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「土曜授業」復活、子どもたちのための改革とするために

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鹿屋市教育委員会、公立小中学校で土曜授業を導入する方針

1月8日、鹿屋市教育委員会は、公立小中学校で土曜授業を導入する方針を決めました。開始時期は未定としていますが、今後、学校向けの説明会やPTAなど関係団体との調整を経て、実施時期や授業内容を詰めていく運びです。

この「土曜授業」ですが、「学校週5日制にした背景とその成果」「土曜授業は誰のための改革か?」という点を、まず整理する必要があるでしょう。

「学力低下」が問題に。「学校週5日制」の成果は不十分

「学校週5日制」実施の目的は、成立の事情はどうあれ、子どもたちに主体的に使える自分の時間を持たせ、多くの自然・社会体験を通して「生きる力」を育むことにあったのは事実です。

「土曜授業」の復活が叫ばれるようになった理由として、「学力の低下」「休日の過ごし方の偏り」「平日の授業の負担増」などが理由に挙げられています。「生きる力の育み」というテーマが「学校週5日制」に期待されていましたが、結果として「学力低下」が世間に広く取り沙汰されて以来、その成果を議論するよりも早急な教育改革が求められることになりました。残念ながら「学校週5日制」の成果は不十分と考えざるを得ません。

教員のさらなる負担増が懸念される

「土曜授業」は保護者や教員の都合ではなく、「子どもたちのための改革」という視点で検討しなければなりません。まず、以下のようなメリットが考えられます。

■平日の忙しさを解消し、子どもたちに多様な体験をする時間を確保できる。
■学習時間を増やし、子どもたちのより一層の学力向上を図ることができる。
■子どもが自宅で一人でいる危険性が少なくなる。
■毎回の授業の進め方に余裕が出てくる。

しかし、一方、このようなデメリットも挙げられます。

■教員が事務的な仕事に追われ、本来やるべき学習指導や生活指導の時間が“さらに”取れなくなる。
■部活動の時間が減る(部活動も教育の一環)。

教員の負担問題解消へ。ICTやデジタル教材の活用を

こう考えると、教員の負担問題を解消することが、「子どもたちのために改革」につながる一番の近道になるのではないでしょうか。教員の勤務実態に関する調査では、平均の勤務時間が増えており、事務的な仕事に追われ、「本来やるべき学習指導や生活指導の時間が十分に取れない」という悩みを抱える教員がたくさんいます。土曜授業の実施で、教員の余裕がさらに失われるとしたら、それは子どもたちのためにはなりません。

教員の数を増やしたり、人件費の予算を積み上げる前に、学力向上につながるICTや、進化し続けているデジタル教材を積極的に活用するなど、こうした教育スタイルを工夫することも検討することが求められているのではないでしょうか。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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