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夫の遺産を子どもに相続させてはいけない理由

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夫の遺産を子どもに相続させてはいけない理由

 家族がいる人であれば、誰でも一度は経験する「遺産相続」。
 この遺産相続ですが、基本的な分配の方法として「夫が死亡した時は、特に遺言がなければ妻と子で財産を分割する」というのは有名ですよね。
 しかし、この分割方法では、かなりの確率で「割を食う人」が出てくるというのをご存じでしょうか?
 
 『ダンナの遺産を子どもに相続させないで~50~70代のみなさまへ わが子のためにもなる相続と老後のマネー術』(高橋成壽/著、廣済堂出版/刊)は、「夫の遺産は一旦すべて妻が相続する」スタイルの遺産相続を提唱しているのですが、その理由として「夫の財産を子どもと分割すると、将来的に妻の生活が脅かされかねない」ことを挙げています。

 これは一体どういうことなのでしょうか?

■激減する年金収入、減らない生活費…夫の死がもたらす生活苦
 一般的に、男性よりも女性の方が平均寿命が長いこと。そして、現在50代〜70代の人が結婚のピークだった1970〜1980年代は「夫が妻よりも年上」という夫婦が多かったことを考えると、夫が死亡した後、妻には10年〜20年ほどは「次の人生」があると考えられます。
 
 この時間を過ごすための資金については、早くから準備している人もそうでない人もいると思いますが、ほとんどの人が勘違いしていることがあります。
 それは「年金」です。
 一家の生計を維持している稼ぎ手が死亡した時、残された家族に支給される「遺族年金」というものがあり、自営業社(=国民年金加入者)には「遺族基礎年金」が、サラリーマン(=厚生年金加入者)や公務員(共済年金加入者)には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金(公務員の場合は「遺族共済年金」)が支給されます。
 
 この存在があるから、妻は「夫が死んでも年金収入は変わらない」と考えがちなのですが、これはまちがい。
 遺族基礎年金」は、生計維持者が死亡した時に18歳未満の子(障害のある子の場合は20歳未満)がある場合に限って支給されるものです。
 しかし、夫が老齢年金を受給しはじめてから死亡したケースでは、子どもは18歳以上になっていることが多いはずで、そういう場合は「遺族基礎年金」は支給されず「遺族厚生年金」や「遺族共済年金」のみになってしまいますし、それも全額支給されるわけではありません。まして夫が自営業者だった場合は遺族年金自体がなく、以後の収入は妻の年金だけになってしまいます。いずれのケースにしても、夫が死亡すると、年金収入は激減するのです。最近多い共稼ぎ夫婦の場合も、妻が老齢厚生年金を受給していると、夫の遺族厚生年金がほとんどもらえない、という現状があります。
 これに対して、生活費の方は夫がいなくなって半分になるかというとそんなことはなく、せいぜい2割減る程度だとか。
減る収入と減らない支出。さらに夫が残した財産を子どもと分けてしまうと、よほどの蓄えがない限り妻の生活が一気に苦しくなるのは避けられないのです。老後のための財産を半分子どもに渡して、自身の介護や入院、そして葬儀代などはねん出できるのでしょうか?

■「全財産は妻が相続」に子どもは納得するか?
 しかし、子どもの方も自分に財産を受け継ぐ権利があるとわかっていますから、素直に「そういう事情ならお母さんが全部相続したらいいよ」とはならないかもしれません。
 だからこそ、夫の生前から「生前贈与」の形で少しずつ夫名義の財産を妻名義に変え、預金は「生命保険」の形に変えて受取人を妻にしておくこと。その際は、途中で解約しても払った保険料が全額戻るプランを活用すると使い勝手が良いようです。また、「全財産を妻に相続させる」旨の遺言書を、夫に残してもらうことが重要になります。
 後で親子間で相続争いが起きないためにも、これは早いうちに進めておくことがおすすめです。子供も母親が亡くなった後に財産がもらえると思えば、納得してくれるはずです。

 本書は、夫が亡くなった後、決して短くはない時間を一人で生きなければならない妻が生活に困窮することのないよう、フィナンシャルプランナーの著者が快適な老後を送るための戦略を授けてくれる一冊。

 いずれ必ず訪れる配偶者との死別に備えるのは、決して薄情なことではありません。
 その死によって家族がバラバラにならず、温かい関係を保ち続けるための知恵なのです。
(新刊JP編集部)


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