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葬儀費用を故人の預金口座から引き出してしまったが、相続放棄は認められる?

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Q.

 夫が急死しその翌日葬儀費用のため夫名義の預金から50万円ほど引き出しました。夫は実の兄の多額の借金の保証人になっていたので相続放棄の手続きをしています。相続放棄は認められるでしょうか。

(50代:女性)

A.

 相続放棄とは、「はじめから相続人とならなかったものとみなす」ものです(民法939条)。そのため、被相続人(故人)が有していた財産も借金も引き継がないことになります。故人に借財があった場合に相続人が用いる対応策となります。
 もっとも、「相続財産の全部または一部を処分した場合」や「相続が開始した時(基本的には故人の死後)から法が定めた3ヶ月以内に相続放棄などの対応を行わなかった場合」、「相続財産の隠匿などを行った場合」には相続放棄が認められなくなってしまうのが注意点です(民法921条各号参照)。

 今回のご相談では、「葬儀費用として故人の預金を引き出した行為が、相続財産の一部を処分した場合にあたるか否か」が、相続放棄が認められるかどうかの分水嶺となります。

 この点、裁判例においては身分相応の葬儀費用を預金から支出することは相続財産の処分には当たらないとするものが散見されます(大阪高決所平成14年7月3日、東京高判昭和11年9月21日など)。したがって、基本的には葬儀費用を預金から支出しても相続財産の処分には当たらないと考えられます。
 しかしながら、裁判例はあくまで個別的な事案に対する判断という側面があります。ご心配なら、弁護士などの法律の専門家に詳しい事情をお話しされることをおすすめいたします。

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葬儀費用を故人の預金口座から引き出してしまったが、相続放棄は認められる?

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