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正月伝統の「羽根つき」がスポーツ化 自治体主催大会も人気

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 凧揚げ、羽根つき、こま回しといえば正月の伝統的な遊び。最近は実際に遊んでいる子どもを見かけることも少なくなったとはいえ、凧揚げは各地で保存会などが大会を定期的に開き、こま回しはベイブレードなど新種のおもちゃもある。それらと比べると影が薄い羽根つきだが、ルールを制定しスポーツ化して大規模な大会を開催している地域もある。

 川崎市子ども会連盟羽根つき大会は、2月14、15日にとどろきアリーナで開かれる大会で63回目を迎える。各地区の予選を勝ち抜いた小中学生と親が、バドミントンに似た独自ルールの羽根つきに挑む。子ども会主催のスポーツ大会として男子向けに野球、女子向けに羽根つきを実施してきた。少子化で子どもが参加するスポーツ大会は人が集まらないことが少なくないと言われるが、羽根つき大会に限っては影響があまりないという。

「男子向けの野球は、子ども会以外のチームが増えたこともあり人集めに苦労する話を耳にしますが、羽根つきの参加人数は減らないですね。羽根つき大会に限っては少子化の影響を感じません。年末が近くなると、地区予選を勝ち抜いて市での優勝を目指し、練習を始める子どもとお母さんが多いようですよ。練習しておかないと、速くて普通の人は受けられないスピードの羽根つきです」(一般社団法人川崎市子ども連盟事務局長・佐久間昭司さん)

 ゲームはセット制で2セット先取で勝ち。1セットは7点で得られる。コートはバドミントンより小さい長辺8メートル×短辺3メートル。サーブは必ずアンダーサーブで始め一度はラリーを続ける義務があり、レシーブ時は2回連打まで可能。真ん中のネットは羽根の通り抜けを防ぐため透明なビニールを張る。羽子板に細かい規定はないが、毎年、子ども界連盟で希望者ぶんを群馬県の製造元に注文している。今年も100枚の桐の板を発注した。

「熱心な参加者が多いですが、勝てばよいわけではありません。羽根つき大会のときには、一緒に書初め、絵画、ちぎり絵の展示もおこない、伝承遊びを子どもたちに伝え、親睦と交流、育成をめざしています。以前、羽根つき大会を実施したいと他県から頼まれて人を派遣し、講習を行ったこともありましたが、一回だけ開催して終わったようです。続けるのは、なかなか難しいようですよ」(前出・佐久間さん)

 東京都中央区も1957年から区内の子どもたちが参加する羽根つき大会を続けている。2015年1月10日に開かれる次回大会で59回目になる。区内在住の小中学生が参加して始まった同大会は、途中、母親も参加するなど少しずつ形を変え、1994年から区内の16小学校から代表選手が参加する現在の形になった。

「総勢384名の小学生が参加する大会なので、応援にいらっしゃる保護者のみなさんとあわせると大勢の人が集まる非常に規模が大きい大会といえます。長年続けていると羽根つき大会に力を入れて強豪チームになった学校もあるので、『打倒○○小学校』という目標を掲げて練習しているところもあるようです。

 ルールが近いからということで、審判を中央区バレーボール連盟にお願いしているのですが、少しでも誤審しようものなら大変な抗議を受けます。それほど、参加する側も運営する側も真剣に取り組んでいる大会です」(中央区文化生涯学習課・吉原利明課長)

 中央区のルールによれば、コートは川崎市より少し小さめの長辺7メートル×短辺3メートル。セット制で2セット先取すると勝利は同じだが4点先取で1セット取得でき、レシーブ時の連打は3回まで可能。羽子板と羽根は区で用意したものを各学校に配布、大会でも同じものを使用し、個人所有の「マイ羽子板」「マイ羽根」は存在しない。他の地域と羽根つきで対抗戦をする可能性はあるのかときけば「区としてはないですね」という。

「羽根つき大会の趣旨は青少年健全育成であって、伝統的あそびの『羽根つき』を知ってもらうのが目的です。もし小学校の側で希望があれば、学校単位で他地域との対抗戦などをする可能性はあると思いますが、羽根つきをスポーツのようにして続けているところはなかなかないので難しいのではないでしょうか」(前出・吉原課長)

 羽根つきを全国、ひいては国際的なスポーツに育てようという動きが、これまでまったくなかったわけではない。1998年に富山県婦負(ねい)郡婦中(ふちゅう)町(※現在の富山市婦中)の体育指導委員協議会に日本スポーツ羽子板協会の事務局が設立され公式ルールを制定、2004年には国際ルールも定められた。

 ところが、10年前に雪上スポーツとして実施されたのを最後に大会は開かれず、婦中町が市町村合併で富山市となる過程で日本スポーツ羽子板協会の存在もわからなくなってしまった。

 川崎市や中央区のように、継続して大きな大会を実施している地域は少ないが、羽根つき大会そのものは全国各地で開かれている。桐の産地や、伝統的な日本人形や羽子板の生産地など実施され、ルールはバドミントンやバレーボール、テニスなどを参考にしたスポーツ的なものが大半だ。遠くない将来、失点すると顔に墨を塗る羽根つきは、古い映画や小説のなかだけの話になるのかもしれない。


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