ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

学力・体力が全国トップクラス 福井県の子どもがスゴイ理由

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 2007年以降、全国の小学6年生と中学3年生を対象に毎年行われる「全国学力テスト」。毎回上位に名を連ねているのが、秋田県と福井県の”二強”です。さらに、福井県は08年から全国の小学5年生・中学2年生を対象に実施されている「全国体力テスト」でも毎回トップクラスの成績を収めており、その文武両道ぶりが際立ちます。

 本書『福井県の学力・体力がトップクラスの秘密』は、福井県の子どもの学力と運動能力の高さについて分析し、解説した一冊。著者は、日本の教育問題について研究してきた大阪大学大学院人間科学科教授・志水宏吉さんと、同大学院人間科学科講師・前馬優策さん、そして同大学院で学ぶ3人の学院生たち。

 本書の中で志水さんは、福井県における教育の特徴について「第一に、西川一誠知事のもとで『教育・子育てを重視する県政』が進められている点、第二に、『県独自の教育施設』を採ろうとしている点」とし、行政が教育に力を入れていることが福井県の学力・体力の向上につながっていると指摘します。

 福井県は、他県と比べてどのような教育環境の違いがあるのでしょうか。本書では、林雅則県教育長の言葉をこう紹介しています。

「やっぱり子どもたちが勉強する環境でしょうね。(中略)三世代同居、共働きが多いのが福井県の特徴ですが、(中略)皆で子どもを育てるという環境。おじいちゃん・おばあちゃんは子どもの養育については経験を持っていて、お父さん・お母さんが仕事をしていてもちゃんと見ていてくれるという、そういう環境で育ってきているから、子どもたちが、まじめにきちっと勤勉するというこということがある」

 一方、福井県の「体力づくり」の取り組みはどのようになっているのでしょうか。

 本書の中では、県内の小学校の様子をこうレポートしています。

「4年生の体育の授業。13時55分に昼休みが終わって、すぐに子どもたちは体育館に来て、自主的にランニングを始める。この時間の体育は走り高跳びのようだが、子どもだけで道具を準備している。体育の四隅に高跳びの場がつくられる。(中略)十分すぎるほどの走り込み。それに、40人で4つの場があって、20分以上も練習時間があるので、ふんだんに高跳びの練習ができる。すごく運動量が多い」

 さらに授業の組み立ての無駄のなさについても言及。なんと、子どもたちは45分間の授業時間の中で、教師の説明の時間以外はほぼ動きっぱなしだとか。この豊富な運動量が、体力づくりを進めているようです。

 教師の勤勉さと体育の授業での子どもたちの運動量が際立つ福井の教育環境。なお、本書では、「小学校」「中学校」「教師」「地域・家庭」という4つの観点から深く分析していきます。福井県の子ども教育環境・システムについて知りたい人は、読んでみてはいかがでしょうか。

■関連記事

なぜ豊かな日本で「子どもの貧困」問題が起こるのか?
芸術とワイセツの境界線……ろくでなし子さん起訴問題の"デコまん"とは?
今の音楽の授業に欠落している「何か」とは

BOOKSTANDの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP