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オフィスで熱血指導する「修造もどき」 女性社員に「無理じゃない、もっと本気出せる!」と激励

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「彼が海外に渡ると日本の気温が下がる」と言われるほどの熱血漢で知られる、元テニスプレイヤーの松岡修造。いまでは人気タレントの1人だが、実際に身近にいられると暑苦しくてたまらないと思う人もいるかもしれない。

日本企業にはびこる働くゾンビたちの生態に迫る「ワーキングデッド」(BSジャパン)。2014年12月4日の放送では、体育会系の熱血といえばアノ人という意味か、登場ゾンビを「修造もどき」デッドと名付けて紹介していた。
「ネクタイのゆるみは心のゆるみ!」と全員スクワット

某大手建設会社では、課長である小庭(32)が朝から大声で、部下たちにあいさつ指導を行っていた。声が小さい社員には何度もやり直しをさせ、「お前の『おはようございます』で、地面を動かしてみろ!」と意味不明のことまで言い出す始末だ。

本人のためと盲信して過剰な熱血指導を行うのも特徴で、仕事が重なり「できない」と愚痴っていた女性社員には、「無理じゃない、もっと本気出せる!」「もっと前に! もっとやれる、出し切れ!」と大声で応援していた。

結果的に成功すると、「彼女は変わった、みんな拍手!」と同じ部署の全員に拍手させる。しかし物事のすべてを「気合いでなんでも乗り切れる」と信じているため、部下たちは困惑することが多い。コピー機の不調で修理サービスを呼ぼうとすると、

「君の気合いが足りないからだ! もっと心をこめてボタン押せ!」
「僕も本気で行くから、お前も本気でやれ!」

と部下を励ます場面では、「こんな人はいないよ」と笑ってしまった。

問題といえば、過剰なチームプレイを部下に強要し、何かと連帯責任にしたがるところだろう。会議中に1人の男性社員のネクタイが緩んでいただけで、「ネクタイのゆるみは心のゆるみ! 連帯責任。心を一つにすること!」と怒鳴り、全員にスクワットを強要していた。これに近いことをする人は、もしかするといるかもしれない。
部下との接し方が分からない人が「気合い」に逃げる?

この「修造もどき」マインドは感染しやすく、この部署では気が付けばみんなが修造もどきデッドになっていた。これには部長も、

「他の部署から『大声あげてうるさい』と苦情が来てる。ほどほどにしろ」

とたしなめたものの、デッドたちは体育会系の大声で集団謝罪を始め、手が付けられない状態になってしまった。番組ゲストの津田塾大学教授で哲学者の萱野稔人さんは、「修造もどき」が出現した理由をこう分析する。

「少し前までは上下関係が絶対という上司はたくさんいたが、最近は部下への接し方が分からないので、『とりあえず気合いと言っとこう』という人が多い。本人の苦悩の表れであり、自分に対するおまじないでもある」

自分が感染しないようにするポイントは、「口答えしない」ことだそうだ。何か言い返すと熱血が倍になって帰ってくるため、「好きになるか、好きなふりをする」ことで乗り切れると萱野さんは説明した。

番組ではもうひとつ、村上春樹に憧れるあまり仕事がおろそかになってしまう「過剰ハルキスト」デッドを、ロッチの中岡創一が演じていた。

某IT関連会社で勤務する中岡(37)は、小説世界に入りすぎて日常会話に支障をきたす。仕事で必要な話を訊ねると「風の歌を聞け…」などとつぶやき、意志の疎通ができないと「やれやれ」と村上春樹の口癖が飛び出す。
「顔が普通でもモテまくる」設定に憧れるハルキスト

小説に心酔するあまり自分が主人公であるかのように錯覚し、「ノルウェイの森」に登場する緑という女性と、同僚の婚約者の美登里さんを混同。「昨日、ミドリと寝た」「2人で果てた」「でも快感よりも、罪悪感」などと本人の前で繰り返し、同僚と婚約者が口論になってしまった。

「過剰ハルキスト」について萱野さんは、「村上春樹の小説は、なんらかのトラウマがある主人公が多く、孤独な人がそれを分かって欲しいと思ううち、高みから(他人を)見てしまう」のが特徴だと語る。30代~40代が一番多いが、20代や50代でもいるそうだ。

また、ハルキストが増える要因として、こんな指摘をしたところが面白かった。

「村上春樹の小説は、顔が普通でも主人公がモテまくる。ある朝起きたら美女が隣で寝ていたなど、ありえない設定が多い」

萱野さんは対策として「とにかく放置をしておく。それしかない」と繰り返した。前回放送に登場した常見陽平さんも、おかしな社員がいても最終的には「相手にしないこと」とアドバイスしていたが、放置が多すぎるとゲストの説得力が欠ける気がする。元々の設定が荒唐無稽なのだから、ウソでもいいからブッ飛んだ助言を期待したい。(ライター:okei)

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