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子供が駆け回る体験型アート展が話題

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プログラマ、エンジニア、数学者、建築家、CGアニメーター、デザイナー、絵師、編集者…など、多彩なスペシャリストから構成されるウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」。彼らがこれまで発表してきたアートと遊園地を一度に体験できる世界初の大規模展覧会「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」が、東京・お台場の日本科学未来館で開催されている(2015年3月1日まで)。

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チームラボは、これまで台湾やシンガポール、フランス、アメリカなどでアート展を開催してきた。江戸時代中期の絵師・伊藤若冲の絵をモチーフにした巨大なアニメーション「Nirvana」や、まるで屏風絵のような「花と屍 剥落 十二幅対」(※「剥」は旧字)など、日本古来の伝統美術を独自の解釈とデジタルテクノロジーで再構築しているのが特徴だ。

遠近法で奥行きを描く西洋絵画と比べて、近代以前の日本画は視点が定まっておらず、平面的に描かれている。近代以降は廃れてしまったその描き方に、チームラボ代表の猪子寿之さんは新しい可能性を感じているという。

「伝統的な日本画は平面的ですが、視点がひとつしかない西洋絵画に比べて、動きながら/動かしながら見ることに適しています。絵巻やふすまなどは、そもそも視点が動くものに描かれていますからね。僕は、そうした日本古来の空間認識や日本美術の特徴が、3DCGやデジタルアニメーションの技術と合わさることで、もう一度花開くんじゃないかと思っています」(猪子寿之さん)

チームラボには、センサーを使って観客に反応する仕掛けを用いたインスタレーション作品も多い。鑑賞するだけでなく、人がもっと自由に参加し、その空間を体感する。こうしたコンセプトでつくられた作品は、海外の展覧会で意外な反応を引き起こした。

「海外の美術館で展覧会をやると、子連れの家族がたくさん来て、子供たちが大騒ぎするんです。僕も初めは『一応ちゃんとした美術館なのに大丈夫か!?』って驚愕したんですが、それまでアートに興味のなかったメンバーの1人が『日本で自分の息子たちにもこれを体験させたい』と言い始めました。ただ、日本では子供が騒ぐと『しつけがなってない』と言われるような空気がありますから、最初はほかのアート作品と切り分け、子供がはしゃいでもいい雰囲気のものを集めて『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』というプロジェクトをスタートさせたんです」(猪子さん)

「学ぶ!未来の遊園地」シリーズは、2013年より国内外各地で開催され、子供たちを熱狂させている。そして、今回の『チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地』は、初めて大人向けのアート作品とアトラクション要素が強く子供たちが楽しめる作品、計15作品が1カ所に集まった、2部構成の大展覧会なのだ。

「本来、伝統的な日本美術には動きながら見られるという特徴があるし、チームラボとしても、アートを動き回りながら体感していくような楽しみ方をしていただきたい。ただ、大人にはどうしても、美術展は静かに立ち止まって鑑賞しなければいけないという固定観念があります。今回はその隣をでたらめな子供たちが走り回ることで、大人たちの見方も変わっていくんじゃないかと期待しています」(猪子さん)

チームラボが提示するのは作品だけでなく、その場にいる人たちの関係性まで含めた“空間”だ。美術品を鑑賞しに行くというスタンスではなく、イベントに参加するつもりで遊びに行くと、子供に負けないくらい楽しめるかもしれない。

(取材・文=宇野浩志)
(R25編集部)

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