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機長はどこまで副社長に逆らうべきだったのか? 大韓航空「ナッツ姫」騒動

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機長はどこまで副社長に逆らうべきだったのか? 大韓航空「ナッツ姫」騒動

大韓航空会長の娘の副社長が、機内で客室乗務員を叱責したうえ、機内サービス責任者を降ろさせた「ナッツ姫」騒動。財閥一家の娘の横暴ということで、韓国マスコミは猛烈なバッシングを展開している。

その一方で、意外なことに「被害者」のひとりとされる機長を批判する声も出ている。たとえ相手が自社の副社長といえども、運行の妨げとなる「迷惑な乗客」の言いなりになるべきではなく、状況判断が誤っていたのではないかというのだ。
本村弁護士「機長は副社長を降ろすべきだった」

日本のワイドショーも「ナッツ姫」で持ちきりだが、12月18日に放送された情報番組「スッキリ!!」(日本テレビ系)でも、この話題を取り上げた。

番組が、韓国では財閥一族には逆らえない雰囲気があるという実態を紹介すると、本村健太郎弁護士は「根深い問題。こういう国、あるいは体質の飛行機には安心して乗れない」と厳しく指摘。その理由について、こう述べた。

「機内での迷惑行為に対しては、引き返すのであれば、乗務員を降ろすのではなく、この副社長を降ろすべきだった。乗客の安全を預かって法律を守るべきはずのパイロットが、それをできなかったのは残念」

一般企業でも社長の「鶴の一声」で、物事が理不尽に変更されるのはよくあることだ。しかし仕事には、経営者や上司の指示に基づくもののほか、「公益性」や「顧客や社会に対する責任」という要素がある。

一社員の意識を超える「仕事に対するプライド」があれば、上司の理不尽を突っぱねる勇気も出てくる。日本のネットにも、いくら相手が自社の副社長といえども、機長が毅然とした態度を取るべきだった、と指摘するコメントが散見される。

「大韓航空のナッツ事件、どう考えても機長が一番責任が重いと思うのは私だけ?」「機長があの女性にひるまず、飛行機を戻さなければこんなことにはならなかった」

「同族会社」が公共インフラを牛耳る弊害も

その一方で、社員の生殺与奪を握るオーナー一家の強大な権力に逆らうことは、事実上難しいと同情する声もある。あるネットユーザーは、「日本でも田舎に行くと見られる光景ではあるけどね」として、こんなエピソードを紹介した。

「地元の大資産家のボンボンが、一族経営の会社でやりたい放題するのって(よくある)。気に入らない男性社員を殴りつけたり、美人の女性社員に片っ端から手を付けて、まったく処分もされずにトントンと出世していく」

キャリコネの口コミにも、同族会社特有の「恐怖」を訴える声が見られる。愛知県のメーカーに務める20代女性は、「同族経営のため、気に入られれば仕事ができなくても出世します。嫌われれば終わります」と書き込んでいる。

同族・オーナー企業は、一族による横暴な経営が横行しがちな一方で、短期的な評価に一喜一憂せずに長期的な視点で経営できるというメリットもあるといわれる。「雇われサラリーマン社長」が失点を恐れれば、リスクを取らない経営を選びがちになる。

その一方で、膨大な収益を生み出し公共インフラを担う航空会社が同族会社であることのデメリットは大きいとして、「日本にも同族企業はあるけど、大韓航空みたいな巨大でしかも公共性の高い企業ではまずありえない」と批判するネットの書き込みもあった。

あわせて読みたい: 創業者一族が支配権握る「同族会社」――メリットとデメリット
 

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