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コンビニおでんの利益率5割超 経営者が最も力を入れる商品

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 鍋から立ち上るだしの香りに誘われ、思わず手を伸ばしてしまうコンビニのおでん。ロングセラーとして不動の地位を築くヒット商品の消費者戦略に、ジャーナリストの鵜飼克郎氏が迫る。

 * * *
 コンビニで初めておでんを商品化したのはセブン‐イレブン。1979年のことだった。おでんは冬の定番商品と思われているが、実はコンビニ各社が本格的に商戦をスタートさせるのは9月。冬場よりも寒暖差があり、体感気温が下がる秋口のほうが、おでんの売れ行きも良いという。
 
 最近では、おでんを通年販売する店舗があるほど、各コンビニはおでんの販売と開発に並々ならぬ力を注いでいる。
 
「コンビニ業界で、おでんは客を引きつける”マグネット商品”と呼ばれています。おでんは他の商品と違い、ちょっと足を延ばしてでも自分好みのコンビニに買いに行く商品なのです」
 
 そう話すのは、おでん評論家の新井由己氏。客の”ついで買い”が期待できる商品でもあり、店舗にとっても欠かせない看板商品になっている。
 
「コンビニでメーカー品を売った場合の利益率は3割と言われていますが、オリジナル商品のおでんは5割を超える。廃棄ロスは店の負担となりますが、それでも儲かる商品です。よく売れる店では1日1000個、10万円を売り上げ、その半分が店の利益となる。手書きのメニューを貼り出すなど、店のオーナーがもっとも力を入れている商品と言えます」(新井氏)
 
 それだけに、各社は仕込みや販売方法を徹底管理。店舗には、各社が独自にまとめた門外不出の『おでんマニュアル』が常備されている。

 某社のマニュアルを見ると、
 
「牛すじの匂いはつくねにつきやすい」
「つゆは1時間で700cc蒸発する」
「味を出すタネと味を吸うタネのバランスに注意」

 という具合に、細かな仕込みの手順、注意事項がずらりと並べられていた。 ちなみに味を出すタネは、ちくわ・さつま揚げ・つみれ・つくねなど。味を吸うタネは大根・たまご・こんにゃく・白滝である。
 
「これをうまく並べることで味にバランスが出ます。こういったルールを守っている店はタネがきれいに並び、つゆが透き通っている。おでんの匂いが充満している店は手入れが悪くつゆが濁っていることが多い」
 
 と語るのは、コンビニジャーナリストで『コンビニだけが、なぜ強い?』(朝日新書)の著者、吉岡秀子氏だ。
 
 都内のあるコンビニ店長もこう話す。
 
「おでんの美味しい店は、味を出す、吸うの2種類だけでなく、”白物系”のたまご・白滝・はんぺんと”濃色系”のウインナー・ごぼう巻き・厚揚げなどの色も意識しながら並べています。タネがすかすかで、つゆに泳いでいるような店は敬遠すべきでしょう」
 
 コンビニによっては”おでんマイスター”と呼ばれる店員がいる店もあるという。
 
「おでんの管理はリーダー格の店員が担当することが多い。こまめに灰汁をとり、つゆや具材の補充をするため、ユニフォームが他の店員に比べて汚れているのが特徴。つゆがはねたりするからです。そういう店員がいる店はおでんを作るのがうまい」(前出・コンビニ店長)

※SAPIO2015年1月号


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