソロとしてはもちろん、その他、いわゆるそうした音楽活動以外にも、CM、中野裕之監督映画、篠山紀信写真映像作品、桑原茂一コメディ作品、維新派や升田学のパフォーマンスなど、さまざまな音楽制作も行ってきた。

前作『Children’s Songs 2050』から5年。「Nameless God’s Blue」。これまでソロでは、読んで字のごとくな『ROBO*BRAZILEIRA』など、コンセプチャルな作品制作を行なっていたが、今作では生歌・ピアノを中心にした生楽器を用い、ある種、シンガーソングライターのような楽曲作りに。それらの楽曲をゆるやかなでラウンジーなジャズ・アレンジでアルバムを展開している。

下記に特別寄稿の、安田寿之、自らによる楽曲解説を掲載。OTOTOYでは本作に、前述のようにPDFによるライナーノーツなどを同梱し、ハイレゾ配信中!
(河村)

・安田寿之『Nameless God’s Blues』、OTOTOYではハイレゾ配信中
http://ototoy.jp/_/default/p/48578

安田寿之、自らによる楽曲全解説

1.「La pesanteur」:「重力」という意味のタイトルのこの楽曲は2012年に父親になりできたものだが、少し不思議な体験に基づいている。柿の木坂を上り病院に子供に会いに行っていた出産直後のことを後に思い返している時、なぜか自分の目線ではなく外から自分を見ている、まるで映画のような映像で思い出した。自らも新しく生まれ変わったように春の風を受け弾むような気持ちで自転車のペダルを漕ぐ自分と、斜め上のアングルでそれを追うもう一人の自分。fantaholicの佐藤多歌子さんにこの二重性の話をしフランス語で歌詞を書いていただき、デュエットした。

2.「Sei gradi di separazione」:元々、TVドラマのテーマのプレゼンで作曲した。もっとテンポの速いジャズワルツのインストだったが、イタリア語の歌詞を付け3拍子から4拍子にドラマティックに展開する構成に。イタリア語は、以前から共作したかったGak Satoさんにお願いしViola d’Acquaroneさんと共作していただいた。テーマは「6次の繋がり」だそうだ。6人を介すると世界中の人と繋がる、という社会実験。宇宙人に出会ったらよろしく、というオチが付いている。ドラマの仕事が決まらなかったのは残念だが、そのおかげでこんな風にフレッシュに曲を生き返らせることができた。

3.「Don’t Miss the Time」:10年以上前に開恵美さんに作曲した曲をセルフカバーした。アレンジもテンポも元曲に近いが、ギターを津嶋利仁さん(The Firefly Clan)に弾いていただき、男っぽくなる方向性ができた。今回、津嶋さんにストロークギターをたくさん弾いていただいている。ストロークギターというのは、リズム機能もあり音調機能もあり最強の楽器奏法の一つだと思っている。最小限度のシンプルな楽器構成だが、曲の構成と少しサイケデリックなミックスで持たせている。今はもう、こんな冒険したBメロのようなコードワークは作れないかもしれない。サビの前のC#7/Bが気に入っている。

4.「Ironic Dance」:チャップリン映画のエンドロールのようなイメージのピアノ曲。2013年に制作したフレンチレストランのためのアルバム「Les Rendez-vous de Tokyo 20130606」に、オリジナルヴァージョンが収録されている。サイレント映画的な早回しのようなドタバタした曲だったが、今回は和音を堪能できる位のテンポにした。

5.「Don’t Think It’s to Be Down」:篠山紀信さんの写真映像作品に作曲した元曲ではロボ声で歌っていたが、今回は他曲同様生で歌った。イントロからAメロにかけての曲詞ともに、あっと言う間にできた覚えがある。篠山さんの仕事は量も多かったので1-2日で仕上げるようにしていたが、時間や条件の制約の中でつくると、火事場的な力により思いがけない成果が出ることがある。この曲もそういう生来を持っている。松井敬治さんのコントラバスのフレーズが、たまにしか喋らないけど一言が意義深い人のようで、とても効いている。ピアノは、マフラーペダル音からいつの間にかノーマル音にモーフィングする。アコースティックなアルバムだが、随所に電子音楽を経過した処理がされているのがこのアルバムの特徴と言える。

6.「Alpha Helix」:前曲が賛美歌のように天上に昇っていくようなイメージで終わるので、一度地に足を付ける曲がほしいと思いつくった。螺旋階段のイメージ。だが、階段を下りるとそこは月であった(次曲)。

7.「Spa On the Moon」:涼音堂茶舗レーベルのコンピレーション「over flow」へ提供したのが元曲だが、この曲だけを色んなアーティストにカバーしてもらうEPを作る程自分でも気に入っている曲。ガーシュウィンもジョビンも自分の作曲を何度も色んな編曲を試みるが、作曲家にとって可能性を感じる限り何度もトライしたくなる曲というのはある。

8.「Falling Stars」:2013年初頭に企画/主宰した「音楽家の写真展」(1点物の音楽と写真を組み合わせた展覧会)用の曲を、全く違うスタイルで再編した。元曲はありがたいことに売れてしまったので、写真とセットでは僕自身ももうきけない。祖母が亡くなった時に、多摩川の流れを眺めていて曲はできた。詞はなかなかできなくて、大学教務で通う電車の中でスマホで何週にもわたり書いた。少しYo La Tangoみたいなスタイルを意識した。どうやってもあんな太平感は出せないけど。

9.「My Fiendish Heart」:桑原茂一さんのコメディ作品につくったのが元曲。ヴィクター・ヤング作曲「My Foolish Heart」のオマージュ。ピアノはこのアルバムでは、松井敬治さんのエンジニアリングでリボンマイクなど8-10本立て録音し、小さな音でも存在感のある音になっている。マフラーペダルによるフェルトや鍵盤に爪が当たる質感が心地いい。

10.「Wings」:ある女性タレント(タイトルにヒントあり)の歌手デビュー作のプレゼンで落ちた曲。飛べない鳥の歌。1番はペンギン、2番はニワトリ。元々電子音楽家として知り合った佐治宣英さんのドラムは、ほぼ1テイクでokで部分的に少し録り足した位だった。このアルバムでは、これまでコンセプチュアルな作風だった自分から飛び出したいと思っていた。クールな客観性を捨てバカに見えても主観を大事にするんだ、という気持ちをこの歌詞に込めた。実際は飛べないかもしれないけど、”All the way to you, I’ll never veer away”.(君のところへ、まっすぐ向かっていく。)

11.「By Grace of Blue」:クラシカルな曲だが、ウッドベースにより少しだけジャズ的に。イントロとインタールードは、トリスタン和音。2013年に共作して以来友人の河村泉さん一人で重奏していただいているが、弦楽器も「息づかい」だなと思わせられた。

12.「Journey’s End in the Eastern Evening Sky」:これも、元々桑原茂一さんのコメディ作品につくったモチーフを発展させた作品。長い曲だが、ベースはずっと変わらない。しかも、間違ったようなマイナーコードに付くフレーズを弾いているが、それがポリネシア感を出している。津嶋さんのギターは、The Firefly Clan(グナワとブルースを合わせたような彼自身のユニット)曲の雰囲気だ。沖縄北谷の海沿いのスタジオで仕上げの録音をした。たった70年前のこと、誰がこの美しい海を見て戦争なんてしたいと思っただろう。長い旅の終わり、永遠に続く夕日、全ての楽器も声も溶け合う宇宙に一つの星を見付けた。

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