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声で話せない人のために16歳の少年が開発。息をモールス信号にして話すデバイス

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Google Science Faire 2014のTALKプロジェクトページ

ALS(筋委縮性測索硬化症)やパーキンソン病、閉じ込め症候群、四肢まひ、声帯まひなどで声や言葉を発することが困難な人のために、安価な意思伝達装置を、16歳のインドの少年、Arsh Dilbagi氏が開発している。「TALK」と名づけた装置は、耳かけ式のセンサーを鼻孔または口の近くに置き、鼻や口からの息をモールス信号として認識する。認識した信号はBluetoothでポータブルなスピーチシンセサイザーに送信し、音声に変換することができる。

モールス信号は短い信号と長い信号の組み合わせでアルファベットや数字を表現する(Sは「・・・」、Oは「---」で、Jは「・---」など)。従って、短い息と少し長い息を組み合わせれば文字を表すことができる。認識の所要時間は文字によって違うが、E(・)の認識に0.35秒、J(・---)の認識に1.83秒。技術は特許出願中だ。

スピーチシンセサイザーから出せる声の種類は、性別や年齢層により9通り用意されている。モールス信号で入力した英単語を声にするコミュニケーションモードと、例えば、Wと入力すれば「水(water)」、HHは「元気ですか?(Hello, How are you?)」などとあらかじめ登録した単語を発するコマンドモードがある。

Arsh Dilbagi氏によれば、世界人口の約1.4%は音声で話すことができないと推定されており、これはドイツの総人口を上回るという。このような人たちがコミュニケーションを行うツールとして、50音や、よく使うフレーズを書いた文字盤、タッチパネル、スイッチ操作で決められた合成音声を発する装置などのAAC(拡大・代替コミュニケーション:その人に可能な方法で自分の意思を相手に伝えること)装置が利用されているが、大きかったり入力に時間がかかったり、高度な機能を持つものは高価だったりするため、誰でも快適に利用できるとはいえないというのが、TALK開発の理由だ。

Dilbagi氏は、TALKは他のAAC装置よりも使いやすく、快適に使え、廉価(199ドル)で、発声速度が速く、しかもポータブルなため、音声でのコミュニケーションができない人々に大きな可能性を開き、世界を変える可能性があるとしている。

TALKは、2014年7〜9月に行なったIndiegogoでの資金調達に失敗したが、グーグルが13〜18歳の学生を対象に実施しているコンテスト「Google Science Faire 2014」で最終選考15組に選ばれ、一般投票賞を受賞した。早い商品化を期待したいデバイスだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。

参考情報(外部サイト)

Googleグローバル・サイエンス・フェアのウェブサイト
IndiegogoのTALKのページ
Talk with your NOSE

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