“会社”と“個人事業”、得をするのはどっち?

access_time create folderデジタル・IT
“会社”と“個人事業”、得をするのはどっち?

 「今、働いている会社から独立しよう」。そう考えている人は少なくないのかもしれません。また、実際年明けからフリーランスで働きはじめるという人もいるでしょう。
 独立をする場合、大まかに2つに分けての道があります。それは、個人事業主としてやっていくか、株式会社を立ち上げるか、というもの。今は資本金が少なくても会社を立ち上げることができるようになり、会社設立の敷居はかなり下がっています。

 では、どちらのほうが“お得”なのでしょうか?
 起業することのメリットとデメリットとは?

 税理士の原尚美さんが執筆した『改訂 ダンゼン得する いちばんわかりやすい 会社のつくり方がよくわかる本』(ソーテック社/刊)は、会社をつくる上でのメリットとデメリットをたくさんの図表を用いて分かりやすく教えてくれる一冊。
 「税金」「運営」「個人資産」「社会的信用度」「事業の継続性」「各種手続き」などの要素から、会社と個人事業どちらが有利になるのかを説明しています。
 原さんによれば、そもそも今は独立をするチャンスの時期なのだとか。それは消費税率が8%に上がったことにより、消費税のメリットが1.6倍になったそうなのです。「えっ、どういうこと?」と疑問に思う人も多いでしょう。その答えも本書に書かれています。

 今回は本書の中から会社をつくるメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

■会社をつくるべき7つのメリットとは?
 まずは会社をつくったほうがいいメリットです。本書では以下の7つがピックアップされています。

(1)個人事業では認められない費用も、会社だと経費にできる
(2)事業主や家族に給料を払うことで、結果的に税金が安くなる
(3)事業主や家族も、社会保険に加入することができる
(4)会社の借金に対して無限に責任を負わなくてもよいので、個人資産を守ることができる
(5)会社にすると社会的信用がつき、事業を拡大することが容易になる
(6)事業承継や事業売却をスムーズに行うことができる
(7)事業年度や納税地を自由に設定できる
以上本書14ページより抜粋

 個人で事業を行う場合、事業にかかわるすべての権利・義務が個人に帰属します。もし売上が思うようにのびなければ、それは個人の責任。自分の財産でやりくりしなければいけないので、プライベートという概念はなくなります。
 一方で会社は「法人格」が与えられます。すると、ビジネスを行うなかで発生するすべての権利や義務は、会社自身に帰属することになります。業績が悪くなったからといって個人財産を切り崩す必要はないのです。また、社会的信用も大きく、事業を大きく伸ばしていく上では、必要条件といえます。
 また、会社設立から最大2年間は消費税が免除されるといった「節税」面でも効果的です。

■会社をつくるときの3つのデメリットとは?
 ここまではメリットの話。ですが、もちろん、メリットだけではありません。デメリットもあります。

(1)会社を運営するコストがアップする
(2)事業で儲けたお金(余剰金)を、個人で自由に使えない
(3)会社の登記や税金の申告など、手続きが個人事業より面倒になる
以上本書25ページより抜粋

 原さんいわく、デメリットはこの3つに集約されます。
 まず、一般的な株式会社をつくるとなると、登記費用として20万円程度がかかります。また、会社が引っ越しをしたり、役員が代わったりした場合も、登記費用が発生します。これらの手続きは司法書士などの専門家に任せることが多いのですが、その場合はさらに手数料が上乗せされてしまうのです。
 こうした背景があるため、どうしても個人事業ではあまり必要なかった会社の「維持費」が発生してしまいます。

 これらのメリットとデメリットは本書内で精査されており、具体的にどこまでは個人事業が向いていて、どこから会社にすべきかという線引きをしてくれます。税理士である原さんが書いているので、「節税」の方法もバッチリ。会社を設立するときの手続きのやり方、書類の書き方も具体的に教えてくれます。
 これから独立しようと思っている人は目を通しておきたい一冊です。
(新刊JP編集部)


(新刊JP)記事関連リンク
1日3時間で税理士試験に受かった主婦の勉強法
資格試験に受からない人に共通の勉強法
難関資格に短期間で、確実に受かる3つのコツ

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. “会社”と“個人事業”、得をするのはどっち?
access_time create folderデジタル・IT
local_offer

新刊JP

ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。