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地方創生の期待を担う「地域おこし協力隊」の成果

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地域の活性化に貢献する「地域おこし協力隊」

総務省は一定期間、地方に住んで地域活性化に携わる「地域おこし協力隊」に参加した若者らの定住を促進するため、自治体への支援を拡大するとしています。「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が委嘱した都市住民を受け入れ、農林漁業の応援、住民の生活支援など地域協力活動に従事してもらい、併せて定住・定着を計りながら地域の活性化に貢献する事業です。

総務省所管で財政支援は隊員1人につき上限400万円、自治体1団体あたり200万円まで。隊員の在任期間は1年以上3年未満で、具体的には農業や住民の生活支援などに従事するほか、イベントや地場産品のブランド化、都市との交流事業などの地域おこしの担い手となります。

例えば、長崎県の対馬市では、ツシマヤマネコをはじめとする対馬の多様な生物の保全、イノシシ・シカなどの有害鳥獣の皮を使ったレザー製品の開発などが行われています。

5年間で2,354名の隊員が784自治体で活躍

当制度が始まった2009年度から2013年度の5年間で、2,354名の隊員が784自治体で活躍してきました。成功例として挙げられる代表的な自治体の一つが、長崎県小値賀町(おぢかちょう)です。小値賀町は博多港からフェリーで5時間、五島列島北部の西海国立公園に属する漁業と観光の島です。

同町ではこれまで、11名が「地域おこし協力隊」として参加しています。11名とは別に若干名の離脱者があったとはいえ、概して参加者の満足度は高く、現在も4名が活動中。そして、新年度からさらに4名を募集中です。

成功要因の一つは、受け入れ側の特性にもある

現在の活動内容を紹介すれば、東京生まれの旅行代理店に勤めていたA子さん(31)は、島特産の落花生を使ったパイやそうめんなどの商品開発を行っています。また、福岡市出身のB男(25)さんは、学校卒業後、旅行で訪れた小値賀に惚れ込み協力隊の募集に飛びついたそうです。彼は落花生の生産に従事し、今年からゲストハウスを運営する会社を立ち上げ予定。山梨県出身のC子(24)さんは、観光ガイドとして民泊や景勝地の案内を行い、D子(26)さんは、広報業務を通して市場では見向きもされなかった魚介類などの商品化に情熱を傾けています。

小値賀町の成功要因の一つは、受け入れ側の特性にもよります。古くから貿易が盛んだったうえ、網元と呼ばれる船団を擁し、クジラ漁の拠点として栄えるなど開放的な民族性を醸成してきました。その証として、複数の教会や古民家に宿泊する民泊が盛んになっています。

在任期間後も継続雇用は可能

一方、参加者の動機を聞くと、地縁血縁はなくとも、「田舎暮らし・島暮らしに憧れていたから」「島の文化を広める仕事がしたかった」などの声が聞かれます。当初3年間は国からの助成を得ながら、やりがいのある仕事をし、地域の暖かさに支えられて進んでいきます。また、例え3年が経過しても、その後の継続雇用も可能とされています。

このように、小値賀町の事例はささやかな成功事例かもしれませんが、嬉しい副産物として、これまでの参加者11名のうち2名が地元の男性と結婚したそうです。「地域おこし協力隊」の取り組みで最も深遠な成果は、案外、人生の伴侶と巡り合えることかもしれません。

(村上 義文/認定事業再生士)

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