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ゴジラ60年の歴史を振り返る 第7回(全7回)

 第6回の続きです。

 【第15章・・・ゴジラ2度目の復活】
 
1999年、『ゴジラ2000MILLENNIUM』(本篇監督・大河原孝夫、特技監督・鈴木健二、音楽・服部隆之)でゴジラは日本映画界に4年ぶりの復活を果たします。本作でゴジラは『ゴジラVSシリーズ』よりも小さい身長55メートルとなりました。そして本作からはほぼ毎回のように設定をリセットするようになります。

【関連:ゴジラ60年の歴史を振り返る 第1回(全7回)】

 ストーリーでは、ゴジラを研究しようとする学者とゴジラを退治しようとする政治家の対比という、1954年の『ゴジラ』を彷彿とさせる構図が描かれました。
ただ、CGの出来がいまひとつだったり、タコ型宇宙人が出てきたり、フィクション性の高い超兵器が登場しなかったり、せっかくの新作ゴジラ映画なのに昭和の特撮作品で活躍した俳優が『ウルトラマンレオ』でブラック指令を演じた大林丈史ぐらいだったりして、盛り上がりに欠けました。
音楽面では、「ゴジラの恐怖」のイントロが流れたシーンと、『怪獣総進撃』の大気圏突入の音楽→「ゴジラのテーマ」のメドレーが流れたシーンがありました。

 2000年には『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(本篇監督・手塚昌明、特技監督・鈴木健二、音楽・大島ミチル)が公開。1970年代の『ゴジラ対○○』、平成1桁台の『ゴジラVS○○』に続いて、この時期は『ゴジラ×○○』という表記が用いられています。
本作の劇中世界では、1954年に出現したゴジラは退治されておらず、その後も何度か日本を襲撃しています。そして2000年、『ゴジラ×メガギラス』で出現したゴジラも、1954年に出現したゴジラと同一個体です。

 本作の劇中世界では、1954年に東京がゴジラによって破壊されたことから首都が大阪に遷都。劇中のニュース映像では、新たに制作されたゴジラの東京襲撃映像を見ることができます。そして大阪城と国会議事堂が同一の画面に映るという面白いカットが登場します。また、ゴジラが茨城県東海村の原子力発電所を襲撃したことから日本政府は原子力発電を放棄。水力、火力、太陽光、風力で穴埋めしようとしますが、原子力発電の穴を埋めることができなかったことから、今度は架空の発電方法を実施しますが、この新たな発電方法も再びゴジラに襲撃されるという設定になっています。

 本作では『空の大怪獣ラドン』に登場した体長8メートルのヤゴ・メガヌロンが44年ぶりに登場。44年ぶりという数字は東宝怪獣映画史上不滅の第1位の記録です。そしてメガヌロンが羽化してトンボの怪獣メガニューラになります。メガニューラは実在した太古のトンボでもあり(勿論映画に出てくる怪獣はフィクションですが)、昔、上野の国立科学博物館にメガニューラを再現した模型が展示されていたのですが、あれはなかなか衝撃的でした。劇中のメガニューラがより一層の怪獣化をした姿がメガギラスです。
最終決戦の舞台はフジテレビジョン周辺でした。
本作の終盤では、ゴジラがディメンション・タイドというブラックホール発生装置によって消滅させられますが、ラストにはゴジラ出現が示唆され幕を閉じます。

 配役面では、『地球最大の決戦』以来36年ぶりの怪獣映画出演となる星由里子、ゴジラ映画には『ゴジラVSモスラ』以来8年ぶりの出演となる黒部進らが出演しました。
音楽面では、大島ミチル作曲によるゴジラのテーマ曲が登場、以後『ゴジラ×メカゴジラ』『東京SOS』と3作品に亘って使用されます。伊福部昭による「ゴジラの恐怖」が冒頭のニュース画面に流れた他、劇中には「ゴジラの恐怖」のイントロが流れています。

 2001年には『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(本篇監督・金子修介、特技監督・神谷誠、音楽・大谷幸)が公開。同時上映は『劇場版とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』(監督・出崎統、CG監督・樋口真嗣、音楽・岩崎元是)で、往年の東宝チャンピオンまつりが復活したかのようなプログラムでした。それにしてもこの頃の出崎監督のアニメ映画ラインナップを見ると、『ハム太郎』シリーズに『AIR』『CLANNAD』と幅が広すぎますな。

 本作の登場怪獣は、タイトルに入っているゴジラ、モスラ、キングギドラに加え、『怪獣総進撃』以来33年ぶりの登場となるバラゴンです。
本作のゴジラは1954年に退治されたゴジラ以来2匹目という設定で、身長は60メートル、黒目がなく、かなり恐ろしい形相になっています。そして登場人物が、ゴジラは太平洋戦争で亡くなった人々の残留思念の集合体であると指摘しています。ただ、本作のゴジラが劇中世界で本当にそうなのかはよく分かりません。ゴジラ=戦歿者説は本作以前から評論家らによってしばしば指摘されており、そのような説を本作の作り手が取り入れたと言えるでしょう。
一方、日本の国土をゴジラから守る存在として登場したのが護国聖獣という守護神でして、婆羅護吽=バラゴン、最珠羅=モスラ、魏怒羅=ギドラ(キングは付かない)の3匹です。これら3匹は、あくまで日本の国土を守っているのであって、日本人を守っている訳ではないようです。キングギドラは今まで何度も日本を襲撃していたのに、今回は日本を守る側になっちゃったんですから、大きな驚きです(人間が操縦したメカキングギドラという前例がありますが)。
今までキングギドラと3回戦ったモスラは本作ではギドラと共闘。ゴジラの攻撃からギドラを庇って死んでしまいます。モスラはその際、パワーをギドラに与え、ギドラは千年竜王キングギドラになるのでありました。
音楽面では、エンディングで「ゴジラの恐怖」のイントロ、『怪獣総進撃』の大気圏突入の音楽、「ゴジラのテーマ」、「怪獣大戦争マーチ」がメドレーで流れました。

 2002年には『ゴジラ×メカゴジラ』(本篇監督・手塚昌明、特技監督・菊地雄一、音楽・大島ミチル)が公開。『ゴジラたいメカゴジラ』と読む映画はこれで3本目です。同時上映は『劇場版とっとこハム太郎 ハムハムハムージャ!幻のプリンセス』(監督・出崎統、音楽・岩崎元是)。
本作のゴジラは1954年に退治されたゴジラに続く2匹目という設定で、身長は55メートル。
一方のメカゴジラは正式名称を3式機龍という対ゴジラ用兵器です。1954年にオキシジェン・デストロイヤーによって退治されたゴジラの骨を海底から引き揚げ、その骨を文字通り骨格として開発されました。尚、1954年の『ゴジラ』ではオキシジェン・デストロイヤーによってゴジラの骨は溶けて消滅したので、本作は1954年の『ゴジラ』とはパラレルワールドになっています。

 本作で機龍を運用したのは対特殊生物自衛隊(略称・特生自衛隊)。この自衛隊は1966年に千葉県の習志野駐屯地に設立されました。1966年というのは『サンダ対ガイラ』の公開年であり、ガイラとの戦いをきっかけにして設立されたものです。
劇中には『モスラ』(1961年版)『サンダ対ガイラ』の映像が引用され、『ゴジラ×メカゴジラ』に至るまでの対怪獣用兵器の歴史が語られています。そして本作では『サンダ対ガイラ』に登場したメーサー殺獣光線車のデザインを踏襲した新型車輌・90式メーサー殺獣光線車が登場。冒頭のメーサー車の描写は、『サンダ対ガイラ』のリメイクとも言うべきシチュエーションでした。
音楽面では、大島ミチルが佐藤勝、伊福部昭に続く3人目のメカゴジラ作曲家に就任。歴代で4曲目となる本作のメカゴジラのテーマ曲は、2009年の大河ドラマ『天地人』のテーマ曲にも通じる、爽快な曲となっています。ゴジラのテーマ曲は『ゴジラ×メガギラス』と同様です。

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