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皇室の“おせち”の内容とは?

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お正月に食べる「おせち」の起源は、収穫を感謝する神事にあるという。それが宮中で儀式化される過程で、現在のような形になってきたのだとか。つまり「皇室のおせち」は「おせちの“元祖”」ということになる。では、天皇陛下が召し上がっている「おせち」とはどのようなものなのだろう?

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参照したのは図録『御成婚50年・御即位 20年記念特別展「両陛下-思い出の絆の品々1」』(宮内庁三の丸尚蔵館)。しかし、「おせち」という言葉はそこには出てこない。元日に初めて召し上がるのは「晴御前」というものだという。その部分を引用してみる。

~晴御前
天皇陛下が元日に宮殿で最初に臨まれる行事。燕尾服に勲章の御正装で、表御座所花の間に設えられた御台盤の前に着席され、馬の頭の形をした馬頭台から両端を細くした両細御前箸を取り、その台の上に立てる所作をされる~

メニュー詳細は記されていないが、写真を見ると円柱状に盛られた白い何かが目立つ。ご飯にも見えるがこれはなにか?

日本のお正月文化に詳しい元宮内庁書陵部首席研究官で、作家の飯倉晴武さんに聞いてみた。

「それは『高盛り』にされたご飯です。古来、天皇は節句に朝廷の臣下に強飯(こわめし=炊いた米)を分け与えていました。臣下たちはそれをひと口いただいて、残りを賜りものとして持ち帰り、家族、一族でありがたくいただいていたんです。儀式的なものですので、お腹を満たす目的のものではありません」

なるほど。図録によると、他に正月に陛下が召し上がるものに「御祝先付の御膳」と「御祝御前」というものがあるようだ。まずは「御祝御前」のほうから引用してみよう。

~平成21年1月1日新年「御祝御膳」献立
本膳
鱠 真鯛曙造り・鱚真砂和え・菊花赤貝・紅白水引大根・橘金柑・春蘭・防風・千枚胡瓜、紅蓼、莫大海、花山葵
本汁 合わせ味噌仕立 紅白霰糝薯 袋牡蠣 春菊 小口芹 口祝粉
煮物 薄葛仕立 高野豆腐年輪巻、山伏茸、菜の花、梅花人参、梅花大根、木の芽
漬け物 奈良漬瓜・重ね昆布佃煮・赤蕪
醤油
御飯
〈二の膳)
取肴/甘鯛西京焼、牛肉市松巻・木の葉柚子
精進/橙々釜入り裏白敷 雪卸し和え、芝海老、貝柱、古露柿、独活、胡瓜、寿海苔、蜜柑
二の汁/若水仕立 昆布〆鱈、手鞠麩、結び人参、鶯菜、三つ葉、松葉柚子
焼物/小鯛化粧姿焼・煮梅・花蓮根・はじかみ
〈御祝菓子〉
舞鶴、於古志、御口祝昆布~

品数が多く見えるが、添え物や素材も列挙されているようで、写真を見るとそこまで品数が多いわけではないようだ。

なお、「御祝御膳」は新年三が日と天皇・皇后両陛下の誕生日の夜に召し上がる御膳で、新年の御祝御膳の献立は、各日で異なっている様子。また、本来は三が日の食事ごとに召し上がっていた「御祝御膳」だが、新年行事の関係から夕食時になったため先立って召し上がるのが「御祝先付の御膳」というものらしい。その内容はこうなっている。

~平成21年1月1日新年「御祝先付」献立
本膳/付焼 小串鰤、浅々大根、菱葩
二の膳/割伊勢海老、福目煮勝栗、汁物 潮仕立 蛤・雉酒
お福茶/抹茶、小梅~

いかがだろうか。写真を見ていただけると早いのだが、画像を借りられず、それが叶わないのがもどかしい限り。筆者が写真を見た印象としては、私たちが「皇室のおせち」と聞いてイメージするもののような豪華さは見られない。

「お正月は特に行事が多く、陛下は我々のように朝からのんきにおせちを楽しむということはないんです。おせちの内容に関しても、庶民の方がよっぽど贅沢な物を食べていますね」(飯倉さん)

想像よりも質素だった“皇室のおせち”。調べてみないとわからないものですね。
(のび@びた)
(R25編集部)

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