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ウジ虫を食べて育った鶏や豚が食卓に!? 「マグミール」が支える未来の食肉産業

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毎日のように食卓に並ぶ肉。その元となった家畜は、一体どんなものを食べて成長してきたと思いますか? もしかしたら将来、ウジなどの虫を食べて育った鶏肉や豚肉を当たり前のように食べる時代がくるかもしれません。

12月8日付けの英ガーディアン電子版は、WWF(世界自然保護基金)が推進する「ウジを家畜の飼料にする計画」を特集しました。ウジと聞くと一瞬「えっ」と思われる方もいると思いますが、実はこの計画、持続可能な食肉産業を目指す上ではかなり有効な方法であると考えられているようです。
クズ肉を利用して量産。漁も加工も不要に

養鶏や養豚などでは穀類に加え、動物性飼料として魚粉などを与えています。しかし、魚は資源として有限ですし、漁は燃料が必要な船を使います。

魚を獲った場所から、魚粉の加工場や養鶏・養豚場への移動も必要です。さらに人口増加により、魚そのものの消費量も増えることが予想されています。そこで魚粉の代替案として編み出されたのが「マグミール」。「マグ」とはマゴット、つまりウジ虫のことです。

マグミールを生産するには、屠殺場で出たクズ肉をエサにハエを集め、ハエが産みつけた卵がかえってウジがわいたところで乾燥させ、粉末状にするだけです。クズ肉が再利用できる上に、わざわざ漁に出る必要もなく、安定的に動物性飼料を供給することができます。

2015年からこのマグミールの生産を行う予定のアグリプロテイン社では、毎日7トンのマグミールが生産できると踏んでいます。南アフリカのこの事業の共同設立者は、このように話しています。

「毎日24トンの幼虫を生み出せます。これはつまり24トンの魚を必要としなくなることであり、ゴミの削減にもつながります」

国連のFAO(食糧農業機関)は2013年、人口増加による穀物や肉の需要の急騰に対応するため、昆虫食や虫を飼料にすることを推進してきました。しかし昆虫食は人間の消化に悪かったり味覚に合わなかったりするので、昆虫の摂取の仕方としてはマグミールのような昆虫飼料の方が利用しやすいようです。
健康への影響は未知。法の壁も立ちはだかる

この流れからすると、マグミールは理想的なように思われますが、実は一般化するまでにはいくつか大きな障害があります。1つ目は、法の壁。例えばEUでは狂牛病の発生以来、動物性たんぱく質を家畜に与えることが禁止されています。

2つ目は、人間の健康への影響です。昆虫を飼料に使用した場合に人間にどのような影響があるのか、バクテリアなどが体内に進入しないかなどは、研究資料が不足しているため未知の領域です。

このように、昆虫飼料の実用化はもう少し先になりそうですが、人口の増加と食糧需要の高まりは、マグミールのような飼料の開発と流通を否が応でも推し進めることになりそうです。一般家庭の食卓に、ウジを食べた動物の肉が並ぶ日も遠くないかもしれませんね。あまり生々しく考えたくはないですが…。

(参考)Insects could feed the animals of tomorrow’s meat industry (The Guardian)

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