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「助けを必要としている人の役に立つ」 強い信念で医療技術を切り拓く2人の起業家

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仕事や会社を、あくまでも「お金を儲ける手段」と考える人もいる。しかしそれによって生み出された製品やサービスが他人の役に立ち、世の中を良くしていけるものであったなら、そこで働く人たちの喜びもひとしおに違いない。

2015年1月8日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)は、「人の役に立ちたい」という信念で医療技術を切り拓き、世界から注目を集める企業のトップを2人紹介した。
心臓病の娘のために医学をゼロから学ぶ

血管の中に入れる管状の医療器具「バルーンカテーテル」で世界一の品質といわれる東海メディカルプロダクツ(愛知県春日井市)は従業員180人、売上32億円の中小企業だ。効率より精度を重視するため工程の9割が手作りで、これまで8万人の命を救ってきた。

開発者である会長の筒井宣政さんは、もともとビニール製のなわとびを作っていた町工場の2代目。しかし次女の佳美さんが重い心臓病であることが分かり、娘を助けたい一心で医学をゼロから学び、人工心臓の研究を10年がかりで行った。

当時のカテーテルは外国製しかなく、日本人の体に合わずに事故が多発していた。筒井さんは心臓の知識と樹脂加工の技術を生かして、専門家から「地球がひっくり返っても不可能」と言われた方法で国内初のカテーテルの開発に成功。その品質は外国製の事故率1%に対し、0%という安全性だった。佳美さんはカテーテルの製品化を喜び、

「人の命を救うものを作ったんでしょ。お父さんすごい」
「また一人の命救えたね。佳美は満足してる」

と話していたそうだ。しかし会社の事務を手伝っていた佳美さんは、カテーテル完成から3年後の冬、23歳の若さでこの世を去った。

筒井さんは「いいものを作って人を助ければ、信用につながってひいては利益につながる。この子に感謝です」と語り、その思いを胸に新生児にも使える世界最小のカテーテルなど、新たな開発をし続けている。
「これがなかったら、生きることもままならなかった」

番組では、脳卒中や脊椎損傷による体の麻痺で歩くことが困難になった人々を救うロボットスーツ「HAL」の開発・製造を行うサイバーダイン(茨城県つくば市)も紹介した。CEOを務めるのは、筑波大学大学院教授でもある山海嘉之氏だ。

HALのしくみは、腰から下半身につけたアシスト装置と、足の皮膚につけた電極パットで、皮膚に漏れ出た「動こう」という脳の微弱な電気信号を捉えて筋肉の動きをアシストするもの。自分の意志をコンビューターが解析してモーターを動かすため、無理やり動かされている感覚はない。

すでに500体が全国160の医療機関などに導入されており、HALを装着してリハビリすることで運動機能が回復し、自分の足で歩けるようになった人も。脳卒中で左半身麻痺になった川崎雅美さん(63歳)は、

「これがなかったら、生きることもままならなかった」

と明かす。医師から「再び歩くのは厳しい」と告げられるが、HALを使った筋肉回復トレーニングを行うと、20日後には左足が動くようになり、2か月後には歩いて退院した。

2004年に設立されたサイバーダインは、現在は売上4億5千万円、社員100人にまで成長し、2014年には東証マザーズに上場した。同社で働く後継者たちは、介護・建設現場のアシスト「作業支援HAL」など更に新しい機器の開発を進めている。
村上龍「ヒューマニズムは主義ではない」

山海氏が小学生時代に書いた作文には、「科学者になってロボットを作りたい」という夢と共に、「科学とは、悪用すればこわいもの」という言葉が書かれていた。

「人や社会のためにテクノロジーは存在すべきだと、子供のころから思っていた」

村上龍は編集後記で、「ヒューマニズムという言葉が、輝きを帯びて復活している気がする。ヒューマニズムは主義ではない。助けを必要としている人の役に立つ、非常にシンプルだ」と語った。

両者に言えることだが、「人の役に立つ」という強い信念を持ちつつ事業として成功していることが素晴らしく、社員も誇りを持って仕事できるのではないだろうか。企業としてこんな理想的なことはないと感じた。(ライター:okei)

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