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山下達郎「クリスマス・イブ」超え果たす名曲つくるのは誰か

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 今日12月14日は、日本の歌謡史に残る曲が発売された日でもある。山下達郎の「クリスマス・イブ」だ。30年以上聞き継がれているこの曲に勝てるクリスマスソングは現れるのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が新しい定番曲を模索する。

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 「日本人はいつまで、山下達郎の“クリスマス・イブ”を聴くのか?問題」

 毎年、私が疑問に思うことなのです。クリスマスシーズンになると、ラジオでも街角でも、この山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れます。この光景は、いつまで続くのか、と。

 本日、12月14日は衆議院選挙の日ですが、実は「クリスマス・イブ」の発売日でもあるのですね。1983年のこの日、アルバム『MELODIES』からシングルカットされたのでした。この曲がブレークしたキッカケと言えば、なんと言っても1988年にJR東海のCMに起用されたからでしょう。1989年には、発売から実に6年半後にして、チャート1位に輝きました。その後も、何度もクリスマスになるたびにランクイン。発売30周年の昨年は、ベストテンに入りました。今年もベスト30に入っています。まさに、クリスマスソングの定番。横綱の風格すら感じられる曲であります。

 この名曲自体にケチをつけるつもりはありません。間違いなく、山下達郎の代表曲であり、最高傑作の一つです。楽曲もアレンジも演奏も完成度が高いです。30年以上経った今でも古臭い感じがしないです。世代を超えて愛されていると言えます。やや余談というか、自慢ですが、一度だけ、15年前に山下達郎のライブチケットがとれて、生でご本家のこの曲を聴いたことがあります。そりゃ、感動しましたよ。NHKホールの一番後ろの方の席から見ると、山下達郎は、いろんな意味で輝いて見えましたが。

 とはいえ、「若き老害」「4代目切込隊長」の異名をとる私としては、文句の一つでも言いたくなります。山下達郎はもはや、クリスマスソング界の老害ではないか、と。なぜ、若手ミュージシャンはこの曲に勝てないのか、と。

 思うにこれは、キャリアの長いアーチストにありがちな「勝ち逃げ」モデルではないかと私は見ています。「クリスマス・イブ」が1位になった80年代後半はバブルでしたし、90年代は驚くほどCDが売れた時代でした。そこで定番の座を勝ち取ったので、ある意味、既得権のようなかたちで、売れ続けているのではないか、と。そして、二度と下の世代に勝つチャンスを与えないのではないか、と。

 余談ですが、この勝ち逃げで有名なのが、河村隆一のファーストフルアルバム『LOVE』です。これは日本の男性ソロアーチストのアルバムで最も売れたアルバムなのですね。ちょうどこのアルバムが出た1997年ごろがCDの売上ピークなので、抜きづらい記録になっています。このアルバムの5曲目、「Love song」という曲は、王子様感というか、自己陶酔感満点の曲なので、ぜひ聴いてみてください。沢山売れたアルバムだけに、今なら中古で100円+税くらいで買えます。レンタルよりも買ったほうが安いです。

 現在は、構造的に新しい定番が誕生しにくい時代だと思います。なんせ、音源が売れない時代だからです。CDのセールスが下がっているのはご存知の通りですし、ネット配信も頭打ち感があります。ライブの動員は好調ではありますが。そもそも、新しい曲というのが世に出て、定着しづらい時代だと言えます。新しいクリスマス・ソングが生まれていないわけではないですが、そういう曲を広め、育てるよりも、ド定番のこの曲を流す方が、楽をしてクリスマス気分を漂わせることができるわけです。

 誰が次の「クリスマス・イブ」的な、ド定番を作ることができるのか。かなりの無理ゲー感が漂っていますが、密かに期待してはいます。今年で言うと、EXILE ATSUSHIの「First Christmas」はクリスマスの新定番になるのか、私は注目しています。個人的には、日本が誇る2大ヨシキである、YOSHIKIと、いきものがかり水野良樹に、これからのクリスマス新定番を期待したいと思います。

 山下達郎さん自身も、「クリスマス・イブ」を超える、新たなクリスマス・ソングを期待したいところです。まあ、この曲を出した後、奥様の竹内まりやさんの「今夜は今夜はHearty Party」の編曲、プロデュースを担当。この曲も定番化し、いまや夫婦でクリスマス・ソング界を牛耳る、老害なのですけどね……。

 というわけで、誰が「クリスマス・イブ」を超える、クリスマス・ソングの新定番を作るのか。激しく傍観したいと思います。


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