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アベノミクスの雇用増、倒産減を面白く思わない「しばきあげ・清算論者」

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【高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長】 

 アベノミクスの第一の矢と第二の矢は、世界で標準的なマクロ経済政策だ。これをやれば、雇用増、倒産減になるのは、民主党政権時代のマクロ経済政策があまりにデタラメだったので、事前に予想でき、そのとおりになった。


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 倒産数は民主党時代も減少していたが、安倍政権になってから減少が加速した(傾向線の傾きが違う)。

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 やるべきことがわからなかった民主党が、雇用増、倒産減に反論するのはあまりに子供みたいな話だったので、先の総選挙ではまったく経済論争できなかった。自民党の大勝を、野党の準備不足のためといっているが、マクロ経済政策の理解において、安倍政権と民主党では天と地ほどの差がある。もっと、民主党はマクロ経済政策を勉強しないと、安倍政権には勝てない。

 

 ところが、マスコミもマクロ経済を不勉強で知らないので、安倍政権が、2012年総選挙、2013年参院選、今回の総選挙と3回も民主党を破った理由がわからない。経済運営をうまくなっておけば、そう簡単には国政選挙で負けないのだ。

 

 ただし、今回の総選挙は、今年からの消費増税をやってしまったので、ギリギリのところだった。来年10月からの消費増税を決めたら、来年統一地方選では自民党は惨敗しただろう。そして、安倍政権は崩壊し、財務省の使い捨てにされただろう。

 

 こうした構図のわからない識者は、倒産減になっているのを、アベノミクスの経済効果とみないで、ゾンビ企業の温存とネガティブにみる。

 

 そうした人たちは、マクロ経済がわからないので、アベノミクスの第三の矢ばかりに目がいく。実は、第三の矢の効果は、5年くらいたたないと出てこないので、今の段階では、下手な「矢」を数打つだけしかない。そのうち百に三つか、千に三つくらい当たるのが出る程度の話だ。

 

 第三の矢の重要性を語るだけなら、人畜無害であるが、倒産減をゾンビ企業の温存といいだすと、有害無益になる。そのような人たちを、「しばきあげ・清算論者」という。経営コンサルでよくみられるタイプで、個々の企業ベースで話をしている限り、その害悪は限定的なのだが、マクロや産業ベースになると問題だ。しばきあげ・清算論者は、マクロ経済に関心がなく無知で、常に完全雇用状態という前提だ。だから、デフレで失業増や倒産増になっていることが理解できずに、失業・倒産は怠け者とみてしまうので困った人たちである。倒産減をゾンビ企業の温存と見るわけで、雇用の改善も労働者を甘やかすからいけないと言いがちだ。 

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記者:

霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

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