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「学生には何にも知らないという強さがある」 音楽プロデューサー 松任谷正隆氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録

「学生には何にも知らないという強さがある」 音楽プロデューサー 松任谷正隆氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録

「学生には何にも知らないという強さがある」
音楽プロデューサー 松任谷正隆氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録

 コンサートプロモーターズ協会(ACPC)と東京工科大学メディア学部が提携して開講している寄附講座「ライブ・エンタテインメント論」。この第10回となる12月2日の講義に音楽プロデューサーの松任谷正隆氏が登壇。「学生だからできること」をテーマに、松任谷由実「SURF&SNOW in Naeba」「POP CLASSICO TOUR」帝国劇場「あなたがいたから私がいた」等、松任谷氏と東京工科大学の学生との取り組みについて語られた。

関連リンク:
・寄附講座「ライブ・エンタテインメント論」 ・コンサートプロモーターズ協会(ACPC) ・東京工科大学

2007年から始まった東京工科大学とのプロジェクト

ライター 松木直也(以下 松木):松任谷先生は、これまでメディア学部の学生たちにプロの現場に参加する道をたくさんつくってくださっています。学生の中でそのチャンスを活かして、電通のクリエイティヴやテレビ朝日に入社した方もおられるそうです。

松任谷正隆(以下 松任谷):最初はこのシリーズの特別講義の一ゲストとして呼んでもらったことがきっかけで、僕らは苗場で毎年一回「SURF&SNOW in Naeba」というイベントをやっているのだけれど、そのイベントだったらテスト的にできるんじゃないかと思って、2007年に参加してもらったのが始まりです。

佐々木和郎 メディア学部 メディア学科 教授(以下 佐々木):参加した初年度には、当時の学生から松任谷由実さんのコンサートをお客さんにスイッチングしてもらって観れるようにしたらどうですか? という提案がありました。

松任谷:この当時は、インターネットの環境って今ほど良くなくて、当然画質も悪かったんだよね。送り出しも凄く小さかったからこういう色んな遊びができた時代だった。

佐々木:もう一つ、無謀にも無告知でゲリラライブをやるという提案を採用していただきまして、これも実現させました。翌年からゲリラライブはゲレンデの中腹で本格的に行うようになりました。

松任谷:学生たちのアイディアがベースにあって、それにちょっとだけアレンジを加えてバージョンアップしていった感じだね。

佐々木:2010年の「SURF & SNOW in Naeba」30周年の年には、雲母社(きららしゃ・松任谷由実さん、松任谷正隆さんの所属事務所)におじゃましまして、トーク番組を制作しました。

松任谷:最初の頃は不思議な信頼関係があったんですよね。学生ってノウハウを知らないじゃないですか。そこが僕には面白かった。だけど面白くても信頼しないとその次の一歩には進めないじゃないですか? だから学生を信用してやった記憶があります。

松木:こういったプロの仕事に参加できるチャンスってなかなかありませんし、すごく大きな経験だったと思います。

松任谷:学生には何にも知らないという強さがあるわけですよ。例えばどうやったらイベントがもっと楽しくなるだろうかって考えたときに、「ゲリラライブをやりましょう」という話しになって、いつやるかと聞くと、「シーズン終わった翌日にやりましょう」と。「翌日じゃ人帰っちゃうでしょ?」って言ったら「じゃあシーズン中にやりましょう」って。「シーズン中に同じことやったもつまらないでしょ」「じゃあ外でやりましょう」「えっ外で? バンドのメンバーも何て言うか分かんないよ?」って言っても「外がいいです」って言うんですよね。それを僕は面白いかもしれないなって思うわけですよ。

松木:学生たちのアイディアは、新鮮だったり非常にユニークだったりすると思うんですけど、現実的に機材をどうするかとかそういったハードな部分に対してのフォローは大変じゃなかったんですか?

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