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『Over The Edge’ 14』、総勢13組が熱演!

2007年のスタート以来、ヴィジュアルシーンの人気バンドが集まる一大イベントとして年末の風物詩となりつつある年越しイベント『Over The Edge』。毎年会場となっていた渋谷公会堂が2015年中に取り壊されるため、現状での開催は2014年が最後となる。そんな一つの節目とも言える今回は、初めてタイムテーブルを事前公開する等の試みもあり、よりクオリティの高いステージが展開。新人からベテランまで総勢13バンドが鎬を削り、さらに2組のスペシャルセッションが真摯な情熱と想いを傾けて、8年の歴史を重ねてきた『Over The Edge』の真髄を刻みつけた。

「Over The Edge ’14」 (okmusic UP's)

トップバッターは今回が二度目の参戦となるDIAURA。物々しいSEと真っ赤なライトの中、お馴染みの「赤い虚像」がイベントの火蓋を切って落とすと、客席では“愚民”と呼ばれるファンたちによるヘッドバンギングの嵐が吹き荒れる。「最後の渋谷公会堂、盛大に狂っていくぞ!」と発破をかけるyo-ka(Vo)を筆頭に、ヘヴィ&ダークに攻める4人の佇まいは、昨年に比べて一回りも二回りも大きくなった印象。どこか懐かしい風情を漂わせながら妖しくうねる「Menace」、佳衣(G)のギターソロがエモーショナルに駆け上がる「新世界」と、最新アルバム『Triangle』収録曲で前世紀より受け継がれてきたヴィジュアル系の濃厚なエッセンスを放出するのも頼もしい。最新シングル「blind message」でアグレッシヴに弾けた後は、1年越しで完成させた思い入れ深き曲「自壊」で「この場所に独裁を!」とフィニッシュ。「この渋谷公会堂ある限り、必ずここでワンマンぶちかまします」という力強い宣言も飛び出し、2015年に向けての期待を煽ってくれた。

二番手のカメレオは初出場ながら、シーンにおける特異な立ち位置を如何なく発揮。登場時のSEはなんと「笑点」のオープニング曲、しかもカラフルな羽織袴姿で人気曲「新宿」を放つという始まりで、ド頭からオーディエンスの度肝を抜く。続く「で?」もシーンへの皮肉を自身への鼓舞に繋げた実にデンジャラスなポップチューンで、こんな楽曲を最新アルバム『ハイカラ』のリード曲に据えるあたり、彼らの肝の太さが窺えるというもの。さらに「今から変なおじさんダンスをするので、皆さんも良かったら踊ってみて」と、いきなり楽器を置いて5人全員がマイクを握り、ステージで一列になって「関係ナイ」とタイトルを繰り返す様もかなりのインパクトだ。ラストの「ニート姫」に到っては、曲中で現金1万円を客席の2名に抽選でプレゼントする“カメレオ年末ジャンボ宝くじ”なるものまで実施。ライヴ中に「お金が欲しいかー!」と煽るバンドなど前代未聞だが、この掟破りっぷりこそが来る1月17日、渋公ワンマンを敢行するまでにバンドを押し上げた推進力の源に違いない。

フラッシュリングが場内を煌びやかに彩る光景はカメレオと同一ながら、まるで異なる世界観を創造してみせたのはMoran。荘厳なSEから繋いだ最新シングル「堕落へと続く偏愛の感触」ではSizna(G)のかき鳴らすアコギが情熱と哀愁をふんだんに醸す一方、「but Beautiful」では「飛べ、飛べ!」と客席を煽動して、対照的な表情で場を彩る。繊細な空気感と攻撃的なパフォーマンスは、今のMoranを動かす大きな両輪。統制の取れた演奏のみならずカウントアップする振りでもオカルティックな世界を演出した「秒魔」、Ivy(B)が身体を激しく二つ折りにする「Vegaの花」、ライヴならではの一体感にvivi(G)も微笑みを絶やさぬ「Break the silence」と、どの曲も計算と衝動が絶妙なバランスで成り立ち、伸びを増したHitomi(Vo)のボーカルと共に切れ味鋭く斬り込んでくる。最後は「誰もが希望だと言うものの中に少しの絶望が紛れ込んでいることを教えたい。例えば華が散っていくように……それでも1年後には、同じ景色がそこにあるから」と、珠玉のバラード「春の夜の、ひと雫」をプレイ。作曲者Soan(Ds)の想いの籠った大きなアクションと熱いドラミングに、このバンドの持つ真の強さが感じられた。

満場のクラップと歓声に迎えられたSadieは、さすが『Over The Edge』皆勤賞の貫録で登場時の堂々たる佇まいから場を圧倒。最新アルバム『GANGSTA』のリード曲「DEAD END」で爆発力満点の幕開けを飾ると、その暴力的な轟音に客席も激しくうねる。しかし、どんなに低音利かせたヘヴィサウンドであっても、際立つキャッチーなメロディラインこそが彼らの最大の武器。美月(G)も盛んに「声!」と煽って、オーディエンスの心と身体を揺さぶることを忘れない。だからこそ「サイレントイヴ」でも真緒(Vo)の悲鳴にも似た歌声が、しっくり胸に沁みるのだ。悲しみを原動力に観る者へ何かを刻もうという気持ちの凄まじさは、誰もが知る人気曲「迷彩」になると、よりいっそう明らかに。「生きてるか東京!」「俺たちの声が届いてるか!」という真緒の声に籠る真実の響きに、完全に一体となって拳をあげる客席に向かって、結成10周年を迎える2015年、4月11日に地元の大阪城野外音楽堂でアニバーサリーライヴを行うことを報告。「遠いかもしれませんが集まってください!」と頭を下げた真緒に、場内から熱い拍手と歓声が沸いた。

5番手、DaizyStripperの幕が開くと、センターのお立ち台には「喜びの歌」をギター独奏するまゆ(G)の姿が。昨年末と同じオープニングは、その日を最後に活動休止に入り、11月のワンマンツアーから復活を果たした彼の帰還を祝う、まさに喜びの証と言えるだろう。「5人で帰ってきたぜ!」という夕霧(Vo)の威勢良い号令から「G.Z.S.K.K.」で頭を振りまくる5人の勢いは、その後もフルスロットル。「5人で同じステージに立てているのは奇跡的なことだと思う。本当にありがとう」と謝意を述べると、夕霧いわく「心停止していたDaizyStripperが蘇生して復活するという意味を籠めた」と語る1月発売のニューシングル「ARREST」を披露する。風弥(Ds)の激烈ビートを軸に猛烈な勢いで襲い来るサウンドが、1年前より厚みを増していることは一聴瞭然。まゆが下手に、なお(G)が上手にポジションチェンジした事実が語る通り、これは全く新しいDaizyStripperなのだ。さらに「トレゾア」でバンドの絆を高らかに歌うと、勿論ラストは「decade」で左右にモッシュ。間奏のギターソロをハモらせ、拳をぶつけ合うまゆとなおの姿に、思わず涙腺が緩んでしまったのは筆者だけではないだろう。

「2014年、最後のBugLug行くぞ!」と幕が開く前から威勢良く煽り、いつにも増して気合の入ったパフォーマンスを繰り広げたのはBugLug。ゴマスリジャンプの「BUKIMI」、ゾンビダンスの「THE DEAD MAN’S WALKING」と、もはや彼らの代名詞とも言えるヘンテコなフリ付き曲を次々に繰り出し、客席に異様な空間を創り出す。だが“楽しい”“激しい”だけが彼らの魅力ではない。「これだけ多くのバンドが出てると、きっと忘れるバンドや曲も出てくる。それは悲しいから自分たちのやってること一つひとつに意味を持たせて、それが皆の明日に繋がったらいいなと思って作った曲です」と「JUGEMU」を贈った一聖(vo)の歌声は、震えるほどの切実さを持って聴く者の胸を深くえぐった。そこから真実の愛を求める「骨」へと繋ぎ、ラストは「ギロチン」「HEISEI OUTSIDER’S」と去りゆく年を振り切るような激烈チューンで鮮烈な幕切れを。技術、個性、メッセージと三拍子揃ったライブでオーディエンスを盛り上げまくり、日比谷野外音楽堂等でのワンマンを成功させて“ぶっちぎり”という年間スローガン通りの飛躍を遂げた2014年を華々しく締め括った。

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