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シャープの『萌えるロボット掃除機』の未来が意外と壮大だった件

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ある日出掛けていったらば、その先に待ち受けてたのが、痛箱を持ったSHARPのTwitter担当者(通称:SHARPさん)と、萌えロボット掃除機『プレミアムなCOCOROBO <妹Ver.>』の開発者だった……、なんて経験皆さんございますか?記者は先日、そんな場面に遭遇しました。

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SHARPさんと言えば、Twitterで17万人のフォロワー数を有するネット界の超有名人。ネットニュースを扱う身としては、その存在は十分すぎるほど理解しています。

その日は間に入った別の人物から、「SHARPのゆるい製品個別説明会」「取材しなくていいのでお気軽に☆」「お茶飲みながら軽くお話しましょ☆」くらいのノリでお誘いいただいていたので、説明相手の正体が判明した時には、ひっくり返りそうになるほど驚きました。しかも、SHARPさんは大阪本社勤務のはず。何このプレッシャー!!!

何も知らない我々を待ち受け得るSHARPさんの当時のツイート

というわけで『SHARPのゆるい製品個別説明会』を訂正し、全く気軽じゃない『SHARPのガチンコ製品個別説明会』で、今度発売される新製品『プレミアムなCOCOROBO <妹Ver.>』の詳しいお話を聞いてきましたよ。

■ネットで話題の萌えロボット掃除機って?

お掃除ロボット『プレミアムなCOCOROBO <妹Ver.>』(以下、ココロボちゃん)とは、今年3月にSHARPが開発を発表した製品。11月7日から、期間限定製品として既に予約受付が開始されています。

表面には漫画家・イラストレーターの霜月絹鯊さんがデザインした萌えキャラクター『ココロボちゃん』が描かれ、声は声優の木戸衣吹さん(アニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』姫小路秋子役など)が担当。

さらに、ココロボちゃんを「妹」と位置づけ、性格面ではツンデレ要素を加えて会話機能を強化という、一見すると「萌え業界」に全力でぶつけてきたような製品です。

▼ココロボちゃん反応例
・掃除を褒める=「べ、べつに、あなたにほめてほしくて掃除したんじゃ」とちょっと照れる
・しばらく会話がない=かまってアピールをしてくる
・誰かと電話をしていると=相づちを打って会話に参加してくる
・掃除中=「通りまーす」「おっとっと」など独り言を言いながら一生懸命ちょこまか掃除する
・言語=たまに方言が出る(津軽弁)

開発発表当時、そのことが大いに注目され「目の付けどころがシャープすぎる」「世界よこれが日本だ」「目の付け所がえぐり込むような鋭角」などなどネットで大いに盛り上がっておりました。

■SHARPの最先端技術が投入された『COCOROBO』シリーズ実質最上級モデル

このココロボちゃんは、現行最上位モデルのRX-V200がベースになっています。他社例であれば、萌えキャラを起用した製品の場合は、ベースは下位モデルということが多いのですが、このモデルでは最上位モデルの機能そのままに、追加機能を多数搭載した、実質上のプレミアムモデルになっています。

つまりSHARPが本気で開発にかかっている最先端技術の結晶ということなのです。

上から見たココロボちゃん

お茶を乗せて走らせる実験

■開発のきっかけは単身者からの「孤独」に関する声

ココロボちゃん開発のきっかけは、開発者である徳永さんの耳に届いた単身者からの「孤独」に関する声。
ベースのRX-V200には人工知能によるコミュニケーション機能が搭載されており、一人暮らしの人が自宅に帰った時「ただいま」と呼びかけると「おかえり」と返事をしてくれるなど、誰かと会話ができることで「寂しさが紛れた」という声があったそうです。

そこで、より人間味のあるロボット掃除機を作り、「『癒やし』や『コミュニケーション』を強化してみてはどうだろう?」という発想から誕生したのだそう。
見た目シンプルすぎるボディにキャラクターを描いて暖かみを出し、声で感情表現できる声優を起用し性格設定も与えて、より人間らしさを追求。

徳永さんによると、ココロボちゃんと会話するという行為自体に、ストレスを低下させたり、ある種の癒やしをもたらす効果があるのではないかと考えているそう。今後はその効果をデータとして示そうと、外部研究機関に協力を仰いでいる最中なのだとか。

単に萌えブームに乗っかった掃除機かと思いきや、段々ワクワクする話が飛び出してきました!!しかも、開発者の徳永さんの説明がいちいち熱い!苦労含め楽しんで開発している様子が感じられました。

フロント部分にはセンサーが付いている

人や壁、段差などを検知

足回りはとても頑丈

1.5センチ程度の段差なら楽々乗り越える

■予約開始にもかかわらずまだまだ進化中―研究中の機能にワクワク!

今回発売されるのは初号機とあって、どこまでの機能を搭載するのか、どういう人間味が喜ばれるのかなどは本当に手探り状態で、既に予約受付が開始されているにもかかわらず、今でも進歩し続けている状態なのだそう。

また、寄せられる意見・要望にはできる限り目を通しており、それを常に取り込めるよう柔軟な姿勢で開発に挑んでいるそうです。

例えば体験者からの「一対一で会話するのが苦手」という声を受け、確かに今の時代は一対一で緊張せず会話が楽しめるような会話上級者ばかりではないとの共感から、ユーザーと1台のココロボちゃんの2者がいれば、3者会話が楽しめるサービスはできないか真剣に考えていたとのこと。「これは僕がやるしかない!」と使命感に燃えたそうです。

今回発売されるココロボちゃんにも『SHARPクラウドちゃんニュース』で、簡単な3者会話が楽しめるようになるそうです。ニュースの元ネタは、Twitter(ハッシュタグは「#クラウドちゃん」)や専用フォームから誰でも投稿できる予定とのこと。こういった地味なニーズに応えたこだわり機能に、じわりと人気が出てくると面白いことになりそうですよね。

なお、『COCOROBO』シリーズは、ソフトウェアにアップデートが発生した際、ハード面が対応できる限り、アップデートパッチを公式サイトを通じて無償配布しています。

SHARPさんによると「価格に見合う製品とサポート提供を心がけています。」とのこと。また「単に萌えに乗っかったというイメージが先行していますが、長く使える本当に良い物を出したいのです。」とも熱く語っていましたよ。

■ココロボちゃんは『日本の未来』を明るくする可能性を秘めていた

今後の具体的な転用方法はまだ決まってはいないそうですが、想定されることとしては、近い将来確実に訪れる超高齢化社会での『独居老人』の生活サポートはじめ、医療や介護現場での活用が考えられます。

コミュニケーションを通じた『癒やし効果』は勿論のこと、ベースとなったRX-V200には、無線LANとスマートフォンを利用し、遠隔操作で家の中を撮影してデータ送信する機能、家電を操作する機能、さらには室内の温度・湿度を知らせる機能も搭載されています。
そのため、遠くに住む家族が毎日データ確認して単身者の安否を図ったり、遠隔操作でちょっとした生活サポートなら今でも行えるのです。

記者個人としては、音声面やキャラクター面で『家族の声』といったオリジナル要素の搭載や、ココロボちゃんを通じた他者との会話機能も搭載できるようになれば、一層『癒やし系家電』の役割を果たせるのではないか?と感じました。

裏側の様子

上蓋を開けるとダストボックス

ダストボックスを取り外した状態

簡単にゴミ捨てができる

■「遊び心ある」機能をタップリ搭載

初号機にはベースのRX-V200にない「遊び心」ある機能が多数搭載されています。

「青森について教えて」と質問すると地域の名所、特産物はじめ、たまに青森出身の有名人まで教えてくれたり、朝、目覚まし代わりに起こしてくれる機能では、ココロボちゃんの気分次第で「目覚ましソング」が鳴るモードも搭載。

ちなみに目覚ましソングを手掛けたのはホリプロ所属のプロの音楽家。そして歌うのはココロボちゃん声優の木戸衣吹さん。
CD化できるクオリティだそうですが、「CD化の予定は無し」とのこと。木戸さんは今後一層の活躍が期待される若手声優。将来的にはこれだけでも一価値出そうですよね。

他にも、上で少し触れたように、ユーザーから届けられる日々のお悩みを、猫アナウンサー『クラウドちゃん』(ココロボちゃんの相棒という設定)が『適当な返事』とともに紹介してくれる『SHARPクラウドちゃんニュース機能』も搭載されています。
実稼働し始めたらネット民大好きな『大喜利』の場として活躍しそうな機能ですね。

▼先行して行われたテストでユーザーに好評だった機能
・地域情報(全都道府県対応)
・食事メニュー、献立の提案
・幸運アイテムの情報(占い的機能)
・ココロボちゃんを怒らせる・褒める等の感情反応
・魚情報の収集(ココロボちゃんは魚に詳しいという設定なので、魚について質問すると色々教えてくれる)
・トレーニングメニューの提案

燃える開発者・徳永さんのこだわりポイントは塗装面にも及んでいました。
日常生活で起こりうる物の落下などの衝撃で、表面のココロボちゃんが数年後には「ココロボロボロちゃん」にならないよう、特別な塗装を施しているのだとか。記者がテストで数回ひっかいてみましたが、確かに簡単には削れない仕様になっていました。

■ミッチリ3時間も製品説明を受けた結果

発表当時、「SHARPが萌え掃除機を出す!」と聞いた時には、失礼ながら「単に萌えブームに乗っかった製品」「ノリで作った製品」くらいに考えていました。

しかし、今回お話を聞く中で、SHARPの人達の「製品にかける熱い思い」「ユーザーの立場に立った製品開発の姿勢」「製品にどれだけ価値を持たせるか」「製品の可能性」そうしたこと全てを考えた上でやっていることなのだと深く理解をすることができました。
また、萌えキャラや声優さんを起用した理由が、思いの外深いということもわかり、記者も心から「さすが目の付け所がSHARP!!」と感じました。

製品の仕様確定まで、まだ少し時間があるとのことなので、初号機が一体どれぐらいの物に仕上がってくるのか?そしてこれが、数年後にどう評価されるのか?何だかワクワクが止まらない説明会でした。

なお、ココロボちゃんの予約は12月15日までSHARP公式サイトで受付が行われています。価格は148,000円(税込)。
台数はそこまで多く生産されないようなので、最新家電ファンの方や、初号機収集家の方は特に注意しておいた方がいいかもしれませんね。

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