ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

強制認知して養育費はどれくらいもらえるでしょうか?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

Q.

 私は成人していて社会人です。大学生(18歳)の彼氏と同棲5ヶ月で妊娠が発覚しました。最初は彼も喜んで一緒に病院に行って生まれてくるのを楽しみにしていたのに、2日後に連絡が取れなくなり家に行ったら「俺はもう知らない。勝手にしろ」と言われました。相手方の親にも堕ろしたほうがよいと言われましたが、私はそんな気は全くありません。
 強制認知の仕組みを知ったのでやってみようと思うのですが、強制認知した場合、受け取れる養育費は任意の認知と違って金額が少なくなったりしますか?出産費用、仕事ができない間の生活費の請求、出産準備のための費用など請求できますか?

(20代:女性)

A.

 法律では、結婚している間に妊娠した場合、夫の子供であるとされます(民法772条)。ところが、未婚の状態で妊娠した場合、認知によって父子関係が成立します(民法779条)。男性が認知を行わない場合、女性側から強制的に父子関係を成立させる「強制認知(認知の訴え)」という方法が法律には用意されています(民法787条)。
 もっとも、強制認知は「調停前置主義」と言って、裁判の前に調停をしなければなりません。調停とは、裁判所が旗ふり役となって、専門家を交えて当事者間での対話による合意を目指すものです。調停が決裂した場合に裁判に発展することになります。
 認知調停の申立は、子どもの出生後はもちろんのこと、妊娠中も申し立てることができます。したがって、ご相談者様は、まず認知調停の申立を行う必要がある段階です。

 次に、強制認知と任意認知とでは、養育費の金額は異なりません。むしろ、父である男性の経済的状況(働いているのか、収入はどの程度あるのかなど)などが大きく影響します。裁判所では養育費についての算定表を用意しており、それを用いて当事者間で話し合いをして金額を決めるのが一般的です(養育費自動計算で金額の目安を確認できます)。
 ただ、出産費用、仕事ができない間の生活費などについては、養育費の算定で考慮してもらうのは難しいと考えられます。養育費は、あくまで生まれた子の養育のために生じる費用だからです。

 ご相談者様の場合は、これらの費用については、婚約の不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)か、男性の行った行為を不法行為として、損害賠償請求することが考えられます(民法709条)。
 もっとも、いずれの方法でも実際に損害賠償請求が認められるかは未知数です。婚約の不履行として請求する場合、例えば結納を交わしていたことや、新居を構えたなどの、「結婚に向けた準備をしたという事実」を立証する必要があります。
 一方、妊娠発覚後、男性がご相談者様に対してサポートを行わなかったことを不法行為と構成し、損害賠償を請求する方法では、請求が認められるケースも見受けられます。その場合、出産費用または堕胎費用の半額と慰謝料の請求が認められています(出産費用の例として東京地裁平成25年11月29日判決、堕胎費用の例として東京高判平成21年10月15日判決)。
 事情が違えば請求が認められるかも変わってきますし、上記のように、相手方との交渉や裁判所に対する手続きなどは、妊娠中のご相談者様にとっては、相当大変ではないかと考えられます。ぜひ一度、弁護士などの法律の専門家にご相談されることをおすすめいたします。

元記事

強制認知して養育費はどれくらいもらえるでしょうか?

関連情報

離婚無効と結婚の取り消しが同時におこった場合はどうすればいいでしょうか?(なっとく法律相談)
借金の事実を隠していた相手との婚約破棄と慰謝料請求(なっとく法律相談)
同棲を破棄。彼女のお腹には赤ちゃんがいる可能性はあるが慰謝料は?(なっとく法律相談)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP