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ヘイトスピーチはダメ!

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 上川陽子法相は、1月16日の記者会見で、法務省は特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)の防止を訴えるポスターを作成し、来週から中央省庁や出先機関、自治体などに1万6000部配布、啓発活動に役立てるということを発表しました。また、同日、大阪市においては、ヘイトスピーチによって被害を受けた人が加害者に対して訴訟を起こす場合の費用を支援することを検討しているという報告をまとめています。
 ヘイトスピーチについて様々な対策が立てられていますので、今回は、ヘイトスピーチについてみてみたいと思います。

 ヘイトスピーチとは、人種、宗教、性別などの要素に対する差別や偏見に基づく憎悪を表す表現行為のことを言います。
 ヘイトスピーチは平等の理念を否定して、少数集団に属する人々の自尊心や民族的な誇りを傷つけ、少数集団に対する深刻な被害をもたらすものですので、日本も批准している「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」が禁止している「人種差別」に該当します。

 ある団体が学校法人に対して拡声器等を用いて街宣活動を繰り返し行った事件において、2013年に京都地裁は、ヘイトスピーチは「人種差別撤廃条約4条で犯罪として取り締まるべきとされる極めて悪質な行為」と批判し、その二審にあたる大阪高裁判決も、一審判断を維持しました。2014年12月9日には、最高裁が団体側の上告を退ける決定を行い、最高裁において初めてヘイトスピーチの違法性を認めた判断が確定しました。団体側は1200万円の損害賠償と周辺での街宣活動の禁止を命じられました。

 これらの流れを受けて、ヘイトスピーチについて法規制を求める意見書等が地方議会で相次ぎました。海外ではヘイトスピーチを規制する法律を制定する国が多くあります。例えば、カナダでは肌の色や人種、民族的出自等によって区別される集団に対する嫌悪を煽動した者は最低でも2年、最高で14年の懲役と定められています。このように先進国がヘイトスピーチに対する法規制を有する中で、わが国が法規制をしないことは恥ずかしいことであるという意見も多いようです。
 他方、ヘイトスピーチを法で規制することは、憲法が保障する重要な権利である「表現の自由(憲法21条1項)」の侵害になるためすべきでない、という意見もあります。
 ヘイトスピーチを法律で規制するかについては、まだまだ慎重な検討が必要でしょう。

 とはいえ、法で規制されていなくとも、一部の人々に対して憎悪の言葉を吐いたり、差別的な態度をとることは、人々の人格を不当に傷つけるものですので、厳に慎まなければなりません。

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ヘイトスピーチはダメ!

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