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陸路で6日かけても、空輸より鮮度良好! 高崎のベンチャーが「低温物流」を革新

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陸路で6日かけても、空輸より鮮度良好! 高崎のベンチャーが「低温物流」を革新

沖縄県石垣島でマグロ漁を行う具志堅用治さん(57歳)の1年間の売上は600万円。東京への輸送に100万円の空輸代がかかり、漁船の燃料代などを引けば手元には200万円ほどしか残らない。実は石垣島はマグロの一大漁場だが、知名度が低く他県産と比べて小売価格が半値なのも悩みのタネだ。

2015年1月6日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、生産性の上がらない漁業の現状を打破するため、魚の鮮度を落とさない特殊な氷や魚を骨ごと食べられる干物など、魚の価値を高める技術力で勝負しようとする人たちの姿を追っていた。
日通も高評価。足りなかったのは「安く運ぶ」こと

群馬県高崎市のベンチャー企業マーズカンパニーは、独自に開発した特殊な氷「シースノー」で、生魚の鮮度を長時間保てる技術を持つ。魚は0度以上になると腐り始め、マイナス2度以下だと凍ってしまう。

シースノーを使うことによって、マイナス1度を中心に魚の温度をキープできる。これを使って石垣島から東京までの約2000キロを、船とトラックでの輸送に切り替えられれば、コストが10分の1に抑えられる。

協力した日本通運は以前からシースノーに注目しており、保冷車も冷えムラがないよう特別に改造した。日通の常務執行役員・安藤伸樹さんは、「この技術と物流を合わせてコールドチェーン(低温物流)を変革していく」と、マーズカンパニーと組む意義を語った。

空輸で翌日に届けるマグロと、6日かけて船と保冷車で輸送したマグロを、鮮度計と築地の卸業者の目で比較してみると、空輸はわずかに鮮度が落ちていたが、シースノーを使ったマグロは鮮度が落ちていなかった。

卸業者の社長は「面白いね。これからは無理に航空便とかやらなくていいんじゃないかな」。有名すしチェーン「すしざんまい」でこのマグロを寿司にして提供すると、おいしいと大好評だった。マーズカンパニーの松井寿秀社長は成果を実感した様子でこう話した。

「(漁師の方々は)みなさん努力している。ひとつだけ足りなかったのは『安く運ぶ』という技術。それを今回我々が証明できたので、日本の力になると思う」

74歳の専務奮闘。愛媛の干物製造会社がハワイに進出

番組ではほかに、骨まで食べられる干物「まるとっと」を開発した愛媛県東温市のキシモトを紹介した。1966年創業、従業員35人の干物製造会社で、専務の岸本賢治さん(74歳)は、愛媛県の産業技術研究所と共同で「身はふっくらのまま骨は簡単に崩れる柔らかさ」の干物づくりに成功した。

まるごと食べられてカルシウムは通常の40倍とれる。高齢者や子供にも食べやすく、電子レンジで簡単に調理できることもあり評判となった。手軽さから「これはファーストフードだ」と考えた岸本さんは、海外市場に打って出ることを決めた。

これに興味を示したのがハワイのスーパーマーケットチェーンで、ハワイで身近な「しいら」を干物にしてほしいと要望があった。ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれるポビュラーな食材だが、大きく骨の固い魚に悪戦苦闘。切り身にしてバジル風味に味付けすると、現地の人びとにも大好評。スーパーで開いた物産展で売り切っていた。

ハワイのスーパーで販売まで行っていた岸本さんは、「人様に喜んでもらえるものづくりを重ねて、これから世の中に広く踊り出たいという気持ちでいっぱいです」と手応えを語った。いかにも謙虚な職人といった風貌だが、世界を前に展望を意欲的に語った様子が印象的だった。

国内の魚の消費は年々減っているが、海外ではヘルシーな食べ物として人気は高まっているそうだ。国内でうまくいかないとくすぶっているのではなく、新しい技術に賭けて意欲的に行動していく人たちのたくましさを感じた。(ライター:okei)

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