地下鉄サリン事件にみる日本マスコミの “過保護報道”

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「ショックが強すぎる」「あまりにもひどすぎる」「これは残忍だ」など、現実に発生していることに対して目を背ける日本人の気質は、日本のマスコミが作り上げたものと言っても過言ではない。そもそも、日本は電波に乗せる情報を “悪い意味で” 選んでいるがゆえ、国民たちは生ぬるい情報に浸かって生きている。日本人は生活の中で、あらゆるものを自分で選んで生きているように思えるが、実は数少ない選択肢のなかから選択しているにすぎない。

たとえば、10年以上前に発生したというのに、記憶に新しい地下鉄サリン事件だ。多くの人々が亡くなり、そして重傷を負った。現在も多くの人たちが後遺症に悩んでいるという。しかし、その本当の恐ろしさを知っているのは、被害者や当事者のみであり、その他大勢の国民はテレビ画面の中で起きたこととして認識しているのではないだろうか。

地下鉄サリン事件に関して言えば、正直なところ日本人よりもドイツ人やフランス人など、ヨーロッパ各国の人々のほうが恐ろしさを知っている。それはなぜか? ヨーロッパでは地下鉄サリン事件の惨事をモザイクやカットをすることなくテレビ放映し、雑誌にも掲載しているのだ。顔面が青白くなり、鼻や口から血を流し、医療用担架に寝かされているスーツ姿のサラリーマンたち。日本のマスコミは視聴者に対して配慮をするという名目で、それら本当の惨事を報道していないからである。被害者や当事者を除けば、よっぽど海外の人々のほうが事件の恐ろしさを実感していることだろう。

アジアでも日本は報道規制という情報操作で本当の惨事を報道しない。同じくアジアのタイでは、過剰ながらも犯人や被害者の顔までだし、特に犯人に対してはモザイクなしで記者会見をやらせるなど、どこまでも情報を開示して再発防止を心がけている。

確かに、意味もなく残忍なシーンや悲しいシーンを見せることはない。しかし、見せなくてはならない時もあることを忘れてはならない。それが犯罪の抑止につながるのは明白であり、国民に対して危険を喚起させることにつながるからである。もう一度重ねて言うが、「ショックが強すぎる」ものをあえて見せることはない。しかし、「ショックが強すぎる」からこそ見せなくてはならないこともある。

そろそろ、過保護な報道や情報操作はやめたほうが良いのではないだろうか? ちなみに、日本ほどお笑いバラエティ番組ばかり放送している国はない。本当の事実を伝えることなく「笑っていようよ」と言われている気がしてならないのは記者だけだろうか(このニュースの元記事はこちら)?
 
 
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