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ユニクロ地域密着店は成功するか 柳井氏「グローバル化、ローカル化の両立」唱える

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ファーストリテイリングが展開するユニクロは国内外合わせて約2800店舗あり、これまで商品の配置やディスプレイなどは本部からの細かいマニュアルで決まっていた。ユニクロらしい商品やサービスの提供は行えるが、しかし街にはこんな声もあった。

「場所を選ばず買えるのはいいが、全部似ているので何か足りない感じ」
「置いてあるものも、どこに行っても同じ。特別感がない」

これを受けて柳井正会長兼社長は2014年の元日、国内外合わせて約3万人の社員たちに「グローバル化、ローカル化の両方とも叶える必要がある」とメールで戦略を打ち出した。2014年12月23日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、今までになかった「地域密着」を推し進めるユニクロの新しい取り組みに密着した。
若いファミリー層や地元商店街に配慮した吉祥寺店

消費者の気持ちを表すように、ユニクロはここ数年新規の出店と同時に閉鎖する店も多く、国内の店舗数は伸び悩んでいる。この状況を受け、柳井会長は新方針が「地域密着」であることを語った。

「均一のチェーンストアから、一店舗ずつ地域に根付く商売に変えないといけない」

今年10月オープンしたユニクロ吉祥寺店は、新戦略のモデル店だ。店長としてこの重責を任されたのが、入社13年目の若桑芳長さん(36歳)だ。

ニューヨーク店で副店長も務めた経歴を持つ若桑さんは、本社のマニュアル通りではなく若いファミリーが多い吉祥寺の客層に合わせたファッションの提案を独自に行っている。さらに地元の商店会に加入し、地域の祭りやイベントにも参加。店の2階には地元の商店をパネルで紹介するコーナーを設けるなど、今までにない試みを行っている。

11月の大きなセールの日には「5000円分の商品を買いサイコロを振ってゾロ目が出ると、吉祥寺の様々な店のクーポンがもらえる」という吉祥寺店だけのイベントを仕掛けた。チョコレートやドーナツ店のクーポンが貰えたという女性客たちは大喜びで、吉祥寺商店街に客の流れをつくることもできた。
トップダウンから「現場発」の取り組み重視へ

しかし2カ月後、視察に来た営業本部営業6部の片山敦詞部長は、こんな指摘をした。

「これだけでは銀座(のグローバル旗艦店)のミニチュア版」
「店長1人でやっていてもダメ。もっとスタッフを巻き込んで自発的にやれるような仕組みを作らなければ」

若桑さんがマーケティング担当の高岸さんに相談すると、吉祥寺のママコミュニティーにアプローチするために、「子供たちに絵を描いてもらいオリジナルTシャツとして販売していく」というユニクロ初の試みを提案された。

吉祥寺のオリジナル雑貨店「ペーパーメッセージ吉祥寺」のデザイナー大久保淳子さんにもアドバイス役の協力を依頼し、12月に子供フロアでイベントを開催。子供が描いた絵はその場ですぐにTシャツになり、自分の姿と蝶々を描いた5歳のゆきのちゃんはお母さんととても喜んでいた。

高桑店長は、地域密着へ自分たちの力で前進したという手応えを感じているようだった。

「お客様のために大切なことをやっていくというのは、今のユニクロにとって本当に必要なこと。これを現場発でいくつかやらせてもらえたことは、すごく大きなことだと思っている」

地域に実情に合ったローカルな取り組みは必須

チェーン店の地域密着など今まで考えたこともなかったが、それをユニクロが行うということが驚きだった。しかしグローバル時代になっても、地方の消費者に商品を届けるためにはリアル店舗が必要だし、地方を皮切りに少子化による人材不足も予想されるということで、地域に実情に合ったローカルな取り組みは必須だ。

柳井会長は「アメリカではアメリカの企業になり、中国では中国国民のために仕事をしなくてはならない」と語っていた。日本でも各地域に合わせた店舗づくりは当然の帰結だったのだろう。(ライター:okei)

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