ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

上司の違法コピーをとがめる方法はないでしょうか?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

Q.

 私の上司は、著作権のあるCDやDVDを焼き増しして、部下や仕事関係の友人、飲み屋のお姉ちゃんなどに配っています。プライベートでやるのは我慢できるとしても、職場でされるとイラッとします。こちらが催促したわけでもないのに、違法にコピーした物を渡してきます。そんなもので恩というか借りを作りたくないです。
 本当なら解雇されて欲しいのですが、そうなる手立てはないのでしょうか?教えて下さい。

(20代:男性)

A.

 上司が市販されているCDやDVDをコピーして人に配っているのを目撃されたとのこと、不愉快な気持ちになられたでしょうこと、お察しいたします。
 著作権で保護されたCDやDVDをコピーすることは、著作権法上違法になります。
 具体的には、CDやDVDのように音楽や映像を収録した媒体には著作権者の権利が及んでいます(具体的には複製権など。著作権法21条参照)。著作権者に対して、無断で(対価を支払わずに)複製権などの権利を故意に侵害した場合は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金を科する規定があるなど、刑事罰もありえます(著作権法119条)。したがって、ご相談者様の上司の行為は、歴然とした犯罪行為であるということになります。
 「私的使用のための複製(著作権法30条)だ」という反論も考えられますが、同条の対象となるのは「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲」と考えられているため、部下等に配るのはこれにあたりません。

 では、どのように対処すべきかについてですが、著作権法上の違法行為に対して刑事罰を求める場合、多くが「親告罪(被害者の告訴を要する)」である点に注意が必要です(著作権法123条1項)。
 したがって、著作権侵害の場合、著作権者、つまり、CDやDVDを販売する会社などが「ご相談者様の上司が著作権侵害をしているから、捜査してほしい」との内容を捜査機関に伝え、捜査が開始されるという流れになります。

 このような仕組みがあるため、ひとまずはCDやDVDの販売元に違法コピーがなされている実態を伝える必要があろうかと思われます。(参考:映画の著作権侵害事例の相談窓口 テレビ番組の著作権侵害事例の相談窓口)

 なお、会社内で従業員が業務に関連した著作権侵害を行っていた場合、法人に対しても罰則規定があります(著作権法124条)。仕事関係の友人に配っていたという事情があるのなら、「業務の円滑化を図る一環として著作権侵害を行っていた」と言えなくはない状況ですから、法人への罰則についても可能性はゼロではありません。
 とすれば、社内に設けられたコンプライアンス担当者や相談窓口に対して、相談して、対応を仰ぐというのも一つの方法ではないかと考えられます。
 どうか、「悪いことは悪い」と言える勇気を持って臨んでいただければと考えます。

元記事

上司の違法コピーをとがめる方法はないでしょうか?

関連情報

マタニティーハラスメントに関して最高裁初判断(今週の話題 ~法律はこう斬る!)
出向命令に従わない場合に減給することは違法じゃないの?(なっとく法律相談)
給料が差し押さえられたら解雇されても仕方がない?(なっとく法律相談)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP