これだけ押さえればOK! 5分でわかる伝わる企画書の書き方

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きれいなパワーポイントのプレゼン資料を作ったのに、全く興味を持ってもらえなかった……企画・営業関係の方なら、誰もがこんな経験を一度はしたことがあるはずです。逆に、ほぼ文字だけの企画書なのに、すごく反応が良かったということもあるでしょう。この差はいったいどこから生まれるのでしょうか。

・伝わらない企画書の共通点
筆者は編集者時代に、編集会議でダメ出しされる同僚の姿を毎週のように見てきましたが(もちろん自分がダメ出しされたことも多々ありました)、ある日、ダメ出しされる企画書のほとんどには、共通点があることに気がつきました。それは、現時点でその企画に興味がない人のことを考慮していないということです。

・企画ではなくニーズで興味を引き出す
運良く決済権のある人が興味のある企画だったらいいのですが、興味がない場合は、何も考えずに企画の内容だけを解説してしまうと、『よくわからないからやめておこう』と思われがちです。企画が採用されるという目的を果たすためには、興味がない人にも『うまくいきそうだからやってみよう』くらいには思わせなくてはなりません。そのためには、企画自体には興味はないかもしれないけど、実は大きなニーズがあるんですよと、わかりやすく伝える必要があります。

・伝わる企画書の王道は『課題』『解決』『未来』
つまり、企画書には、企画に興味がない人でも採用に値するニーズ(『課題』)を入れ込むと効果的なのです。『課題』を解説した上で、それを『解決』するのがこの企画であり、採用されればこんな良い『未来』が待っているとプレゼンしていくと、企画書はぐっと伝わりやすくなります。難しいことは考えずに、『課題』『解決』『未来』の順番で書くと決めてしまうと、企画書を書くのも楽になります。

・実例をベースに書き方を紹介
それでは、各項目のポイントを紹介していきましょう。筆者が昔所属していたNPOが展開している、『アドバシ』という広告入り割り箸の企画書をアレンジして、解説していきます(2003年当時のものなので、例示しているデータは古いです)。

・『課題』を書くときのポイント
企画の内容によって、提案先が抱えている『課題』になることもあれば、社会が抱えている『課題』になることもありますが、ポイントは、できるだけ具体的に、客観的な数値や情報を入れ込んでいくことです。

・『課題』の具体例
【例】日本の割り箸は95%を輸入に頼っており、輸入元の中国では自然林の皆伐が行われ、森林破壊が懸念されています。また、中国産の割り箸の一部には防かび剤、漂白剤が使用され、安全性への不安も高まっています。一方、日本には間伐(間引き)が必要な人工林が多数あり、間伐材の消費が急務となっています。割り箸にも間伐材の消費が期待されていますが、価格差が3.7円(1膳あたり中国産1.3円、国産5円)あり、普及拡大へのハードルは高い状況が続いています。

・『解決』を書くときのポイント
『解決』では、その課題をなぜこの企画が解決できるのかを、具体的な根拠とともに提示します。

・『解決』の具体例
【例】そこで、その価格差3.7円を、箸袋に広告を入れた割り箸『アドバシ』が補填します。環境保全につながることから、広告主は、販促だけでなくブランドイメージを強化できます。割り箸を配布するコンビニ等も、これまでと同じ費用負担でブランドイメージを強化できます。顧客(消費者)は、安全な割り箸を使用することができ、生活に身近なものから環境保全に貢献できます。

・『未来』を書くときのポイント
『課題』が『解決』した後にどんな『未来』が訪れるかを書きます。『課題』と『解決』からだいたい想像できるので重要度は低いですが、企画書のメインコピーは『未来』の要素から生まれることが多いです。

・『未来』とメインコピーの具体例
【例】間伐材の有効利用により森林が維持され、循環型社会の実現へ。

【メインコピー】割り箸で日本の森を守ろう!

いかがでしたでしょうか。どんな企画書にも活用できるセオリーなので、試してみていただけると嬉しいです。

執筆: 鈴木収春
Via: アドバシプロジェクト(PDF)

鈴木収春
クラウドブックス代表取締役。自由大学「伝わる文章学」「出版道場」教授。講談社客員編集者を経て、出版エージェントに。ドミニック・ローホー『シンプルリスト』、タニタ&細川モモ『タニタとつくる美人の習慣』、劔樹人『高校生のブルース』などを担当。

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