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心配ならまず相談!渡航における予防接種の基礎知識 – アジア編 -

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思い立ったが旅日和!  TRiPORTライターの林です。

先日、海外旅行保険についての記事「自分の身は自分で守る!旅行保険への加入のススメ」を書きましたが、今回は予防接種についてまとめてみたいと思います。


Photo Credit: NIAID via Compfight cc

皆さんは国外へ行くために、予防接種を受けたことはありますか? 渡航の際に行う予防接種の目的は、その土地の感染症に対する免疫をつけるためです。日本では流行していないような感染症だと、多くの場合免疫がない状態であると思います。

そんな自分を守るために行うべき予防接種、数日の短期旅行なのか、数ヶ月におよぶ長旅なのかといった日数のほかにも、その感染症にかかりやすい地域へ行くのかどうかという点も、考えるべき要素として含まれてきます。

そこで今回は、日本から比較的近いエリアの「アジア」に渡航する際のポイントについてまとめます。

ただ、読んでいただく前に1点ご注意です。予防接種はあくまでも免疫をつけるもの。打ったからといって100%安心というわけではありませんので、過信しすぎないようにしてくださいね。

予防接種はいつ打つべき?


Photo Credit: photosteve101 via Compfight cc

種類にもよりますが、渡航の数日前に打てば良いものではありません。日本で流行するインフルエンザワクチンですら、効果を発揮するまでに1〜2週間はかかると言われています。

さらに接種は1回で済むとも限らず、複数回打たなくてはならない場合も多々あります。渡航の予定が決まっているならば、約3ヶ月前には接種の計画を立て始めることをおすすめします。

もしも既に出発日が迫っている場合は、医師に接種を受けられるかを確認し、間に合わない場合は現地での対処法などを相談してください。

どんな種類があるの?

先に述べたように、接種の必要程度は期間や現地での行動にもよりますが、簡潔にまとめると下記のようなイメージです。

短期で旅に行く場合

場合によって検討:A型肝炎

長期で旅に行く場合 ※1ヶ月以上

接種を推奨:A型肝炎、破傷風
場合によって検討:日本脳炎、B型肝炎、狂犬病、ポリオ

※今回はアジアとしてまとめていますが、中近東やオセアニア諸国などもほぼ上記に似た傾向です。

それでは、上に挙げた基本の6種類についてご紹介します。そんなに何種類も打つ必要があるの? なんて思うかもしれませんが、それぞれの病気は異なる経路から感染する可能性があり、旅のルートや地域によっては十分に感染の危険性があるものと言えるでしょう。

1. A型肝炎

特徴

食べ物から感染し、発症するとだるさが強くなる。
アジア、アフリカ、中南米など広く存在。

接種をしておいたほうがよい人

途上国に1か月程度以上滞在する人。
60歳以下の人は抗体を持っていない可能性が高いので、若い人こそ検討すべき。

接種回数

期間によって2回、もしくは3回程度。(例:初回接種後、2~4週間以内に2回目、6~24ヶ月以内に3回目)


Kazunori Inoue「Bangkokへの旅」より

2. 破傷風

特徴

日本でも毎年発生しており、全世界で広く感染の可能性がある。
菌は土壌に分布し、傷口から感染する。
毒素が強く、致死率が高い。

接種をしておいたほうがよい人

道路の舗装が不十分な途上国や森の中など、土や泥が多い場所に訪れる可能性のある人。

接種回数

3種混合ワクチンに含まれている成分があるため、定期予防接種で同ワクチンを受けていれば、年齢によって免疫がある場合も。
1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつくとされている。

3. 日本脳炎

特徴

高熱や嘔吐等の症状が出る急性脳炎。死亡率が高く、後遺症が残ることも多い。
日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることが原因。

接種をしておいたほうがよい人

流行地である東アジア、南アジア、東南アジアへ行く人。

接種回数

初回接種後、1~4週間のうちに2回目を接種し、1年後に3回目を接種。その後さらに1回の接種で4~5年間有効な免疫がつく。


Takahiro Ishii「初めての一人旅 Ayutthaya in Thailand」より

4. 狂犬病

特徴

発病するとほぼ100%が死亡する非常に危険な病気。
狂犬病のウイルスに感染した動物(イヌ以外にキツネや猫など)に噛まれることで発症。

接種をしておいたほうがよい人

研究などで動物と接触の可能性が高く、また長期滞在する人。
都市部から離れた地域への渡航で、トラブルの際に緊急対応が難しくなると考えられる人。

接種回数

初回接種後、4週間後に2回目を接種。さらに6~12か月後に3回目を接種する。
3回接種後も、動物に噛まれたか否かでその後の対応が変わる。接種期間もふくめ、余裕をもっての事前確認が必要。

5. B型肝炎

特徴

感染した患者の血液や体液に触れたり、輸血を受けたりすることによって感染する。
症状があまり出ない人もいるが、発症すると黄疸や、だるさを感じる。

接種をしておいたほうがよい人

輸血など血液製剤を投与する可能性が高い人。
複数の性的パートナーがいる人。

接種回数

初回接種後、4週間後に2回目、5~6ヶ月以内に3回目を接種する。

6. ポリオ

特徴

風邪のような症状や、急性の麻痺が起こる病気。
症状が出ない場合も多いが、最悪の場合呼吸困難で死亡する可能性もある。

接種をしておいたほうがよい人

アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンに渡航する人。
1975年~1977年生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いため、国に限らず一度接種を検討することが推奨されている。

接種回数

過去に接種がない場合、初回後4~8週間以内に2回目、6~12ヶ月以内に3回目を接種する。

どこで受ける? いくらかかる?


Photo Credit: Images Money via Compfight cc

基本的には国内の病院で接種する人が多いでしょう。渡航者への予防接種を専門に扱っているクリニックも多数ありますので、余裕をもって調べておくことをおすすめします。

気になる費用ですが、種類によって一律で決まっているわけではなく、場所によって異なります。ただ、比較的安価なものでも5,000円程度/回程度はかかります。

ちなみに、ワクチン自体は日本国外でも打つことは可能です。各国を周遊している旅人などでは、接種の安い国に立ち寄った際に打つという話も聞きます。これは自己判断になるかと思いますが、場合によっては検討してみてもいいかもしれません。

さいごに

調べてみると、それぞれの病気にはそれなりのリスクがあるとわかりました。もちろん、予防接種は「免疫をつけて感染を防ごう」という方法のため、確実に防ぎきれるとは言い切れません。しかし、なかには感染後の有効な治療方法がない病気もあるため、旅をより楽しむためには重要なことになってくるのではないでしょうか。

ワクチンを接種できる病院は多数あるため、不安ならばまずは相談してみるのもいいかもしれません。

今回のアジア編につづき、次回は「アフリカ・中南米編」をお届けします! それでは皆さん、Bon voyage!

(ライター:林綾子)

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