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世界一「眠らない」日本の赤ちゃん、成長への弊害

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日本の乳児の平均睡眠時間は世界16か国の平均より約1時間短い

2010年に実施された「国民生活時間調査」によると、日本人の平均睡眠時間は7時間14分で先進国の中でも最も少ないとされています。

しかし、この傾向は大人だけにとどまりません。日本の赤ちゃんも、睡眠時間が少ないといわれています。ある調査では、日本の乳児の平均睡眠時間は約11時間といわれ世界最下位。世界16か国の平均より約1時間短い状況です。大人が十分に睡眠をとれないことは仕方がありませんが、発達段階にある赤ちゃんの睡眠時間が短いというのは大きな問題です。

睡眠中の赤ちゃんも、脳の中では忙しく「学んで」いる

育ち盛りの赤ちゃんにとって、睡眠は大人よりも大切なものです。よく眠っている赤ちゃんも、脳の中では忙しく「学んで」います。睡眠中の脳の活動についての研究によると、脳のある領域は「睡眠中が最も活動的だった」ということです。赤ちゃんの脳は、健やかに育つために欠かせない仕事を、体の活動や意識が低下している睡眠中にしているようです。

赤ちゃんの脳は、目覚めている間、あらゆる物体に触れ、さまざまな音を聞き、周りの世界を見まわして、多方面からの刺激に絶え間なくさらされますが、受け取った情報を整理し後から取り出せるようにしておく必要があります。これは、大人が一日の仕事の終わりにファイル整理をするようなもので、とりわけ赤ちゃんの場合、「ファイル整理」は脳の神経細胞同士を接続する作業を伴います。脳は学ぶたびに神経細胞間に新たな配線がされますが、その大半は眠っている間につくられるのです。

眠ることができなければ、 脳は日中に受け取った多くの情報を整理して長期記憶として自分のものにするという作業を効率的に行うことができません。

22時以降に寝る睡眠スタイルは「肥満」「キレる」などの原因に

赤ちゃんは、22時から2時の熟眠中に、体や神経系の成長を促進させる成長ホルモンが分泌されるため、この時間帯付近でしっかりと眠っていることが必要といわれています。

日本の子どもは、親のライフスタイルに合わせた生活を送っている場合が多く、夜22時以降に寝る子どもが半数以上を占めています。こういった睡眠スタイルを子どもの頃に送ることは、成長ホルモンの分泌を邪魔するだけでなく、「肥満になりやすくなる」「キレやすくなる」「表情が乏しくなる」などの原因になると考えられています。

周りの大人が、赤ちゃんの頃から良質で十分な睡眠を提供できるように考慮しなければならないことは言うまでもありません。

(佐藤 浩明/消化器内科専門医)

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