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決議事項 ~利益相反取引の承認3~

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 前回は、利益相反取引の直接取引の場合の規制と承認を受けた際の取締役会議事録への記載について、例を踏まえながら説明をしました。今回は、間接取引の場合についての説明をしたいと思います。

■間接取引

 間接取引とは、会社と取締役以外の者との間で行われる、会社と取締役の利益が相反する取引のことをいいます。X会社の取締役AがY銀行から金銭を借り入れる際に、X会社がY銀行と、Aの当該貸金債務を保証する契約を締結するような場合が典型例といえます。
 間接取引をしようとするときには、直接取引の場合と同様、取締役会の承認が必要です(会社法356条1項3号365条1項)。したがって、承認を受けた場合には取締役会議事録に記載する必要があります。

●債務保証による間接取引

1. 甲 株式会社に対する債務保証について

 議長から、 A 取締役が代表取締役を兼務している 甲 株式会社が X 銀行から××億円を借り入れるに際し、当社に対して債務保証の依頼があったので、別紙記載の条件により債務保証をしたい旨の説明があった。
 次いで、議長これを議場に諮ったところ、全員異議なくこれを承認した。なお、 A 取締役は特別利害関係人のため、決議に参加しなかった。

 これは、代表取締役を兼務している会社の債務を保証するものです。取締役会が承認を決議する場合、会社と利益が衝突する取締役は、競業取引の場合と同様、決議に特別の利害関係があるため、議決に加わることができません(会社法369条2項)。

●他の代表取締役による間接取引

1.取締役の自己取引の承認について

 議長から、 A 取締役が代表取締役を兼務している 甲 株式会社の他の B 代表取締役と 甲 株式会社が製造・販売している製品αを年間××トン、××億円で購入すること等を内容とする契約を締結したい旨の詳細説明があった。
 次いで、議長がこれを議場に諮ったところ、全員異議なくこれを決議した。
なお、 A 取締役は特別利害関係人のため、決議に参加しなかった。

 これは、会社が代表取締役を兼務している他の代表取締役と取引を行うものです。例えば、親会社の取締役が子会社の代表取締役を兼務して両者間で取引を行うと直接取引となってしまいます。そこで、子会社に親会社の取締役を兼務していないもう1人の代表取締役を就任させ、親会社との取引についてはこの代表取締役に行わせるということがあります。
 これを利益相反取引に含めないと一種の脱法行為となるおそれがあるので、このような場合も「取締役以外の者との間」の取引として間接取引(会社法256条1項3号)に含めて規制すべきといえます。
 したがって、このような場合にも取締役会の承認が必要です。

元記事

決議事項 ~利益相反取引の承認3~

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