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働く男のスクリーモVol.2 「本当にあった!誰もしたことのないマネージャー仕事」

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僕はここ5年くらい「神聖かまってちゃん」というバンドのマネジメントのお仕事をしています。
バンドのマネージャーという仕事自体、一般の会社務めの方々からしたら特殊かと思います。
でも、神聖かまってちゃんというバンドとの付き合いはさらに特殊だったと思います。

特に初期ですね。最近はメンバーもなんといいますか、音楽業界というか、バンド業界というかそういうものに良くも悪くも慣れて来たところもありまして、まあ年齢的にも随分大人になったというのもあるのかもしれないのですが、常識的なやりとりが多くなりました。
でも、初期は全くそんなことなかった!
もうデタラメでした。

例えば、かまってちゃんは有名になってからはステージにでっかいLEDモニターを用意して、そこにニコニコ生放送を映しながらライブをする、という演出をよくしてきたことをご存知の方もいらっしゃるかと思うのですが、まだ売れていない時期、小さなライブハウスでやっていた頃に、スクリーンを持ち込んで同じことをやったことがあったんです。

スクリーンも、メンバーと東急ハンズで白い大きな発泡スチロールの板を買って来て、積み上げたビールケースにそれをくくりつけて。インターネットのケーブルも長いものを買って来て、プロジェクタを持ち込んで。そんな完全に手作りな作業を、メンバーと一緒にやったりしましたね。

綿密にリハーサルで試して、よし!いけるぞ!と思ったら、本番前にボーカルのの子くんが血走った目でこう言うんですよ。

「ライブの最後に、あのスクリーンに火を付けて燃やしていいですか!!?」

ジミ・ヘンドリクスがギターを燃やす的なそれです。
神聖かまってちゃんは2010年代の革新者ですからね。60、70年代のロックレジェンドみたいにギターを壊したり燃やしたりはしないのです。壊すのはパソコン!燃やすのはスクリーンに決まってる!

しかし、見ると、ここは渋谷の雑居ビルにある地下のライブハウスなんで、天井は低くスクリーンがギリギリ。そして天井はスポンジで出来たマットが防音用に貼られている状態…
これって火をつけたら、一気に天井に燃え広がるやつですよ。
ビル全焼も視野に入れられるでしょうに、絶対無理です!!何でそんなわかりきったこと聞くんだよ!ビル燃えたらほんと、どうするの!?
っていうまあ、そんなレベルだったんですよ。

そんなことのよくある日々だったのですが、特に特殊だったなあと思い出す仕事に、「劔の24時間USTREAM」っていうのがあります。

あれは2011年の2月、神聖かまってちゃんが4月1日に両国国技館でライブをやるという時です(結局、震災で中止になったのですが)。

そんな大会場は当然初めてで、そもそもかなりの挑戦ではありました。
本番当日もあと一ヶ月あまりと近付く中、やっぱりチケットは十分に売れていなくて。
そこで盛り上げと宣伝を兼ねて、僕が24時間USTREAMで生放送をしながら、チケット予約を電話で受け付けるっていう、そういう企画が持ち上がったのです。

いや、そんなのもちろん、メンバーがやれば一番良いんですよ。実際その正月、メンバーが同じことを2時間やったんです。
でも、今度は24時間。きついからメンバーは嫌がるだろうってことで、それでマネージャーである僕がやれよっていう。
意味がわからないっていうか、もうほんとすごい社畜感。

でももう僕も、両国のチケットをなんとしても売りたかったんで、やってやろうじゃねえの!って気持ちで受けて立ちまして。
24時間の間、眠気と話す話題のなさと戦いながら、突然かかってくる予約の電話を受け続けながら、多くのゲストミュージシャンや飛び入りのわけわからないお客さんなんかにも助けられながら、24時間やりきったんです!

あれは本当にきつかった。終わった時、パソコンを閉じて事務所の長椅子に倒れ込んだ時のことを今でも覚えています。これはもう、二度とできないと思いました。

二度とできないと思ったんですが…
翌年の3月、「神聖かまってちゃんとBBクイーンズ」のZEPPツアーっていう凄い企画をやることになったんです。
凄い企画だったんですけど、凄すぎたのかチケットが売れなかったんですよ!というわけで、またあれをやれっていうことになった!

一年前の辛さを思うと本当に嫌だったし、苦労の割にそんなに売れないことも経験上わかっていたんですけどね。
それでもチケットが1枚でも動くなら、ここで逃げてはカッコ悪いと思って。
しかもまたやるからには、去年と同じではまずいだろうということで、今度は27時間だ!って自ら勢いで言ってしまったんです。

さらに厳しかったのは、その時は前年にも増して緊急でやることが決まったから、その27時間の中には自分が雑誌に連載していた原稿の締め切りが重なっていたり、かまってちゃんとBBクイーンズさんの合同スタジオの予定も入っていたりもした上、事前にゲストの仕込みとかも一切出来なかったんですよ。それでも、その日しか出来ないからっていうことで決行されて。

だから当日は、プランもないままずっと雑談をし続けました。
朝10時から始めて、喋りながら原稿も書いて。
途中メンバーや他のスタッフが参加してくれたりでなんとか朝まで凌いで。
朝方は一瞬寝落ちしたりもしたんですが。

そしてそのまま24時間経過した朝の10時くらいか、パソコンをWi-Fiでネットに接続しながら車でスタジオに行ったんですが、スタジオの様子は何の曲をやるとか内緒にしたいし、秘密のコラボもあったしで映せないもんで、僕は車の中でひとり喋り続けたんです。

そこからが本当に辛かった!
眠いし、寒いし、話題もないし、そこまでしてスタジオに来る意味があるのかって感じだし…
24時間までなら何とかなった気もするんですが、そのあとの3時間というのは想像を絶する厳しさでした。
第一、事務所を離れてるので、電話予約も受けられてませんからね。もはや何の仕事をしてるのか分からない。分からないけど、朦朧としながら昼過ぎまで喋り続けて、ついに13時、グランドフィナーレの時間が来たんですよ。

その時ばかりはコメントに「よくやった」「おつかれさま」「ずっと見てたよ」みたいな嬉しいコメントが大量にざーっと流れたんですが、その喜びもよくわからないくらい疲れていたんです。

そしたら、コメントの中に「去年の24時間と比べてどうだった?」っていうのがあって。
薄れ行く意識の中、僕はこう答えていました。

「24時間より、27時間の方がつらい」

戦いは終わりました。

まだ外は寒い3月でしたが、車に差し込む昼下がりの日差しは暖かかった。
熱をもったノートパソコンを抱えながら、僕はそっと目を閉じたのでした。

あの日々は何だったのか。
生産性のないことばかりやっていたような気もしますが、それがあって今の自分があるのです。

今日の叫び:「24時間より27時間の方がつらい」

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